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「一番釣りやすいのはGW前後!」 渓流釣りのシーズンごとの特徴を紹介

TSURINEWS

イワナ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

3月に入ると渓流ファンがウズウズしだす。寒かった冬から解放されるように釣り人もこの時期を楽しみにしている。ここではまず渓流釣りの一年間の流れを解説してみよう。

渓流釣りの一年を通した流れ

渓流釣りの解禁シーズンは地域や漁協により異なるものの関西圏ではおおよそ3月1日~4月上旬に解禁を迎える事が多い。私の場合、解禁の日程は都道府県のホームぺージの農林水産関係の部署のページでアップされている情報で確認する事が多い。今年も私のホームグラウンドの奈良県のホームページにも既にアップされており、良く通う川原樋川は例年通り4月上旬の解禁である。

放流の時期

では河川では解禁に向けてどのような準備がされているのか?冬季の間、禁漁後からしばらくすると開眼卵の放流が行われる。これは育てば半天然の個体になる魚だ。また解禁の直前になると成魚放流が行われる河川が多い。これが解禁前の河川の準備になる。

解禁になり釣りシーズンがスタートすると河川により適宜成魚放流が行われる所もある。最近ではアマゴやヤマメ以外にもニジマスを放流している河川もあり様々な魚種を楽しめる河川もある。

禁漁は秋頃

禁漁になるのはおおよそ8月下旬から10月末にかけてで、これも地域や河川により異なる。11月以降、本格的に水温が下がり始めるとサケ科魚類の産卵シーズンとなり主な河川は禁漁となる。また産卵期に入るとアマゴなどのサケ科魚類は摂食行動をとらなくなる事が知られており釣りをするのも難しいと思われる。

しかし近年では天然河川の一部をC&R区間に設定して年中釣りが可能にている河川もみられる。そこではアマゴをはじめニジマスや関東地方の一部河川ではハコスチ(箱島系ニジマスとスチールヘッドの交配種)を放流しており大型の渓流魚の釣りが楽しめる河川もある。

シーズン初期

解禁直後の河川は冬の水温のままであることが多く、山間部の渓流では雪代(雪解け水)が流入している事もある。そのため、適水温の時期になるまでは活性は低い。エサであっても釣りにくいシーズンがしばらく続く。

解禁直後から適水温期まではエサならイクラやブドウ虫を中心に、成魚放流が行われる河川と、天然個体がいる河川でエサを変えた方が良いとも聞く。ルアーではミノー以外にもスピナーなども活用して釣っていく必要がある。

また、暖かくなっても雪代(雪解け水)が入ると活性が下がってしまう事があるので注意が必要だ。この時期は動きが鈍い天然個体を狙うより、放流されて間もない成魚放流の個体を狙うほうが効率が良い。時期により放流物・天然物の狙いをシフトする事も大事だと感じる。

解禁直後に釣れた天然個体のアマゴ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

春の盛期~初夏

水温が約10度を超えると盛期に入り、その時期はGW前後であることが多い。このタイミングで追加放流を行う河川もみられる。

GWが明けると釣り人も釣果も少し落ち着く所が多い。放流河川では釣り切られている場所も出始めるので、半管理釣り場化しているような河川では非常に難しくなる。しかしこの時期からが渓流釣りの楽しい所だと筆者は感じる。難しい=腕が試される事に他ならないからであり、厳しい条件の中で釣れた魚は別格の嬉しさがある。

余談ではあるが、6月頃から釣り人を悩ませるアブや、場所によってはヒルなど、招かれざる吸血性の虫が現れだす。2022年の記事にも掲載したが対策をしっかりとして釣行を楽しもう。

筆者を攻撃してきたアブ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

水温が安定してくる梅雨頃にはエサ釣りではミミズが活躍する。特に雨の後など少し水が増える時期には特効餌となる事も多い。また、川虫も確保しやすくなる。カゲロウ類をはじめ、カワゲラなどバラエティーに富んだエサを捕食している事も多いので、様々なエサを準備する方がよいだろう。

ルアーは基本的に大きな変化はないが、水量が極端に少なくなる渇水の時期もあるので、様々な水深に対応できるルアーを準備しておく必要がある。特に浅い場所でもイワナやアマゴは隠れているので、浅い水深を攻める事が出来るプラグが有れば良い。筆者はどちらも対応できるようにダイワ・シルバークリークミノーのスローフォールカスタム40SSを多用している。

夏~秋

渓流釣りは夏の頃の渇水傾向が始まる頃から難しくなる。水が少ない事で釣れる場所が極端に少なくなる事で隠れる場所がなくなるためだ。シーズン的にはアユの解禁と共に下降していく河川も見られる。

秋口に入り朝夕の気温が下がり始めると魚の活性も朝夕は日中に比べて高くなる。またシーズン後期に入るので、釣る事は難しいが大型の個体を狙う事も出来る。しかし、9月の上旬から10月にかけて禁漁となる河川が大半となり渓流のシーズンが終了する。特に抱卵が現れ始めると本格的に終了となる。

ざっと1年間の渓流釣りの流れを示してみたが、最大のシーズンは4月以降GW前後と言えるだろう。GW以降は玄人向け。様々なエサを捕食するので、特にルアーやフライでの釣りが楽しくなる。とはいえ、シーズンにとらわれず各々のスタイルで渓流釣りを楽しんでもらいたい。

渇水期にヒットしたイワナ(提供:TSURINEWSライター・福岡崇史)

<福岡崇史/TSURINEWSライター>

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