「父が体調不良の私を連れて行った〝まさかの店〟。注文したものも食べられない私に、女将さんが...」(岡山県・40代女性)
岡山県在住の40代女性・Iさんは、十数年前のその日、体調不良で会社を早退した。
【体調不良のIさんが父親に連れていかれたのは…《Iさんからのおたよりを見る》】
自宅に帰ると父親が病院に連れて行ってくれたのだが、診察開始前。
時間になるまでに食事を済ませようとした父親が入ったのは、まさかの店で......。
<Iさんからのおたより>
今から十数年前のその日、私は朝から体調不良でした。
それでも体力を振り絞って出勤したのですが、午前10時になるより前に限界が来て早退。
なんとか自力で車を運転して帰宅すると、定年退職してからずっと在宅していた父がびっくりしていたのを覚えています。
父が入ったのはまさかの...
お昼を過ぎて、父の運転する車で近くの病院に行きましたが、診察時間前だったのでとりあえず受付だけ済ませて一度病院を出ました。
まともにご飯を食べていなかった私を心配して父が入ったのはまさかのお好み焼き屋さん。
昔からあるお店で、店長夫婦も顔なじみ。この日は女将さんと店員さんだけで、お店を開けていました。
テーブルに着くと女将さんが水を持ってきて、私の顔色が悪いのに気づきました。
「なんだか顔色悪いけど大丈夫?」
そう問われ「病院行って受付だけ済まして、一端出てきたんす」と答えるのが精一杯。
しかし何にも頼まないわけにもいかないので、焼きうどんの小を注文した私でしたが、当たり前のように箸は進みません。
すると、女将さんが近づいてきて、別の皿を机に置いたのです。
「体調悪い時に焼きうどん食べれないでしょう。 口当たりがまだ楽なこれを食べてみて」
そこにはねぎ焼きが乗っていました。
薄い生地に輪切りのネギ、醤油が塗られた「ねぎ焼き」
薄いお好み焼き生地に輪切りにしたネギを乗せ、醤油を塗り、丸く包んだシンプルな物。
あっさりしていたこともあり、食欲のなかった私でもスルリと食べれました。
「こっちの焼きうどんは持ち帰って、食べれるようになったら温めて食べて」
そう言って、残りの焼きうどんは容器に入れてくれました。
会計に行くと父の注文した物と焼きうどんの料金しか書かれていません。
「ネギ焼きのお金は?」と聞くと、女将さんは「何言ってんの、大丈夫」と優しく微笑みます。ねぎ焼きはサービスで出してくれていたのです。
それから病院に行き、薬をもらって帰宅。お昼を食べられたこともあり、早くに回復することができました。
今はそのお好み焼き屋さんは店長が変わってしまい、女将さんに会うこともなくなってしまいましたが、あのときは本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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