新調した宮神輿が53段の階段を駆け上る!「品川神社例大祭」が6月6~8日に開催
旧東海道品川宿の面影が残る東京都品川区の北品川エリアで、「品川神社例大祭」が2025年6月6日(金)~8日(日)に開催。「北の天王祭」とも呼ばれる例大祭では、なんといっても熱気あふれる神輿の渡御が見どころだ。
徳川家にゆかりの深い品川神社
平安時代末期の文治3年(1187)、源頼朝が海上交通安全と祈願成就を祈ったのが始まりとされる品川神社。室町時代の文明10年(1478)には太田道灌が「素盞鳴尊(すさのおのみこと)」を勧請し、6月の天王祭が始まったといわれる。さらに慶長5年(1600)の関ケ原の戦いの直前には徳川家康が戦勝祈願をしたことでも有名で、境内には徳川家の家紋である「三つ葉葵」があちこちで見られる。明治時代には東京十社のひとつにも定められた由緒ある神社で、2025年は6月6日(金)~8日(日)に例大祭が開催される。
品川神社の例大祭は別名「北の天王祭」とも呼ばれ、地元の人たちが毎年待ち望んでいる歴史ある祭りだ。6日(金)には太太神楽の奉納、7日(土)には町内神輿の連合渡御(子供神輿は15時ごろ~、大人神輿は17時ごろ~)、8日(日)には神幸祭祭典と宮神輿の渡御(8時宮出し、19時30分ごろ宮入り)が行われる。
なんといっても注目は宮神輿だ。屋根には徳川家康が戦勝祈願した時に奉納したといわれる「天下一嘗(ひとなめ)の面」と呼ばれる赤い御神面がつけられる。そして、締め太鼓と篠笛によって奏される「品川拍子」に合わせて町内を練り歩く。担ぎ手は神輿の横棒に肩を入れて各自ばらばらな方向を向くというちょっと変わったスタイル。前後左右に不規則に動くこの独特の担ぎ方は「城南担ぎ」と呼ばれ、舟が波にもまれる様子を表現している。かつて漁師の街だった品川区や大田区付近で見られる担ぎ方だそうだ。
新調したばかりの葵神輿をお披露目!
「2025年は宮神輿を新調した記念の年なんです。新しくなった『葵神輿』が宮出し、宮入りを含め渡御されます」と教えてくれたのは品川神社の鈴木さん。品川神社の例大祭で一番盛り上がるのが、神社正面の53段の階段を宮神輿が上り下りする宮出しと宮入りのとき。これまで上り下りしてきた惣町神輿は大正10年前後の製作とされ、傷みが多くなったことからこのたび新調されることになった。新しい葵神輿が勢いよく階段を駆け上がる宮入りは特に注目だ。
江戸時代には東海道の北品川宿として栄えた界隈。期間中は街が祭り一色に染まり、神輿の渡御ではいなせな品川っ子たちの熱気を感じられる。独特の担ぎ方や勇壮な宮出し、宮入りに注目して、現地で祭りの雰囲気を楽しもう。
開催概要
「品川神社例大祭」
開催期間:2025年6月6日(金)~8日(日)
開催時間:宮神輿の渡御は8日(日)8:00~20:00ごろ
会場:品川神社(東京都品川区北品川3-7-15)
アクセス:京浜急行電鉄本線新馬場駅から徒歩1分
【問い合わせ先】
品川神社☎03-3474-5575
URL:https://shinagawajinja.tokyo/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。