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FC琉球、ホームで2位鹿児島から金星 取り戻した“強度”と見えた「最大の課題」

HUB沖縄

 サッカーJ3で17位のFC琉球がホームで金星を挙げた。

 11日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで2位の鹿児島ユナイテッドFCと今季第35戦を行い、2ー0(前半0ー0、後半2ー0)で快勝。通算成績は12勝17敗6分となり、勝ち点42で暫定15位となった。今季は残り3試合。次戦は鳥取県のAxisバードスタジアムでガイナーレ鳥取と対戦する。

序盤からボールを支配 岡澤&平松の若手コンビが得点

 前節のカターレ富山戦は受け身になり、終始劣勢を強いられてホームにも関わらず1ー3で完敗した琉球。鹿児島戦後、金鍾成監督が「初めからイエローカード、レッドカードをもらうぐらい強くいかないと戦えない。そういう気持ちで選手たちが挑んだ」と振り返った通り、この日は序盤から強度の高いプレーを見せる。

 FW野田隆之介主将とFW阿部拓馬のベテラン二人を先頭に、前線から積極的にボールに絡み、度々中盤でボールを奪ってゴールに迫る。前半はスコアレスだったものの、枠内へのシュート本数は相手がゼロだったのに対し、琉球は5本に上った。

後半19分、倒れ込みながらヘディングで追加点を挙げる平松昇(中央奥)

 迎えた後半。開始8分で鹿児島にクロスからゴールネットを揺らされたかに見えたが、オフサイドフラッグが上がり難を逃れる。

 すると後半15分、左サイドからMF高安孝幸が右足で鋭いクロスを挙げると、MF岡澤昂星がピンポイントで合わせてヘディングシュート。ゴール右にワンバウンドで突き刺し、自身Jリーグ初ゴールで先制点を奪った。

 4分後、今度はMF中野克哉がペナルティエリア内右側の深い位置から折り返しのクロスを上げ、走り込んだMF平松昇がダイビングヘッドで2点目。その後はJ2昇格を目指す鹿児島に意地の猛攻を受けたが、GKダニー・カルバハルの好セーブもあってクリーンシートで勝ち切った。

ボランチ、ディフェンダー陣の得点目立つ

左サイドから突破を試みる高安孝幸

 先述の通り、富山戦に比べてプレーの激しさが向上し、格上相手に球際の強さで上回った。先制点でアシストを挙げた高安は「富山戦で結構やられたので、この1週間は強度の高い練習をしてきました。選手同士でも声を掛け合い、球際で強く行こうというという雰囲気がつくれた。それが結果につながったと思います」と述べ、進めてきた準備が成果となって表れたことを強調した。

 いい時間帯は相手陣営でプレーすることが多かったことを念頭に「いい状態でボールを奪えるとすぐに前に行けるので、後ろの選択肢じゃなくてゴールに直結するプレーを選択できる」とも語り、サイドを駆け上がりやすい状態がチームでつくれていたことも評価した。

 攻撃的なスタイルを掲げる金監督が再就任してから、ボランチやディフェンダー陣の得点が目立つようになってきている琉球。2点目を決めて大きく勝利を引き寄せた平松は「フォワードだけじゃなくて、ボランチがどんどん前線に絡めるチームは上に行けると思うし、強くなっていく。自分も後ろに立っているだけじゃなく、ゴールに迫っていくプレーを増やしていきたいです」と積極的な姿勢を示した。

ボール奪った瞬間の“一拍”に課題感

試合後、選手たちを労う金鍾成監督

 全体としてプレーの強度が高まった一方で、金監督は「現状としての最大の課題」も指摘した。

 「マイボールになってから攻撃に行くまでに一拍置いてしまう。ボールを奪った瞬間にガッと相手ゴールにパワーを向けることができていない。スタミナ的な部分や、気持ちの部分はまだまだです。だからこの試合でも、前半途中から少し相手のペースになる時間がありました」

 指揮官の言葉通り、ボールを奪ってからの攻撃への切り替えで人とボールの動きが停滞する時間帯があった。後半に入ってから改善が見られたものの、先制点を奪われていたら全く違う試合展開になっていたことは間違いないため、「切り替わりの部分は90分求めていく」(金監督)ということをチーム全体で共有する必要があるだろう。

 それでもチームとしてやるべきことを徹底すれば上位陣からも白星を挙げられる力があることを証明した琉球。ホーム1試合、アウェー2試合の残り計3試合でさらに順位を上げ、いい形で2023年シーズンを締めくくって来季につなげたいところだ。

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