朝5時30分から行列も…漁師も通う新湊漁港そばの海鮮グルメ【きときと食堂】大人気のワケは抜群の鮮度と安さ
「天然のいけす」としてさまざまな種類の魚介に恵まれる富山湾。 なかでも射水市の新湊は昔から港町として栄え、「富山湾の宝石」として名高いシロエビや「高志の紅ガニ」の名でブランド化されるベニズワイガニ、さらにホタルイカやバイガイ、ブリ、アマエビ、アオリイカなど、おいしい魚介が数多く水揚げされます。
新湊漁港そばで鮮魚店が営む「きときと食堂」
そんな新湊の漁港 目の前にあり、港で働く漁師や漁協・水産業の関係者も頻繁に利用するのが「きときと食堂」です。
漁港に出入りする鮮魚店の直営 どこにも負けない鮮度
店名に冠した「きときと」とは、新鮮な魚を形容するときに使う富山の方言です。 実はこの食堂、営んでいるのは新湊で創業85年を超える土屋鮮魚店です。 もちろん毎日漁港に出入りし、水揚げされたばかりの鮮魚を仕入れています。
そんなわけで、店で出される魚も新鮮そのもの。 刺身はもちろん、煮付け、フライなど、抜群の鮮度でおいしい魚介を堪能することができます。
地元の漁師や水産関係者も通う“港の食堂”
店内にはカウンター席とテーブル席があり、食券制。
購入した時点で自動でオーダーが通るシステムです。
名物 ブツ切りの魚がごろごろ「まかないづけ丼」
メニューには白えび丼やかに丼、刺身定食などいろいろありますが、店の名物になっているのが700円で食べられる「まかないづけ丼」。
ネタは仕入れによって変わるので、何が入っているのかは出てくるまでわかりません。 でも、そんなところも楽しみのひとつ。 この日は、特製の漬けダレに一晩漬け込んだ肉厚のカジキ(富山ではサス・ザスの呼び名)と鯛、ヒラメがたっぷり盛られていました。
独自にブレンドした漬けダレのポイントは、地元の新湊で古くから親しまれている甘めの醤油。
新湊の風土や食材に合うように作られているため、新湊でとれる旬の魚になじむのも当然です。 特製ダレに一晩漬け込んだカジキは、身がとろけるほどやわらかく、刺身とはひと味違う旨みと食感を楽しむことができます。
この「まかないづけ丼」、その名のとおり、もともとは従業員のためだけに作られていた本当のまかない飯でした。 そのため、ネタも料理として提供するのに余った魚を利用していましたが、今ではこの丼のために魚を仕入れています。
「かけ中」とあわせて食べても◎
盛り付けられる丼は深さがないように見えますが、見た目以上にごはんはたっぷりあります。 とにかくおなかいっぱい食べたいという人は、200円増しの大盛りを頼むという手もありますが、新湊名物「かけ中」という手も。
うどん出汁に中華麺が入っていて、「かけうどん」と「中華そば」が合体したご当地グルメです。 きときと食堂では、小盛りの「小かけ中」もあるので、汁がわりに楽しんでもよさそう。 ▼関連記事:新湊のソウルフード ひさみなと食堂の「かけ中」
好きなおかず2品をチョイス「おまかせ定食」750円
好きなおかず2品を選ぶことができる「おかませ定食」もリーズナブルな価格とおいしさで人気です。
食券を買ったら、大きな冷蔵庫から好きなおかずを2品セルフで選ぶことができ、横にある電子レンジであたためます。
おかずは複数あって、どれにしようか迷う品ぞろえ。
この日は、カレイとフグの煮付けを選びましたが、どちらも魚本来の旨さを堪能できる納得のおいしさでした。
早朝5時半から観光客が列を作ることも
漁港で働く人たちも利用するため、営業は朝5時半から。 そのため、昼のランチ時間帯までで夜の営業はありませんが、祝祭日は県外の観光客が早朝から行列を作るほどの人気ぶり。早起きしてでも食べたい漁港メシです。