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TVアニメ『ゲーセン少女と異文化交流』キャストリレーインタビュー第6回:草壁蓮司役 千葉翔也さん|リリーちゃんへの気持ちを蓮司がはっきり示したのがよかった

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

ゲームセンターの店員・草壁蓮司と、イギリスからやってきた少女リリー・ベイカーの異文化交流を描いてきたTVアニメ『ゲーセン少女と異文化交流』。最終回では、夏祭りの最中にはぐれてしまったリリーを蓮司が探し出すという展開が描かれました。蓮司とリリーの関係はいったいどうなったのか!?

アニメイトタイムズで連載中のキャスト陣によるリレーインタビュー、最終回を飾るのは草壁蓮司役の千葉翔也さん。千葉さんは蓮司とリリーの関係をどう解釈したのか。「物語、お芝居、掛け合い」という観点からうかがいました。

 

 

【写真】『ゲーセン少女』千葉翔也インタビュー【連載第6回】

積み重ねがあって大切な存在になったんだと思います

──第11、12話では蓮司たちの旅行と夏祭りが描かれました。

千葉翔也さん(以下、千葉):アニメは原作のいろいろなエピソードがピックアップされ、1クールの中で各キャラクターの魅力を掘り下げていく構成になっているので、どういう着地の仕方をするのか僕自身も気になっていたんです。なので、第11、12話が連続したエピソードになり、異文化交流としての日本文化……お祭りや花火を仲良しのみんなで楽しむという終わり方はすごく素敵だなと思いました。

“愛の告白”の誤解から始まった蓮司とリリーちゃんの関係がどう決着するのかも、きっと皆さん気になっていたかと思います。最終的には、蓮司にとってリリーちゃんは“悲しませたくない大事な人”であると、それをはっきり示してくれて、非常に納得感がありました。

 

 

──リリーのことをどう思っているのか尋ねてきた、リリーのお父さんとのやり取りも印象的でしたね。

千葉:お父さんは、最初はコメディ要員のネタキャラかと思っていたのですが(笑)、意外と大事なことを語ってくれるキャラクターなんですよね。そのお父さんに、蓮司が「悲しませるようなことは、したくないです」と言い切れたのもよかったです。第11、12話は、お父さんをクマだと勘違いして蓮司が皆を守ろうとするシーンもそうですが、彼のヒーロー的な一面、まっすぐな一面にフォーカスしていただけたのがうれしかったです。

──リリーと蓮司の距離感についてはどうご覧になりましたか?

千葉:リリーちゃんが蓮司に抱くドキドキ感は、最初こそバレンタイン文化の違いによる勘違いでしたが、リリーちゃんは勘違いに気づきながらも蓮司を特別な存在として見続けてきました。むしろ、蓮司と過ごすうちに彼の寄り添い方や優しさに惹かれ、あらためて惚れ直したんじゃないかなと思うんです。ちゃんと蓮司に惹かれる理由があるのがいいですし、これからも蓮司のことを好きでい続けてほしいと個人的に願っています。

蓮司からリリーちゃんへの視点という点では、年齢が離れているので、今すぐ関係性ががらりと変わることはないと思います。現状は、自分に懐いている女の子という感覚なので。でも、リリーちゃんが蓮司の人間的な魅力を見続けてきたように、蓮司も彼女のいいところをたくさん見続ければ、もしかしたらそれが恋心に変わるのかもしれません。

 

 

──蓮司はリリーからの好意を理解していたと思いますか?

千葉:そうですね。蓮司が顔を赤らめる描写もあり、「少し気持ちが傾いているのでは?」と感じられる場面もありました。ただ僕としては、それは女性と接することへの緊張感や戸惑いが多分に含まれているんだろうなと解釈しながら演じていました。

そういう緊張感や戸惑いがないときは、望月さんをはじめわりと誰にでもフラットなんです。リリーちゃんに対しても、あくまでもゲームを楽しむ姿が微笑ましいとか、一生懸命コミュニケーションを取ってくれるのがうれしいとか、やっぱり年下の女の子として見ていることがほとんどでした。でも、その積み重ねがあって大切な存在になったんだと思います。

──確かに序盤は、「外国人の女の子とコミュニケーションを取ること」への緊張感がありましたよね。

千葉:そうなんです。僕自身も街中で外国の方に道を聞かれ、英語で答えるのが気恥ずかしくなることがあります。「ゴー・ストレート、ターン・ライト」と、どうしてもカタカナ発音になってしまうというか(笑)。そういう照れの感覚はすごく理解できました。蓮司も話したい気持ちはあるけれど、表に出すのは恥ずかしい、そういう感覚があったと思います。

──日本語での掛け合いと、英語を話すリリーへのリアクションとでは、何か違いはありましたか?

千葉:ありましたね。英語特有なのかもしれませんが、天城(サリー)さんの英語の発音を聞いていると、どこか大人っぽく感じられるんです。リリーの感情や表情、声自体も幼いのに、なんとなく大人びて聞こえる。それがリリーちゃんの幼さと、外国でもちゃんと生活できるというしっかりした性格をあらわしているようで、きっと蓮司もそれを感じ取っているんだろうなと思いながら演じていました。

それから、蓮司も話していましたが、リリーちゃんって蓮司が聞き取りやすいように話してくれているんです。それは僕に対する天城さんのお芝居もそうなっていて、「わかる単語が強調されているから蓮司も理解できているだろうし、はっきりと返そう」とか、「わかる単語が少ないから、雰囲気で対応しよう」とか、場面ごとに蓮司のリアクションを考えながら演じることができました。大学生という蓮司の設定に、自分の大学生時代を投影して演じる感覚ですね。

 

 

──天城さんとの掛け合いそのものについてはいかがでしたか?

千葉:今回が初共演だったのですが、リリーちゃんをとても自然体で演じられていたのが印象的でした。リリーちゃんはもっと甘ったるく、言ってしまえばあざとい表現もできるキャラクターです。でも、そうではなくリリーちゃん自身の内面から出るかわいらしさを表現されていて。それはご本人のさっぱりした人柄が反映されていたからなのかなと思いました。

 

 

僕のほうから自主リテイクを何度か試させていただいたのも思い出深いですね

──天城さんをはじめ今回は若手のキャストとの共演も多かったと思います。葵衣役の小山内怜央さんや花梨役の結川あさきさんさんとの掛け合いはいかがでしたか?

千葉:小山内さんとは今回がメインキャラでの本格的な初共演だったんですが、最初から全力で演じられていて、その姿勢に感心しました。葵衣は声が大きく、蓮司もそれに合わせて自然と声を張らなければいけないので、小山内さんの勢いに引っ張っていただけたのもありがたかったです。

ご本人はとても堂々とした性格で、妹っぽさはあまりない方なのですが(笑)、葵衣の騒がしさとかわいらしさをしっかり表現されていました。お笑いを見てツッコミを研究されていたそうで、勉強を重ねる姿勢が素晴らしかったです。

──葵衣の勘違いから“グラサン店員が兄だった”と発覚する流れも面白かったです。

千葉:あの変装はアニメだとどうしてもバレバレになってしまうので、あえて漢気を濃く出してみました。普段なら通らないような芝居だったのに、この現場では「大丈夫」と言われ、逆にこちらが驚いたくらいです。僕のほうから自主リテイクを何度か試させていただいたのも思い出深いですね。

──結川さんについてはいかがでしたか?

千葉:結川さんとは以前共演したことがあり、そのときから自然体のお芝居をされる印象がありました。花梨は第6話からの登場。限られた話数の中でキャラクター性をしっかり詰め込まなければならない役どころでしたが、見事にアジャストされていたと思います。原作で抱いていたイメージ通りに掛け合いができましたし、ツンデレの“デレ”部分に見えるようなシーンも、自然に落とし込まれていて。リリーちゃんと同様、あざとさを感じさせないお芝居が印象的でした。

──花梨は、格闘ゲームで蓮司に勝つことを目標にしていました。

千葉:ふたりの対戦は大会まで引っ張る形になりましたが、花梨の真剣さがよかったです。蓮司も歴戦のプレイヤーなのですが、けっして花梨が小者に見えない見せ方も素敵でしたし、花梨の勝ちたい気持ちが真摯に表現されていて、彼女の魅力がしっかり伝わってきました。

 

 

──あらためて、蓮司というキャラクターを演じるうえで大事にされたことを教えてください。

千葉:原作を読ませていただいたときに、蓮司が強い自我を持ちすぎると作品に入り込みにくいのではと思ったんです。『ゲーセン少女』はリリーが主人公とも、蓮司が主人公とも言える、いわばダブル主人公のような形ですよね。 だからこそ、蓮司の葛藤をあまり重くせず、さっぱり切り替えたほうがいいのではと逆算して、少し明るめの性格で演じるようにしました。ただ、蓮司は大学生。高校生よりも落ち着きがあり、何かはしゃぐことがあっても、はしゃいでいることに自覚があるようなニュアンスを大事にしました。

──確かに蓮司は、リリーたちを「後ろで見守る立ち位置」というイメージもありますね。

千葉:そうですね。大学生ですし、中学生の女の子と一緒に遊ぶことに気恥ずかしさがあるのは自然だと思うので、その意識は常に持っていました。ただ、それが上から目線になったり、年下の女性を口説いたりするように聞こえないように注意しました。

蓮司は楽しいときには無邪気に楽しめる人間。その素直さが周囲との関係を深めているんです。彼は空気のような存在でありながら、いないと困る大切な存在なのかなと思います。

──これまでを振り返って、特に印象に残っているシーンはありますか?

千葉:やはり最初のクレーンゲームのシーンですね。リリーちゃんが必死に挑戦しても取れなくて、蓮司がサポートしてあげる。その小さなきっかけが物語を大きく動かし、そこからふたりの関係が始まる。あの場面がなかったら、きっとふたりは出会っても親しくなれなかったと思います。

──ちなみに、千葉さんご自身はリリーのどんなところが好きですか?

千葉:ゲームに必死なところもかわいいのですが、意外とはっきりとものを言うところが好きですね。お母さんやお父さんに対して言い返すこともあるし、望月さんに対してライバル心も持っている。人とのコミュニケーションの中で、彼女なりの素直さがすぐ表に出るところがかわいらしいなと思いました。

 

 

──これは皆さんにうかがっているのですが、千葉さんご自身のゲームセンター体験についてもうかがえますか?

千葉:僕も子どもの頃からよくゲーセンに行っていました。「太鼓の達人」のようなリズムゲームもやりましたし、レースゲームも好きでした。ただあまり得意じゃなかったんですよ(笑)。友達と勝負するよりも、協力するほうが楽しかった思い出があります。蓮司も、勝ち負けより“一緒に遊ぶ時間”を大切にするタイプだと思います。だからリリーたちと過ごすゲーセンの時間も、ただの娯楽以上にかけがえのない体験になっていると感じます。

──では最後に、ここまで作品を応援してくださった方へひと言お願いします。

千葉:この作品は、「誰にでも起こり得る小さなきっかけ」から物語が始まるところが大きな魅力です。道を聞かれる、ゲームを手伝う――そういった日常の延長線上に、リリーちゃんとの出会いがあり、そこから友情や絆が広がっていきます。特別な力や大事件がなくても、十分に心を動かす物語が描けるんだということをあらためて実感しました。観ている方にも、「身近な出来事が誰かとの大事な縁につながるかもしれない」と感じてもらえるのではないでしょうか。

かわいらしくてコミカルなのに、そこに人間関係の温かさがつまっているのも魅力的です。忙しい毎日の中で、疲れたときや少し癒されたいときに観ていただきたいですし、蓮司がこれからどんなふうにみんなと関わり、リリーと絆を深めていくのか、原作も一緒に楽しんでいただければと思います。

 

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