法政二高菊田さん 総体で二冠達成 世界へ 400mHのU20日本代表に
法政大学第二高校(木月大町)陸上競技部で市内在住の菊田響生(きょう)さん(3年)が、7月30日に福岡県で行われた全国高校総体の400mH(障害)決勝で大会タイ記録を出し、28日に制した400mと二冠を達成した。菊田さんは、8月27日(火)から31日(土)に南米ペルーで開催されるU20世界選手権大会に日本代表として臨む。
「優勝して大会記録を塗り替える」。全国高校総体で菊田さんが自身に課した目標だ。優勝候補筆頭で、レースは自分との戦いになると考えていた。得意の400mは準決勝で余計な力を使ってしまい、それが決勝に響いた。「勝てたことはうれしいけど、新記録に届かず悔しかった」。2日後の400mHでは気持ちを切り替え、50秒14の大会タイ記録で優勝。「狙って取れたことが大きな自信になった」と笑顔を見せた。
川崎市に生まれ、走ることが大好きだった幼少期。小2で2歳上の兄と一緒に陸上クラブに通い始めた。田島中(川崎区)でも陸上部に入るが、100mや走り幅跳びでは平均的な記録しか出せなかった。中2のとき、400mに転向すると、春の県大会で優勝。「初めはこんなにきつい種目、どこが面白いんだろうって思ったんですけど」。勝つ喜びを知り、法政二高に進んだ後も、スピードと体力を武器に記録を伸ばし続けた。
身長180cmの大きな体を生かした走りが特長。「相手よりも自分に勝つこと」を信条に掲げる。オフはゲームをしたり、テレビドラマを見て気分転換。総体では「福岡県まで駆け付けてくれた家族の応援が力になった」と感謝を口にした。
初の世界の舞台
8月27日からのU20世界選手権大会は、初めて臨む世界の舞台。将来の夢とする4年後のロスオリンピックや世界陸上への出場に向け、世界を知るために重要な足掛かりとなる大会だ。400mHとリレーの2種目に出場するが、いずれも「金メダルを取りたい」と力強く語った。
陸上競技部顧問の野村忠信教諭(51)は菊田さんの持ち味をスタミナの強さと話し、「今後、400mHに専念すれば世界でも通用する逸材」と評価する。菊田さんは「今までやってきたことを信じ、絶対に負けないという強い気持ちで挑みたい」と意気込む。