母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり
10月13日をもって閉幕する大阪・関西万博。これをきっかけに55年前の1970年の大阪万博(以下、70年万博)に興味を抱くようになったという人も多いはず。
Xユーザーの「ぷらいまり。」さんもその1人。そしてふとしたきっかけで70年万博の世代である母にその話をしたところ、思いも寄らない“サプライズ”を受けることとなりました。
■ 大阪・関西万博をきっかけに70年万博に興味 母に何気なく話してみると……
ぷらいまり。さんがこのほどXに投稿したのは、70年万博のガイドブックやパンフレット、チケットなどを集めた画像。
4月に初めて大阪・関西万博を訪れて以降、計6回にわたって訪問したぷらいまり。さんは、強い感銘を受けて70年万博にも興味を持つように。
そこで実家の母に何気なくその話をしたところ「そうなの?終活でちょうど捨てようか迷ってたんだけど……これ、要る……?」とまさかの反応が。
そうして出てきたのが、先ほどの画像にあった資料たちでした。
ソ連館パンフレットや、学年誌増刊号の万博カラーガイドなど、時代の息吹を感じる数々は、どれも今すぐ博物館に展示できそうなほど保存状態が良好。
しかも画像に写っているのは、母が保管していた資料のほんの一部。まだまだ大量のパンフレットがあるのだそう。
予期せぬタイミングで予期せぬ資料を“サプライズ”で譲り受けることになったぷらいまり。さんに、詳しいお話をうかがってみました。
■ 偶然が重なって手に入った資料たち「全部読んでいいと知ってテンション上がった」
――ぷらいまり。さんは万博の資料が実家にあることはご存知なかったのですか?
<ぷらいまり。さん>
全く知りませんでした。これまでには目にしたこともありませんでした。
母が祖父母宅(=母の実家)の片付けで、ちょうど祖父母宅に保管していた自分の持ち物を持ち帰って整理していたタイミングだったようで、55年間、祖父母宅で眠っていたもののようです。
――なるほど。実家にずっとあったわけでもなく、たまたまそのときあった、と……。
<ぷらいまり。さん>
もう少し早かったら祖父母の家で眠ったままだったかもしれないし、もう少し遅かったら処分されていたかもしれない……そして、70年万博の話題を持ち出さなかったら母から伝えられることもなかったと思うので、本当に偶然の良いタイミングだったのかもしれません。
――資料を目の当たりにしたときはどう思いましたか?
<ぷらいまり。さん>
そんなものが家にあるなんて知らなかったので、まずは、ただただ驚きました。そして、嬉しかったです。
今年は万博記念公園のEXPO70パビリオンや、万博にちなんだ展覧会で当時の資料の展示を多く観ました。展示を観ながら、当時の冊子やパンフレットなど、中を読んでみたいなぁと思っていたので、目の前の冊子を全部読んでいいというのにテンションが上がりました。
――想像するだけで高揚感が伝わってきますね
<ぷらいまり。さん>
あと、今年自分が万博をとても楽しんだ年に、母の思い出の品を引き継げたという偶然も、なんだか嬉しかったです。
――資料はどれもとても綺麗に保管されていますが、やはりお母様の思い入れが強かったからでしょうか?
<ぷらいまり。さん>
母は当時小学生で、夏休みに家族で訪問したそうです。
母自身はそれほど強い思い入れがあるような話はしていませんでしたが、スタンプ帳などもキレイに整理されていましたし、半券や本当にたくさんのパビリオンのパンフレットまできちんとまとめられていたので、やっぱり楽しい思い出だったのではないでしょうか。
――お母様は現在開催中の大阪・関西万博には行かれたのでしょうか?
<ぷらいまり。さん>
母は今回の万博は訪問しませんでした。
私は4月に初万博以降、計6回訪問して、楽しいのでそのうち母も誘って行きたいと思っていたものの、帰省する機会もなく……。
夏は暑くて大変かなー……などと誘いあぐねている間に終盤になってしまいました。ただ、今回資料を受け取って、迷わずに一度誘ってみれば良かったなと思いました。
――それは少し心残りですね……。ちなみにぷらいまり。さま自身は今回パンフレットなど関連資料は購入されましたか?
<ぷらいまり。さん>
私も今回の万博のガイドブックや、特集記事の載った雑誌のほか、グッズや記念切手なども数多く購入し、スタンプ帳なども集めました。
――やはりお母様の一件を受けて、大事に保管しておこう気持ちが強いですか?
<ぷらいまり。さん>
家が狭いので、チラシや分厚いガイドブックなどは、スキャンして処分したほうが良いかな……とも思っていたのですが、今回の件で、やはりどれも大事に紙で残しておきたいと思いました。
* * *
偶然が重なって手元に渡ってきた70年万博の貴重な資料たち。
今回の大阪・関西万博では、チケットやパンフレットはスマホ一台に集約することができました。とても便利なことには違いありませんが、手元に残らないというのはひとつ寂しいところではあります。
一方の紙媒体は、場所も取るしコストもかかるしで、今現在の視点にのみ立つのであれば、少し不便に感じるもの。
しかしぷらいまり。さんの一件のように、何十年先の未来で誰かに当時の記憶や思い出ごと託していけるかもしれません。紙媒体ならではの利点を、改めて感じさせるエピソードでした。
<記事化協力>
「ぷらいまり。」さん(@plastic_candy)
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025100604.html