3人を支えた南條愛乃さんからのアドバイス|『プリンセッション・オーケストラ』プリンセス・リップル/空野みなも役・葵 あずささん&プリンセス・ジール/識辺かがり役・藤本侑里さん&プリンセス・ミーティア/一条ながせ役・橘 杏咲さんインタビュー【後編】
テレ東系列6局ネットほかにて好評放送中の、キングレコード、アリア・エンターテインメント、タカラトミーによる完全オリジナルTVアニメ『プリンセッション・オーケストラ(以下、プリオケ)』。
『戦姫絶唱シンフォギア(以下、シンフォギア)』シリーズのスタッフをはじめとする豪華クリエイター陣による “歌いながら戦う”ヒロインアニメというコンセプトに、子供はもちろん大人からも注目が集まっています。
プリンセス・リップル/空野みなも役・葵 あずささん、プリンセス・ジール/識辺かがり役・藤本侑里さん、プリンセス・ミーティア/一条ながせ役・橘 杏咲さんへのインタビュー後編は、初挑戦となる「歌アフレコ」の感想や、3人によるユニット「オルケリア」についてお話を伺いました。
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【写真】『プリンセッション・オーケストラ』葵あずさ&藤本侑里&橘 杏咲インタビュー【後編】
南條愛乃さんからの「歌アフレコ」へのアドバイスとは?
──本作では通常のアフレコに加えて「歌アフレコ」もあるそうですが、実際にやってみた感想はいかがですか?
プリンセス・リップル/空野みなも役・葵あずささん(以下、葵):みなもちゃんのお母さん役で南條愛乃さんが出演されていて、収録が同じだった時に南條さんに「まだ歌アフレコで歌に感情を込めきれないんですが、どうやったらもっと戦っている感じになるんですか?」と相談させていただいたんです。
そうしたら「私たちの時は最終的に、「戦いよりももっと歌に寄ってほしいな〜」ってスタッフさんたちに言われちゃったくらい(笑)、戦いながら歌うというよりも、歌いながら戦うって感じで戦う熱量とか身体の動きというものを意識しながらやってたよ。」とアドバイスをいただいたんです。
南條さんたちは「もうちょっと歌ってください」と言われた時に「そんな!力こめないと戦えないですよ!敵に負けちゃう!戦わせてー!」と訴えたくらい自分たちの想いを込めていたと仰っていて。「アニメーションも歌詞と連動して力を込めやすいところにアタックがくるように作ってくれてたりするし、コツさえ掴めたら楽しくなると思うよ。葵さんが思うように戦ってみたらすごく楽しいと思うから、歌を崩すことを恐れずやってみてね」と教えてくださいました。
それまで歌アフレコは難しいと思っていたんですが、南條さんの言葉を意識するようになってからは、自分らしくというか、どんどん自分のタイミングで戦うことができるようになって楽しいと感じるようになりました。
プリンセス・ジール/識辺かがり役・藤本侑里さん(以下、藤本):キャラ合わせの時に『シンフォギア』を見せていただきながら、こういう風にやってほしいと説明していただいたので、歌アフレコに臨む前に改めて見直してみて、どういう風にやればいいのかを自分なりにイメージして現場に入ったんです。
でも、実際にやってみたら想像以上に難しくて。言いやすい母音や子音もあればそうでないものもあるので、楽曲が流れるシーンと歌詞の合わせ方というか、タイミングを絵と合わせるのがすごく難しくて今も苦戦しています。
でも、先ほど葵さんが南條さんから頂いたアドバイスを教えてもらってからは「あっ!」って思うことが増えてきて、こうやりたいというのが自分の中で芽生え始めてきた気がします。今も試行錯誤中ですが、以前よりもイメージ通りに戦えるようになってきたかなと思いますね。
プリンセス・ミーティア/一条ながせ役・橘 杏咲さん(以下、橘):母音や子音とか難しいところはいっぱいあるのですが、私は楽しい気持ちが勝っていて。こんな経験、多分生きているうちに中々できることはないと思うんです。だから、すごく面白いことをしているなという印象なので、実は毎回の歌アフレコがすごく楽しみです。
よく「歌アフレコは大変でしょ?」って言われますが、私は大変というよりも楽しいって思っちゃうんです。もっと成長したいという自分の想いだったり、ここはこうやって歌いたい、こうやって戦いたいという理想があるので悔しいことも多いですけれど、それでも楽しいです。
藤本:私も難しいとは言ったけど大変ではないかも。大変と思ったことはなくて、ただ難しくて自分の技術が追いつかないことに悔しいみたいな感じですね。
葵:たしかに歌アフレコは楽しいよね。
プリンセス会議で決まった「オルケリア」というグループ名
──3人が揃っているので「オルケリア」についても伺いたいのですが、この「オルケリア」という名前は3人で決めたと制作発表会記念特番で話されていました。この名前にした決め手や、言える範囲で結構ですので他の候補とかがあれば教えてください。
橘:たくさん辞書をひいて、ホワイトボードに書き出したりして、みんなでプリンセス会議をしたんです。
藤本:オーケストラの語源と言われているオルケストラと何かのワードを足した造語がいいね、みたいな話をしながら、色々な国の言葉を調べました。
葵:これだ!と思って考えた造語でも色々調べたみたら、何か別の意味を持っていることも沢山あったりして...。最終決定候補まで来ていたユニット名を英語にしたら、ある昆虫の学名と一緒だったということが2回もありました(笑)。紆余曲折ありましたが、最終的にはオルケストラ+カナリアから「オルケリア」になったんです。
「オルケフィア」とか「オルケシア」みたいに3人で色々と良い感じの名前を考えてみたんですけれど、言葉として外国では別の意味を持ってしまうとか試行錯誤を繰り返しました。
折角良いと思っても虫の学名と同じ単語だったりして、もし英語でタイトルを表示した時に虫の学名が出てきちゃうのダメだよねとか話したりしながら、色々考えて最終的に「オルケリア」になったんです。
──その苦労の末に決まった「オルケリア」という名前は、3人のキャラクターにもピッタリの素敵な名前ですね。
一音で心を掴まれる「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」
──オルケリアはオープニングとエンディングのテーマ曲も歌っています。まずはオープニングテーマの「ゼッタイ歌姫宣言ッ!」について、デモなどで初めて聴いた時の印象は覚えていますか?
葵:少し怪しい部分もあったりもするんですが、本当に子供から大人まで愛されるメロディーだと思います。私は特に「ドレミファ空へとDancinʼ☆」というところが大好きで。そこは子供たちも好きになってくれるんじゃないかなと思うのと、なにより『プリオケ』らしさが詰まっている部分だと思っているのでテンションが上がりましたね。
──サビ前の3人のラップパートもちょっと怪しげ良いですよね。
葵:そうなんですよ。これから何が起こるのかみたいな。
橘:すごく良いスパイスになっていると思います。
藤本:初めて聴いた時にかっこいいと感じて、特に「We are glorious princess」という曲の始まり方が凄く好きです。デモで聴いた時はコーラスが無くて音だけだったんですけれど、何かが始まる感じがして、一気に惹き込まれるなっていうのが第一印象でした。
サビのパートもプリンセスたちが戦っている絵が浮かぶような勢いのある曲だったので、聴いていてすごくワクワクしました。
──この曲のイントロは凄く印象的ですよね。
藤本:そうなんです。一音で心を掴まれるみたいな本当に好きな始まり方です。
橘:歌詞も大好きなところもたくさんありますが、私はバックの音が好き過ぎて。サビの後ろで鳴り響く弦楽器の音とか全てがかっこいいので、もちろん歌声も聴いてほしいですけれど、その裏で流れる音もしっかり聴いていただきたいなと思います。本当にかっこよくて大好きです。
──インストゥルメンタル・バージョンでじっくり聴いてほしいですね。
橘:本当に歌もインストもどちらも楽しめる最強の楽曲だなって思います。CDにも収録されるので、ぜひ聴いていただきたいです。
3人それぞれの声に背中を押されるような「君とつなぐオーケストラ」
──エンディングテーマの「君とつなぐオーケストラ」はオープニングとも一味違った楽曲ですが、こちらはいかがですか?
葵:歌詞が染みます。色々悩んでぶつかって、でも最後に前を見る曲なんだなと思っていて。私はサビで「明日へ」というパートを担当しているんですが、ちゃんと悩んでから「明日へ」と前向きになるのがすごく好きでなんです。
私自身が悩む曲が大好きなんですけれど、ちゃんと悩んで最後に自分の答えを出すみたいな歌詞が本当にかっこよくて、共感しやすい楽曲だと思うので大好きです。
藤本:想像していたものよりも大人っぽいエンディングテーマなことに最初は驚きました。歌詞がすごく良くて、それぞれの内面の気持ちをしっかり歌に乗せてほしいとレコーディングの時に言われたので、そこは特に気を付けて歌いました。
サビでは「どんな運命も 必ず最後は まぶしく輝くから」とか「歌おう ⼀緒に 明⽇へ」といった3人で歌い繋ぐメロディーラインが多くて、オルケリアで歌っている感じが強いなと思いました。オープニングテーマもそうなんですが、この曲をライブで歌った時に、3人それぞれの声に背中を押されるような感じだったんです。
橘:私は歌であまり感動とかしないタイプなのですが、この曲を武道館で歌った時は気持ちが入り過ぎて泣きました。それくらい本当に気持ちが高まる曲ですし、聴いても歌ってもグッとくる歌詞とメロディーだなといつも思っています。
ポップソング・ファンタジア――プリンセッション・オーケストラ開演!
──最後にメッセージを頂く前にこれだけ伺いたかったのですが、イベントなどで橘さんだけ「橘」と名字で呼ばれているのは何があったんでしょうか?
橘:理由は簡単で「葵 あずさ」と「橘 杏咲」でどちらも“あずさ”なので、私が橘になりました。
葵:それで私の方は同じように名字の“葵”から取って「おいおい」になりました。色々考えたんですけれど橘は「橘」が一番ピンときたんです。
橘:橘っぽいということでそうなりました(笑)。
──謎が解けてスッキリしました(笑)。それでは最後に、アニメを楽しみにしている方に向けてメッセージをお願いします。
葵:本当にどんどん面白くなります。覚悟して見てください。
藤本:色々な憧れ、夢、ワクワクが詰まった作品だと思いますので、ぜひお楽しみに。
橘:一瞬でも目を離したら過ぎ去っちゃうぞ、です。
──ありがとうございました。
取材・記事:岩崎航太、編集:太田友基、写真:胃ノ上心臓