「カウンセリングの誤解が多すぎます」心理カウンセラーの愚痴!
宮藤官九郎さんがいろんな職業の愚痴を聞くラジオ「宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど」。
6月21日の放送は、心理カウンセラーの愚痴!
▷Nさん
番組宛にメールをくださった方。
カウンセラー歴は17年以上。これまで1万件以上の電話相談を担当。
現在はメンタルヘルス関係の会社に勤務。契約している企業や団体に属している方々の相談を電話と対面カウンセリングの両方で受けていらっしゃいます。
▷Sさん
︎カウンセラー歴は30年。
︎現在はメンタルヘルス関係の会社でハラスメントに関する相談、そしてエイズ感染者やご家族、周囲の方への電話相談対応をなさっています。
宮藤:職業としては「臨床心理士」になるんですよね?これってどんなお仕事ですか?
N:簡単に一言で言えば、臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、心の問題にアプローチができる「心の専門家」ということになります。今「心理カウンセラー」っていうと、誰でも名刺に書けば心理カウンセラーになれちゃうんです。
宮藤:え!?そうなんですか!資格ないんですか?
N:資格が無くても書けちゃうというか、現状では名乗れちゃうんです。そうなると皆さん心配じゃないですか?その時、わたしたち「臨床心理士」っていう資格は、きちっと勉強して大学院まで出て研鑽を重ねているので、安心して相談ができる専門の証です。
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N:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、カウンセリングを誤解している方が本当に多いんです。
宮藤:そうですね。僕も行ったことはないので「カウンセリング」っていうのは、倒れる椅子に座って、手足伸ばした状態で目瞑って、話を聞いてもらうみたいなイメージしかないので・・・
N:海外の映画とかそうですよね。
S:それは「フロイト」っていう人が始めた「精神分析」っていう・・・
宮藤:そうなんですか!あれフロイトなんですか。「この椅子がいい!」っていう。
2人:カウチがいいっていうね!
宮藤:あんまりね、パイプ椅子でやってる人見たことない。
N:それは精神分析の一つの方法なので間違いではないと思います。
宮藤:今回「カウンセリングに関する誤解」というのでたくさん書いてくださったんですけど、『カウンセリングはカウンセラーがアドバイスをくれるもの』という誤解がある?
N:そうなんです。
宮藤:アドバイスくれるわけじゃないんですね。
N:場合によってありますけど、それが目的ではなく、相談に来てくださった方自らが自分の答えや生き方とか、そういうものを見つけ出すための「お手伝い」をするのがカウンセラーです。
宮藤:ああ。じゃあ自分で見つけるように、何が問題かをハッキリして。
N:そうですね。いろんな質問させていただいたり。イメージとしてはよくね、一緒に船にもし乗ったとしたら、その方が舵取りをうまく取れるように隣に乗って、一緒に船を漕ぎ出すイメージ。
その他、たくさんのカウンセリングに関する誤解をまとめてくださいました。
『カウンセリングは辛さを魔法のように消してくれるもの』
→「辛さをすぐに消してくれ」「専門家のくせにできないのか」などと言われることも
『カウンセラーって、話を聞くしかできないんでしょ』
→ある意味では正しく、ある意味では間違っている
『カウンセリングは病気の人が行うもの』
→健康な人が、より良く生きるためにカウンセリングをしている場合もある
『「医療」と「カウンセリング」を混同している人がいる』
→カウンセラーは、医師のように診断や薬の処方はできない
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S:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、「カウンセリングに行きます」と気軽に言える社会になるといいなと思います。
宮藤:そうですね。「カウンセリングでも行ってみようかな」みたいな感じで行けるといいですよね。
S:多分、ほとんどの職場ではそうはならないっていうか・・・
宮藤:「あの人カウンセリング受けてるみたいだよ」とか。
N:病気と思われてしまったりとか。
宮藤:それが大きな誤解だっていうことは言わないとダメですね。具体的に「カウンセリングを受けたい」という方はどうしたらいいですか?
N:私たちがしているような相談の電話もあります。
S:あと一番身近なのは、各都道府県に必ず「精神保健福祉センター」というものがあるんですね。そこに必ず「こころの電話相談」というのがあるんです。これは、県とか市がやってるので、電話代はかかりますけど無料で。出てくる相談員は私たちのような資格を持った相談員が対応します。そこが一番地域に根付いている電話相談かなと思います。
放送では、カウンセラーの雇用・給料問題にも触れています。
さらには、ここ数年で臨床心理士の重要性が上がってきている理由についてもお話いただいています。