北九州市内の気になる自動販売機を調べてみた テレビでも放送された<手が届かない自販機>?
365日・24時間、いつでも気軽に買うことができる自動販売機(以下「自販機」)。当たり前のように街に設置されている自販機ですが、北九州市内にはさまざまなものがあります。
本格的な夏を迎え、飲料の自販機を利用する機会も増えてくる今、北九州市内の気になる自販機を実際に調査してみました。
「ギラヴァンツ北九州」設置台数は?
黄色が眩しい「ギラヴァンツ北九州」応援の自販機があります。
「ギラヴァンツ北九州」は、北九州をホームとするプロサッカーチーム。自販機の側面には、マスコットキャラクターの「ギラン」が絶妙なポジションに描かれています。
この自販機は、ホーム会場のミクニワールドスタジアム北九州をはじめ、小倉駅界隈、モノレール駅や公園内など、街中あちこちで見かけます。
いったい市内に何台あるのかというと、およそ130台なのだそうです。
自販機の売上金の一部が、ギラヴァンツ北九州の応援に活かされる仕組みになっています。北九州市民として、ギラヴァンツ北九州に末永くエールをおくりたいです。
旦過市場を応援!復興を願う自販機
北九州で“応援”といえば、忘れていけないのが、小倉北区の旦過市場に設置された自販機です。
現在は4台あり、2023年4月26日の設置の際には、セレモニーが行われました。北九州市出身の飲料メーカー社員が、旦過市場の復興を願って設置を企画したそうです。
引き締まった黒色と鮮やかな水色のコントラストに、旦過市場のロゴがかっこ良く映えています。
ギターのラッピング&小倉祇園太鼓? 老舗楽器店の自販機
小倉北区魚町銀天街に老舗の「松田楽器店」があります。その店舗の角を曲がった通りに、ギターのラッピングが楽器店とマッチした、楽しい自販機を見つけました。
その自販機の真相を松田楽器店に聞いてみたところ、「ここにある4台の自販機のうち、楽器のラッピングを施してある2台は、飲料メーカーと小倉祇園太鼓保存振興会とのコラボ企画で寄付型自販機」とのこと。設置から10年以上、この場所で街を彩っています。
さらに、この企画を発案したという小倉祇園太鼓保存振興会に聞いたラッピング企画の自販機を紹介します。
お祭り気分になれる自販機?
小倉北区馬借の小文字通りに面している「ブックセンタークエスト」には、井筒屋とコラボした小倉祇園太鼓のラッピング自販機がありました。
この小文字通りは、「わっしょい百万夏まつり」で百万踊りが繰り広げられる通りなので、街と祭りの雰囲気にマッチしています。
粋な“浴衣”のラッピング自販機も!
小倉北区古船場町の樽井商店からすぐの場所にも、小倉祇園太鼓のラッピング自販機があると聞き見に行きました。
15年くらい前からここに設置されており、自販機のデザインは“浴衣”の柄とのこと。とても粋なラッピングです。
小倉祇園太鼓の関連の自販機は、以上の3ケ所とのことでした。
ちなみに小倉祇園太鼓は、毎年7月第3土曜日を含む3日間で開催されていますよ。
手の届かない“高い?”自販機の今を訪ねて
昨年、地元テレビ番組の放送で知ったのが、門司区にある「高い自販機」。実際に見に行ってみました。
番組によると、設置された敷地の持ち主は不用品回収を営み、不用品だった自販機を自身で修繕して復活。商品は、スーパーなどで調達して補充しているそうですが、自販機を敷地内に収めるため、やむなく塀の上に設置したそうです。
近所の人は「高い場所にあるので買えない」ということでしたが、硬貨の受け皿やマジックハンドの2つのお助けグッズを設置するなどして、冷たい飲料が買えたという内容でした。
設置主の「栄光ゴミ処理センター」の上村(うえむら)さんに、放送から1年が経過した現在の自販機の状況について話を聞いたところ、「硬貨が詰まるなどのトラブルが何度かあり、自販機を休止している」とのことでした。
再開のめどは立っていないそうですが、飲料の提供はもちろん、夜道の照明になることでの防犯など地域の大切な役割を担っていることから<新しい自販機の設置>を考えているということでした。
その話を聞いて「自販機は街を明るくする、大切な文化なのだな」とあらためて感じました。
暑い夏に大活躍の飲料自販機たち。そして、それを支える人たちに感謝ですね。
※2025年8月6日現在の情報です
(ライター・しまだじゅんこ)