鉄道マニアの少年、故意に脱線事故を引き起こしYouTubeに投稿(米)
SNSで注目を集めるため他人の迷惑を厭わない者は後を絶たないが、このほどアメリカのある少年が列車の脱線事故を起こしたとして起訴された。少年のアカウントと思われるYouTubeに投稿された動画には、脱線事故の一部始終が捉えられていた。米ニュースメディア『People.com』などが伝えた。
米ネブラスカ州ランカスター郡ベネットで4月21日の午後6時10分頃、米国28州とカナダ3州で鉄道路線を運営し、北米を代表する貨物鉄道会社の一つ「BNSF鉄道」の列車が脱線事故に見舞われた。同列車は当時、ネブラスカ州の公営電力会社「オマハ電力公社(OPPD)」に供給する石炭を大量に積んでいた。
この列車を運転していた運転士によると、走行中に線路の分岐器がずれていることに気づき、急いで緊急停止させたが間に合わずに脱線し、そばに置かれていた空の石炭用貨車に衝突したという。怪我人は出なかったものの、先頭に連結していた2台の機関車と牽引していた石炭を積んだ5両の貨車が脱線し、被害額は推定35万ドル(約5370万円)に上った。
その後、警察の捜査で線路の分岐器のスイッチを固定していた錠が見当たらず、スイッチが間違った位置にセットされていたことが分かった。そして事故から3か月後の今月24日、地元に住む17歳の少年が脱線事故を引き起こしたとして2件の器物損壊の重罪で起訴された。
宣誓供述書によると、自ら「鉄道マニア」を主張する少年は、事故当時現場に現れ、警察官に対して事故の一部始終を動画で撮影したと語ったそうだ。事故から3日後、警察が付近に設置していた防犯カメラの映像を確認したところ、脱線事故が発生する前にベージュ色の車が現場付近を走行している様子が映っていたという。
警察は車の持ち主を特定したところ、事故当時現場にいた少年が浮上した。また防犯カメラの映像には、この少年が線路の分岐器のある方向へ歩き、付近に三脚を立ててカメラを設置する様子が映っており、その4分後に事故が発生したことが明らかとなった。警察官によると、脱線事故の動画はこの少年のものと思われるYouTubeのアカウントに投稿されたとのことだ。
少年は未成年であるため、身柄が勾留されることはなく、身元も公表されることはないが、ランカスター郡検事のパット・コンドン氏(Pat Condon)は、地元のニュースメディア『KOLN』に「事件を成人用の裁判所に移すよう申し立てるつもりだが、その判断は少年裁判所の判事次第である」と述べている。次回の裁判は、今のところ未定だという。
画像は『Metro 「Teenager ‘deliberately forced train to crash for a YouTube video’」(Picture: Capitol City Rail Productions/YouTube)』より
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)