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広がる睡眠ビジネス 特化型ホテルに、睡眠用うどん!?

TBSラジオ

睡眠に悩む方が増えているという話、よく聞きますが、いま「睡眠ビジネス」が広がっています。

睡眠特化型のホテル

その一つがホテル、睡眠に特化したホテル「SLEEP LAB」を運営する株式会社Bーeffect 水島豪太社長に伺いました。

株式会社Bーeffect 水島豪太社長

日本は非常に睡眠の負債が多いところで、それは結構皆さん知っていることかなと思っています。自分は医療法人も運営していて、医師として勤務もしているんですが、睡眠時無呼吸とか、睡眠の質が悪い方の相談も結構あるんですね。それに慣れてしまっている。つまり、いい状態を知らないので「別に今が普通だよ」って思っている方って結構多いんですよね。簡単なところで言うと寝具や、アメニティ、いろんなところ、照明だったり、医学的に入眠しやすい照明っていうプログラムもあったりするんですが、まずはいい条件ってどういう感じなの?ということを体験することによって「自分って今まで寝られているつもりだけど、寝られてなかったんだ」とか「睡眠の質がこんなにも違うんだ」ってことを感じていただけるような施設を作りたいなと思って、作ったというのが始まりになります。

およそ1年半前から営業を始めて、睡眠に特化したホテルとしては今都内に5施設あります。マットレスは硬いものから柔らかいものまで、全ての施設合わせて2、30種類も!枕は部屋に2種類置いてあって、どちらも試すことができるそうです。

さらに睡眠の悩みに合わせた、複数の香りのシャンプー・トリートメントを用意。例えば、朝早く目覚めてしまう人には、自律神経を整える「ベルガモット」の香り。なかなか寝付けない人には、気持ちを落ち着かせる「マリンノート(海を感じられるような香り)」と「ムスク」の香りなどを用意しているそう。

また、体内時計を意識して照明の明るさを変化させるプログラムも組んでいます。このほか睡眠時の呼吸状態を検査することもできるということです。

こういった睡眠に特化したホテルやサービスは他にも広がっていて、「客室ではなく寝室」をテーマに、部屋にマッサージチェアなどを完備する阪急阪神第一ホテルグループの「レム」、脳波を調べて睡眠の質をチェックする「ホテル椿山荘東京」のプランなど、いろいろなものが出てきています。

2週間で1000個売れた!「睡眠用うどん」

こういった睡眠に特化したホテルまで出てきているなか、いま、話題になっている商品があります。
名前は「睡眠用うどん」!と言っても、うどんではありません。

開発・販売しているのは、キャンセル待ち・予約待ちが70万人ほど、と言われる頭のほぐし専門店「悟空のきもち」です。「睡眠用うどん」、どんなものなのか、悟空のきもち ヘッドマイスター 磯貝麻里さんのお話です。

悟空のきもち ヘッドマイスター 磯貝麻里さん

寝るときに使っていただく布団の代わりの「うどん」です。麺が8本、縦に連なっているような形状になっていて、色は白色ではなくて、うどんの色にこだわった「うどん色」にしました。スタッフと、うどん屋さんでうどんを食べているときに、ある一人の子が「このうどんの中で包まれて寝てみたい」って言ったのが最初のきっかけになりました。そのときは、ざるうどんでした。うどんであることによって、手足が自由に動かせたり、出すことができるんですね。寝姿勢が自由にできるっていうのが一番の特徴で、それによって深部体温の調節が自由にコントロールすることができます。安心して心地よく眠ってもらえるような布団、「うどん」になることを目指しました。

うどん状の掛け布団で、うどんの麺を並べたような見た目です。
2019年に初代「睡眠用うどん」が発売され、付属品を少なくして、価格も半額以下に抑えて今年4月に発売されたのが「睡眠用うどんLite(ライト)」。価格は税込8500円で、HPで購入できます。SNSで多くの反響があり、直近の2週間ほどでおよそ1000個も売れたということなんです。

商品化のきっかけは「うどん県」とも言われる香川県出身のスタッフの一言。
私も試してみたんですが、抱き枕みたいに抱えられたり、手足を自由に出せたりするのがとても楽でした。

「深部体温」という話が出てきましたが、これは脳や内臓の温度のことで、最初は上がって、その後下がっていくことで、深い眠りについていくそう。そのため、眠る前は温めた方がいいけれど、眠った後は少し手足が冷えた方が深い睡眠には理想だということ。その点、普通の布団に比べて、麺の隙間から自由に手足を出せるので、深い眠りに最適だということなんです。

食べられません!ルームサービスに「睡眠用うどん」

斬新なアイディアですが、初代モデルの「睡眠用うどん」をルームサービスとして、貸し出している温泉もあります。静岡県にある富嶽温泉 花の湯 小笠原春美さんに伺いました。

富嶽温泉 花の湯 小笠原春美さん

うちの系列の別の施設なんですが、1名個人で、自分で使うように購入をした従業員がいたんですが、そのスタッフの体験を聞いて感動した当時のそちらの施設の支配人が、お客様にもぜひ利用していただきたいということで、3ヶ月待って2枚購入しました。購入した2組を貸し出しています。「初めてで試してみたい」というお客様が多いです。いろんな方が利用されて年齢も様々なので、やはり現代、睡眠に悩まれている方が意外に多いんだなという感じです。使っていただくと喜んでいただいて「どこで売ってますか?」っていう声もあります。

(右手前が花の湯。富士山の近くにあります)

ホテル予約サイトの、この「富嶽温泉 花の湯」のルームサービスのページには「うどん」「※食べられません」と書いてありました...!いま「夜食のラーメン無料」といったサービスをしているホテルもあるので「万が一のためのご案内です」ということでした。
今回取材したとてもユニークな商品。こんなにいろいろなサービスが出てくるということは、睡眠に悩んでいる人が増えている証拠ですよね。少しでもいい睡眠をとって、健康的に過ごしたいものです。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)

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