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地酒「浜千鳥」お気に入りは? 春恒例・すべてを楽しむパーティーで飲み比べ 28銘柄堪能

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 釜石市小川町の酒造会社、浜千鳥(新里進社長)は16日、第32回浜千鳥のすべてを楽しむパーティーを大町のホテルクラウンヒルズ釜石で開いた。市内外から約120人が参加。同社が掲げる“地産地消”の酒を心行くまで味わい、蔵人の技と地元の米、水で生まれる日本酒のうまさを体感した。ミニトーク、利き酒挑戦会などもあり、楽しい夜のひとときを過ごした。

 開会にあたり新里社長は、昨年創業100年を迎えた同社の歴史を紹介。製鉄所の繁栄によるまちの酒需要増加を受け、遠野の造り酒屋がルーツの新里家と釜石の有力者の出資で同社がスタートしたことを明かした。「会場にはそれぞれ特徴のある酒が並ぶ。“酒ときどき水”で、いろいろな銘柄を少しずつ試してほしい」と呼び掛けた。

 1部は「100年企業の地域ブランドつくり」と題したミニトーク。1902(明治35)年創業のみそ、しょうゆ製造販売業、藤勇醸造(大渡町)の小山和宏専務取締役と23(大正12)年創業の浜千鳥の奥村康太郎杜氏(醸造部長)が話した。小山専務によると、初代藤井勇助氏は釜石鉱山田中製鉄所の横山久太郎所長の命で、資金的バックアップを受けて同社を創業。市民に親しまれる甘口のしょうゆは九州地方に由来するもので、官営八幡製鉄所の操業(1901年)時、釜石の技術者が同地へ指導に行ったことが関係しているという。

写真上:藤勇醸造の小山和宏専務(中)、浜千鳥の奥村康太郎杜氏(右)によるミニトーク 同下:両社の歴史を感じながら聞き入る参加者


 津波や艦砲射撃を乗り越え100年以上の歴史を刻む両社。時代の変遷とともに新たな挑戦も行いながら、地元の味を創り上げてきた。奥村杜氏は大槌産酒米や湧水を使った酒造り、小山専務はこうじを活用した甘酒や化粧水などの新商品、カフェバーの開店について説明。地域に根差した企業として、今後も発展させていくことを誓い合った。

 2部は参加者お待ちかねのパーティー。乾杯後、さまざまな酒と料理を楽しんだ。各テーブルには3月の県新酒鑑評会で金賞を受賞した「純米大吟醸結の香」、大槌産酒米と湧水で仕込んだ「源水」、岩手大生が中心となったi-Sake(あいさけ)プロジェクトとの共同企画「Rondo Iwate(ろんどいわて) 2024」など5銘柄が用意された。料理では地元食材や藤勇醸造のみそ、しょうゆ、浜千鳥の酒かすを使ったメニューも提供された。

テーブルに並んだ酒でまずは乾杯!この後を楽しみに…


おいしい酒に笑顔を広げ、パーティーを満喫


 毎回人気の試飲コーナーには吟醸酒、純米酒、にごり酒、無ろ過生酒、米焼酎など23種の酒が並んだ。中には1991年醸造の30年ものの古酒も。参加者は興味を持った酒を飲み比べ、香りや味の違いを楽しんだ。

 盛岡市の伊勢美里さん(38)、本堂満智子さん(43)、成田麻由さん(30)は古酒、本醸造、純米酒を飲み比べ。「香りが強い」「甘いけどすっきり」などと感想を言い合い、「違いが分かり面白い」とにっこり。飲食業の伊勢さんは「店でも浜千鳥は好まれる。最近は“源水”押し。『すっきりしておいしい』と好評」と話す。ずらりと並んだ浜千鳥商品に「これだけの種類があるとワクワクする」と堪能した。

さまざまな銘柄を試飲できるコーナー。目移りしそう


浜千鳥自慢の酒28種がずらり。1991年醸造の「仙人郷」(右下写真)は参加者も興味津々


同じものはどれとどれ? 5種の酒を判別する利き酒コーナー


 同社に酒米「吟ぎんか」を供給する大槌酒米研究会の佐々木重吾会長によると、昨年は猛暑の影響で米作りには大きな苦労が伴ったという。浜千鳥の奥村杜氏も「これまでに経験したことがない気候。米が溶けにくく吸水などで難しさがあった」と振り返った。その中、県新酒鑑評会では純米大吟醸結の香の金賞に加え、県酒造好適米(吟ぎんが、ぎんおとめ)を使った部門で吟醸酒が7年連続の全農岩手県本部長賞を受賞している。

 職場の仲間で参加した釜石市の柏﨑勇希さん(23)は「こんなに種類があるとは驚き。いろいろな酒を気軽に飲めていいですね。好みに合うものも見つかりそう」。同パーティーへの参加は初めてで、「酒好きな人たちからいろいろな話も聞けて面白い」と交流も楽しんだ。

 春を迎え、来季の酒造りに向けた稲作準備も始まる。同社の酒造りの一連の工程を学べる一般向け体験塾は5月26日の田植えからスタートする。

参加者と談笑する浜千鳥の新里進社長(左)

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