楽天・則本昂大が12年目で叩き出したプロ最高の数字とは?輝き取り戻した新クローザー
パ・リーグ最多23セーブの則本
プロ野球も後半戦に突入し、これからはペナント争いとともにクライマックスシリーズ争いやタイトル争いも熾烈を極める。クローザーとしてパ・リーグトップの23セーブを挙げているのが楽天・則本昂大だ。
八幡商高から三重中京大を経てドラフト1位で入団してプロ12年目。昨季までに通算114勝を挙げた本格派右腕は、パドレスに移籍した松井裕樹の穴を埋めるべくリリーフに転向した。
幾多の修羅場をかいくぐってきたとはいえ、転向1年目で38試合に登板して3勝2敗23セーブ3ホールド、防御率3.16の成績はさすがと言える。入団以来6年連続2桁勝利をマークし、近年は勤続疲労やケガもあって成績を落とすシーズンもあったが、今季は新たな舞台で輝きを取り戻している。
ストレートの平均球速はプロ入り以来最高
則本はどこが良くなったのだろうか。実はストレートの平均球速はプロ入り以来最高を記録している。年度別のストレートの平均球速や被打率を並べたのが下の表だ。
今季はプロ12年目で初の150キロ超えとなる平均150.5キロ。最速は157キロをマークしている。
これまでは先発で長いイニングを投げるためペース配分が必要だったが、クローザーは1イニング限定のため思い切り腕を振れる。
それで平均球速が上がっていると思われるが、それを割り引いても12月に34歳になる右腕が12年目で最速を記録しているのは驚きだ。
被打率も.278、被本塁打も2本と悪くない数字。8月6日の日本ハム戦では延長10回に万波中正に決勝満塁弾を浴びたが、7月28日のロッテ戦では9回表に3者連続三振を奪い、チームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。
奪三振率も昨季の6.45から今季は7.78にアップ。昨季39セーブを挙げ、奪三振率11.30だった松井裕樹には及ばないものの、2014年から5年連続最多奪三振に輝いた力投型の右腕は、クローザーへの適性があると言える。
今季は交流戦で優勝した楽天。現在4位につけており、クライマックスシリーズ進出するためにはクローザー則本の活躍が欠かせない。
※成績は2024年8月9日現在
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記事:SPAIA編集部