早春のキス投げ釣りで本命3匹をキャッチ【和歌山】夕方の上げ潮&風裏でヒット集中
厳しい寒さが続いた早春、和歌山の田辺・芳養エリアで投げ釣りに挑戦。本命のキスとようやく対面を果たした。夕方の上げ潮と風裏のポイントがカギとなった実釣の様子をお届けする。
和歌山で早春の投げキス釣り
和歌山エリアの冬は厳冬だった。強い寒波が想定外の回数で押し寄せ、太平洋側でも積雪が見られたり、3月になっても北西の季節風が吹き荒れたりした。こんな気象を見ていると、ふと本当に温暖化しているのかな?と疑いたくもなってくる。
磯や船の釣りにも、この冬の厳しい寒さや強風は、少なからず影響を与えたはずであるし、魚屋の店先でも地物の魚が例年になく少なく、厳しい海況であったことは間違いない。
そのようなシビアコンディションの中でも釣行を続けていたが、恥ずかしながら例年散発的にキスの釣果が出るポイントでも、型を見ることすら難しい状況が続いていた。しかし3月下旬になり、ようやく少しキスの動きが見られるようになってきたので、投げキス釣りに出かけた。
田辺・芳養でキス釣り実釣
サクラがちらほら咲き始めた3月30日、午前8時ごろから田辺の芳養周辺を釣り歩いた。まずは芳養漁港周辺をルアーロッドのチョイ投げで探索するが、フグが散発的に来るだけ。
今年は例年に比べ、冬場の水温が2℃近く低いようで、近くのテトラで穴釣りをしている人がガシラを釣っているほかは、磯を見渡してもウキ釣りでグレやチヌを狙うアングラーもほとんど見えない。
夕方狙いで場所移動
この日は午後から夕方にかけてが上げ潮だったので、むしろ夕方近くの方が水温が上がるのではないかと考え、普通の投げ釣りに切り替えて次々にポイントを探りながら周辺でキスを探すことにした。
竿はスカイキャスターの33号、リールはZ45、半遊動天秤に木オモリ25号、仕掛けはアスリートキス4号の4本針で、大屋のバス停の近くの浜から南部寄りの磯場など、水深のありそうなところをスポット的に探ったり、水深のあるポイントで少し置き竿にしてその後スローで探ったりといろいろ方法を変えながら攻めるがダメ。
風裏のポイントでキスを手中
海水に手を浸し、回収した錘をつかんでみると、ひんやりした感触である。当日は北寄りの風が強かったので、風裏になる場所を考え、そこで日暮れ前まで粘ることにした。
そこで釣り場の中で完全に風裏になる国道のトンネルの東側の出口周辺のテトラ際の場所に入り、芳養川河口に積まれたテトラ方向に遠投してみる。風が弱く、海は穏やかだった。
午後3時を少し回った時に、やや重量感のある魚信で17~18cmのチャリコがきた。少し潮の動きが良くなってきたようで、潮目が現れている。その周辺を攻めると、小型だがキスが姿を見せた。
水温の低い時期なので魚信も小さい。上げ潮が効いてきたようで、海水に手を浸すと少し暖かさが感じられるようになってきた。上げ潮で暖かい潮が回ってきたのが、はっきりと感じ取れる。
日暮れ前の6時過ぎまでここで粘り、キスは15cmまでを3匹、17~18cmのチャリコが2枚、小型のガッチョが3匹でこの日の釣りを終了した。
潮回りと風裏がキモ
低水温期であるが、何とか3月中にキスの釣果を得ることができた。この日の釣りでさまざまなことが感じ取れた。
まず魚のヒットする時間帯であるが、水が温まりやすい午後に上げ潮が来る潮回りのとき、ズバリ夕方がポイントになると思う。半夜釣りにすれば少しチャンスを増やすこともできるが、日が暮れると寒さでアングラーの方も粘れないだろう。
また、特に北寄りの風が強い場合(サクラの咲く時期に、意外に北風が吹くことが多い)、風裏になる場所を探すことである。歩いて移動できる範囲のポイントでも、風の当たっているポイントと風裏の場所では、水温がかなり違っていると思う。
今回キスが出たポイントは、他の探ったポイントに比べ、特に水深があるという場所ではなかったが、潮回りと風裏という2つの好条件が重なり、局所的にキスの動きが見られたのだと思っている。
今後の見通し
黒潮の蛇行(潮岬沖で流軸が南下する)傾向は、まだ続いているようであるが、今後の水温の動向を見守りたいと思う。水温の変化をネットなどで調べ、少しでも上昇傾向になった時がチャンスである。
できれば午後から夕方にかけて上げ潮になる時がチャンスである。防寒をしっかりと行い、あせらずじっくりと探ってみたい。
<牧野博/TSURINEWSライター>