愛知県豊田市での子育て体験談。子育て支援情報や子育てにおすすめのエリアを紹介
愛知県豊田市出身の私は、24歳の子どもを筆頭に3人の子育てを経験した50代の主婦です。トヨタ自動車本社からほど近く、豊田市中心部から車で15分ほどの距離に、2世帯6人で暮らしています。約25年の子育て経験を通して、”豊田市は子育てに向いている街“だと感じました。
この記事では、私が豊田市で子育てをする中で感じてきた魅力を、体験談や現在の子育て事情を織り交ぜながら、わかりやすくお伝えします。
豊田市で子育て中
現在、わが家の末娘は現役大学生で、上の2人はすでに大学を卒業し、社会人として働いています。3人とも自宅のある豊田市から、名古屋市にある大学へ電車で通学しています。豊田市から名古屋市までは、名古屋鉄道や地下鉄を利用して約1時間前後の距離です。
名古屋市の都市部までは自宅から無理なく通える距離のため、一人暮らしの必要がなく、家計は助かっています。また名古屋市には多くの大学が集まっているので、子どもの将来の選択肢が広がるのも魅力です。
豊田市の概要
豊田市は、愛知県のほぼ中央に位置し、人口40万人を超える有数都市です。もともとは、「挙母(ころも)市」という名前でしたが、1959年にトヨタ自動車の成長とともに「豊田市」に改称しました。
豊田市は、主要な高速道路が交差する交通の要所でもあり、東名高速道路・東海環状自動車道・伊勢湾岸自動車道など、各方面へのアクセスが良好で利便性も高いです。市内の移動には「とよたおいでんバス」が便利で、市街地から山間部まで全17路線を、多くの市民が日常的に利用しています。
豊田市といえば「くるまの街」をイメージする方は多いのではないでしょうか。実は、豊田市には市域のおよそ7割を占める豊かな森林があり、農作物の栽培も盛んです。代表的なものとして猿投の桃、ミネアサヒや大地の風などの米、洋ランのシンビジウムなどがあり、豊田の恵まれた自然や気候の中で育まれた作物は高い評価を受けています。
伝統行事である豊田おいでんまつりは、おいでん総踊りや花火大会が盛大に開催され、多くの市民が参加する一大イベントです。
このように、豊田市は都会と自然が共存する街であり、実際に暮らしてこそ、その魅力を実感できると思います。
わが家が豊田市で子育てを続けた理由
私たち夫婦は、ともに豊田市出身です。この街で結婚し、家を建てて、3人の子どもたちに恵まれて子育てをしてきました。
豊田市は、企業の恩恵を受けているからか、財源が比較的豊かだと感じます。たとえば、保育園や公園の設備が整っていて、利用料もリーズナブル。子育て支援センターでは、親子向けのイベントが無料で開かれることもあります。そうした場面に日々ふれる中で、「ありがたいな」と感じることが何度もありました。
特に印象的だったのは、長男が小学生のときに参加した「ものづくり体験教室」です。これはトヨタ自動車が地域貢献の一環として協力しているプログラムで、実際に現役の技術者の方から車の仕組みや製造工程について教わることができ、子どもも興味津々でした。
豊田市に住むことで、私たちの子育てに少しでもいい影響があるといいな、という期待は結婚当初からありました。今は「この環境があってよかった」と実感できています。
私は、子育てがほぼ済んだ今も豊田市の子育て環境のよさを感じていますが、豊田市出身でなくてもきっと、「豊田市で子育てがしたい」と考えたと思います。
実際どう?豊田市の子育て
私の子育ての始まりは、25年ほど前にさかのぼります。年々変化している子育てや支援の現在の状況をまとめました。
数字で見る豊田市の子育て事情
豊田市の年少人口(0歳~14歳)は約4万6,000人です(2025年5月1日現在)。これは、豊田市の総人口の約11%を占めています。この数字は、全国平均とほぼ同水準で、地方都市としてはかなり健闘している数字といえるでしょう。
◆豊田市の保育施設数
・公立こども園 58園
・私立こども園 6園
・私立幼保連携型認定こども園 25園
・小規模保育事業所 2施設
・事業所内保育事業所 2施設
・私立幼稚園 10園
豊田市の2024年の待機児童数は0人で(2024年4月1日時点)、2014年から11年連続で0人を更新中です。この結果から、豊田市は保育施設が充実していて、働く家庭を支える体制が整っている、子育てと仕事の両立がしやすい街といえるでしょう。
豊田市の子育て支援情報
豊田市は、「豊田市こども・若者計画」(愛称:「豊田 にこにこ わくわくプラン」)を、2025年度から2030年度までの5年間策定しました。計画の基本理念として、“こどもたちの笑顔があふれるまち とよた”を掲げています。
ここでは、豊田市が独自で取り組んでいるものを中心に紹介します。最新情報や詳細は豊田市の公式ホームページで確認ください。豊田市の子育て支援情報 (1)とよたファミリー・サポート・センター
とよたファミリー・サポート・センターでは、子育ての手助けをしてほしい人(依頼会員)と、お手伝いをしたい人(協力会員)が、育児を助け合っています。依頼会員は、市内在住か在勤で小学6年生以下の子どもを養育していることが条件で、子どもの送迎や預かりなどを依頼できます。
※依頼会員または協力・両方会員として登録するには、講習会への参加が必要です。
【利用料金(1時間あたり)】
・月曜日∼金曜日
7時∼19時:800円
(上記以外の時間:900円)
・土曜日・日曜日・祝日
・12月29日∼翌年1月3日
7時∼19時:900円
(上記以外の時間:1,000円)
手助けしてほしいときに低料金で利用できるため、子育て世帯にとって心強いサポートといえます。豊田市の子育て支援情報(2)子育て支援センター・つどいの広場
子育て支援センター・
つどいの広場は、主に0歳から3歳の乳幼児と保護者、子育てを支援する人たちが情報交換しながら楽しく遊んで過ごす場所です。豊田市内には16ヶ所の子育て支援センターがあります。
特に設備が充実していると感じるのは、豊田市駅近くのTーFACE内に設置されている「総合支援センターあいあい」です。よちよちゾーン・わんぱくゾーン・みはらしテラス(飲食可)・多目的ホール・サークル室などがあり、月齢に合わせて遊べます。
他にも、こども園内等に16ヶ所もの支援センターが、各地に点在しています。私は、支援センターにはたびたび足を運び、とても支えられました。子どもは同じ年代の子どもと触れ合うことで、楽しく遊んだりルールを学んだりしました。
【とよた子育て支援センターあいあい】
所在地:豊田市若宮町1-57-1 T-FACE A館9階
開館日時:10:00~18:00
休館日時:火曜日、年末年始豊田市の子育て支援情報(3)安心できる保育環境
豊田市の子ども園は、国の基準よりも保育士の配置が手厚いです。1・2歳児は保育士一人に対して子ども5人、3歳児は12人としています。
※国の基準:1歳児/5人で加算措置、2歳児/6人、3歳児/15人
「おむつのサブスク」では、紙おむつとおしりふきが園に直接届き、園内で使い放題です。手ぶら登園ができるので、保護者の負担を減らせる利点があります。
※希望者のみ 月額2,508円(税込)
また、2023年度からは育休退園制度を廃止し、育休中も継続在園が可能となりました。その他にも休日保育や病児保育など、仕事が休めず子どもの預け先に困る保護者のサポートも、積極的に行われています。このように豊田市には、働く保護者をしっかりと支えてくれる制度が充実しています。豊田市の子育て情報(4)はぐみんカード
はぐみんカードは、18歳未満の子どもがいる家庭と妊娠中の方が協賛店舗等において特典や応援を受けられる事業です。“はぐみん優待ショップ”など、ステッカーが貼ってあるお店や施設で、はぐみんカードを掲示すると、それぞれのお店の優待が受けられます。
2025年5月時点で対象になっている豊田市の優待ショップを調べてみたところ、380店舗とかなり多い印象です。わが家では子どもが小さい頃にベビー用品店でよく利用していました。電気店や飲食店、ドラッグストアなどでも、長くはぐみんカードの恩恵を受けていました。私が利用していたころは紙のカードでしたが、今はスマホの提示で便利に利用できます。豊田市の子育て支援事情(5)市内公共施設の子ども料金の無料化
豊田市では、2023年4月より市内の子どもと高齢者を対象に、一部公共施設の個人利用料金を無料化する制度を導入しました。
子どもの対象者は市内在住または在学する高校生(18歳)以下となり、豊田市美術館や豊田スタジアム(屋内プール)、とよた科学体験館プラネタリウムなど、26以上の施設が該当します。
豊田市での子育て体験談
末娘が大学を卒業するまであと3年ほどになり、長く続いた子育てもいよいよ一段落します。ここからは私が豊田市で経験した子育てを振り返り、その魅力をお伝えします。
豊田市で子育てをする魅力
豊田市での約25年の子育て体験を通じて多くの魅力を感じました。
豊田市で子育てする魅力(1)手軽に無料で遊べる施設が多い
豊田市は子どもが遊べる大型遊具のある施設が充実しています。私がよく利用していたのは、鞍ヶ池公園の芝生広場や水遊び場、中央公園のスタジアムやアスレチック風の大型遊具、地域文化広場の子ども体験館などです。
わが家は夫がサービス業のため土日は父親不在でしたが、いとこやママ友の子どもたちと毎週のように出かけていました。遊具のある遊び場はどこも無料で、気軽に利用できるところが魅力でした。豊田市で子育てする魅力(2)道路が整備されていて広く、駐車場も使いやすい
豊田市内は自動車で移動する方が楽なので、小さな子を連れての買いものやお出かけは、必然的に車での移動が多くなります。
豊田市の道路は広くきれいに整備されていて、出先のスーパーやドラッグストア、公共施設などの駐車場はどこも広々としていて使いやすいです。私は運転が苦手ですが、豊田市内なら安心して運転できます。豊田市で子育てする魅力(3)子育て支援センターの数が多く利用しやすい
豊田市には子育て総合支援センターあいあいを筆頭に、子育て支援センターが16ヶ所あります。私が日常的に利用していたのは、自宅から近かった渡刈支援センター(渡刈こども園内)です。
ここには、見慣れた専門スタッフの方がいつも2~3人いて、支援センターを訪れる親子を見守ってくれていました。スタッフの方々のおかげで常にお穏やかで明るい雰囲気の中、子どもたちを遊ばせることができ、支援センターで過ごした時間は、今でもよい思い出として心に残っています。
豊田市の子育て環境
子どもが小さい頃は、ファミリーでお出かけする機会が自然と多くなります。そこで、わが家が子育て期に大いに活用させていただいた豊田市のおすすめスポットを紹介します。
豊田市の子育て世帯おすすめスポット(1)鞍ヶ池公園
鞍ヶ池公園には、ファミリーで楽しく遊べるスポットがたくさんあります。モルモットに触れられる「動物ふれあい広場」、羊や木曽馬などが放牧された観光牧場、動物園では動物たちを間近で見られます。
プレイハウスの建物内にある子どもプレイコーナーは、屋根付きのため雨の日も安心です。わが家は、鞍ヶ池公園をよく利用していました。天気のいい日はお弁当を持って出かけ、夏場は噴水で水遊びをしたことが昨日のことのように思い出されます。
施設名:鞍ヶ池公園
所在地:愛知県豊田市矢並町法沢713-2
アクセス:名鉄バス矢並線「鞍ケ池公園前バス停」より、すぐ
東海環状自動車道 鞍ヶ池スマートICより車で約3分豊田市の子育て世帯おすすめスポット(2)豊田市中央公園
豊田スタジアムの周りは、中央公園になっています。ここは子育て世帯向けの魅力的な場所です。
アスレチック感覚で遊べる大型遊具があり、夏になると豊田スタジアムのW2ゲート前にある噴水で遊ぶ子どもたちを多く見かけます。広々とした芝生広場でのんびりお弁当を広げたり、犬の散歩をしたりするのもおすすめです。
子どもは無料(市内在住18歳以下)で利用できる室内温水プールがあり、どのスポットでもファミリーで楽しく利用できます。
施設名:豊田市中央公園
所在地:愛知県豊田市千石町7丁目2番地
アクセス:豊田市駅から徒歩15分
豊田市の住まい事情
豊田市の家賃相場について調べてみました。また、近隣の市と比較して、家賃や住まいの特徴を見ていきます。
2LDK・3K・3DKの物件で平均家賃を比較すると、豊田市は7.39万円で岡崎市は7.46万円、みよし市は7.20万円となっています。豊田市の家賃は近隣の市と比べると、中間的な位置でした。
実際に暮らしていて、豊田市の中心部は利便性の高いマンションやアパートが多く、郊外は一戸建て住宅や庭付きの物件が豊富にある印象です。子育て世帯では、一戸建て住宅や庭付き物件を検討する家庭が多いでしょう。郊外の物件であれば、家賃を抑えた広めの住まいも見つけやすいのではないでしょうか。
豊田市の子育て世帯におすすめエリア
豊田市の中でも特におすすめしたい子育て世帯に向いているエリアを紹介します。
豊田市の子育て世帯に向いているエリア(1)浄水駅周辺
浄水駅周辺は、子育て世帯にとって住みやすいエリアです。浄水駅は名古屋方面へのアクセスが良好で、駅周辺には新しい街並みが広がっています。
浄水駅の周辺には、豊田厚生病院、スーパーマーケットバロー、ドラッグスギヤマ、竜泉寺の湯、マクドナルドやダイソーなどの施設が並んでいます。浄水駅周辺では、日常生活に必要なものがそろうので何かとあわただしい子育て世帯も便利な暮らしができるでしょう。
豊田市の子育て世帯に向いているエリア(2)土橋エリア
土橋駅周辺は、近年区画整理がされ駅周辺がとてもきれいになりました。ドン・キホーテがあり、近場で生活に必要なものを入手できます。
交通の便がよく、名鉄三河線を使うと名古屋方面へのアクセスがしやすいです。豊田市の中心街には、電車を使うと6分程度で移動できて、通学などに便利です。何よりきれいで明るい街並みは、治安のよさが感じられ、子育て世代が安心して暮らせる環境といえるでしょう。
豊田市は親子で楽しめるスポットが豊富!子育てが楽しくなる街
豊田市は、子育て支援が充実し、子連れに優しいスポットがたくさんある街です。市内には、「とよた子育て総合支援センターあいあい」をはじめとする支援施設が整備され、育児相談や親子の交流の場があります。
また、鞍ヶ池公園やとよた科学体験館など、親子で楽しめる施設も多く、自然や学びの場が身近にあることで子どもの成長にもつながっているように感じます。
住まい環境としては、名鉄豊田市駅や愛知環状鉄道新豊田駅から徒歩圏内に主要施設が集まり、名古屋市へのアクセスも良好です。私は実際に子育てをしてみて、豊田市は子育て世帯にとって安心して暮らせる環境が整った魅力的な街だと思います。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。