太陽と月のボーカルデュエット~エリック・フクサキさん&川島ケイジさん
ファッションデザイナー:コシノジュンコが、それぞれのジャンルのトップランナーをゲストに迎え、人と人の繋がりや、出会いと共感を発見する番組。
エリック・フクサキさん
1991年、ペルーの首都リマ生まれ。2011年に「第1回 フォレストアワード NEW FACE オーディション」で特別賞を受賞してデビューし、2014年からはソロとして活動。ポップスからラテン、演歌まで幅広いジャンルを歌いこなすシンガー・ソングライター。「エルフ・ザ・ミュージカル」「イン・ザ・ハイツ」などのミュージカル作品にも出演しています。
出水:エリックさんはアーティストへの楽曲提供もしているそうですが、最初に作曲したのはいつごろ、どんな曲ですか?
エリック:たぶん13~14歳ごろだと思います。
JK:そんな若くして! 学校とは関係ない?
エリック:関係あるかもしれないですね。学校の中に動物園があって(笑)ダチョウもいるし、クマとか、バンビとか・・・すごいんですよ。動物の鳴き声とかも音楽に影響してるかなって。
JK:じゃあ動物と一緒に唄ってたのね(笑)そういうの聞いたことないわ!
出水:それはペルーではよくあることなんですか?
エリック:ないです、結構特別な学校で(^^) 幼稚園からずっとつながってて、僕も生まれてからほぼずっとそこにいて、音楽が大好きで学校の時から歌と少しギターをやっていたんです。なんとなく僕の中でメロディが流れてきて、14歳の時に作った楽曲があって。久々に聞いたらいい曲なんですよ! バラードなんですけど、コード進行とかパターンとか、聞こえてくるものをそのまま書いたかんじ。本格的にやったのは23歳ごろでした。
出水:最初に作った曲がバラードっていうのも大人っぽいですね! 当時歌詞もつけたんですか?
エリック:はい、スペイン語で、ふられた男の歌詞を(^^;) すごく自分がかわいそう、みたいな泣ける楽曲です(笑)
JK:エリックさん、ひとことご自身のマサカは?
エリック:川島ケイジさんと1回コンサートで共演させていただいたのがきっかけで、この間初めてBAROOMでデュエットしたことです。僕は気持ちのふり幅みたいなところであんまり落ち着いていられない人で(笑)、急にあがったりさがったり、結構アップダウンが激しいんですよ。体調も2回ぐらい崩してるんです。つい最近もペルーに帰って、しばらく2年ぐらい休んで1回落ち着こうかなと思った時期があったんですけど・・・その時にたまたまケンジさんから連絡が来て、「日本でイベントがあるから、ぜひ」って言われて。
JK:それで日本に帰って来たの?
エリック:本当はいつ帰って来るか分からない感じだったんですけど、こんなこともあるんだなあって。いろんなマインドが広がって、人間ってすごい強いなぁ、繊細でもあるし、だからこそ強いし、尊敬できるなあ、と思いました。
JK:友だちがいると強いですよね。
エリック:本当に感謝です。
出水:実は今日、もう1人お越しいただきました! シンガー・ソングライターの川島ケイジさんです!
川島:よろしくお願いします!
JK:BAROOMでの2人のデュエット、しびれましたよ~!
出水:エリックさんのマサカ、ご存じでしたか?
川島:僕こそマサカでしたね。西島さんから「今回はデュエットでお願いしたい」というお話があって、おすすめのボーカリストはいないか?ってなったときに、エリックっていう素敵なボーカリストがいますよ、って西島さんに紹介したんですよね。でもまさかペルーにいるとは知らなかったです(笑)
JK:知らなかったっていうのが最高ね!
川島:そういう状況だったというのは知らなくて、それがこういうご縁になるとは・・・僕としてもマサカですよ。
出水:川島さんから見て、エリックさんの魅力はどこにあるんですか?
川島:エリックと初めて共演したのは数年間ですけど、僕はそれからもずっとエリックのことをチェックしてて・・・でも今回共演してさらにさらに大好きになった。ギターも素晴らしいし、日本人にはないグルーヴ感、リズムも含めた技術、そして何より音楽に対する純粋な姿勢。僕としてもたくさん刺激を受けました。この出会いに本当感謝ですね。
エリック:ケイジさん、すごい光栄です! こちらこそ感謝です!
JK:見てて分かりますよ。お互い似てるわけじゃなくて、陰と陽っていうのかな。
川島:太陽と月ですね(笑)
エリック:太陽で~す(^^)
川島:僕が月ですね。
エリック:ジュンコさんが地球(笑)
川島:いや、宇宙でしょ(笑)
出水:エリックさんは川島さんの歌い方をどんなふうに見てますか?
エリック:いやぁもうシブいです!! カッコいいし、それこそ自分にはできないテクニックやグルーヴ感があったり、すごく優しいお兄ちゃんという雰囲気も歌に現れてるかなって。一緒に歌っていて気持ちいいですし、勉強になります。川島さんから連絡がなかったらもうちょっとペルーにいたかもしれないです。
JK:時が来ると面白い出会いがありますね。計算じゃなく、突然来るのね。
川島:自分がそういう存在になれたことが嬉しいですね。
JK:今回みたいなデュエットは初めてですか?
エリック:初めてです。最初はギターと一緒にやる予定だったんですけど、アカペラでやったら面白いんじゃないかって。
川島:エリックがどんどんアイデアを出してくれるんですよ。しかも音感が良いんで、まったくのアカペラで、音も何もなく、いきなり始める。
エリック:いや、聞こえてくるじゃないですか。
川島:聞こえてこないよ!(笑) 僕らはピアノでピーン♪と出してもらわないと、不安で怖いんですよ。何もなしに、その前にいろんな音楽が流れてても、突然ちゃんとその音を出すっていうのは・・・
エリック:ええ~っ! そうなんですか?!
川島:そうなんだよ(笑)
JK:エリックさんの頭の中では音が鳴ってるわけね。ケイジさんは鳴ってない?
川島:えっ、一応鳴ってますけど(^^;)出したら「合ってます」って言われるんですけど、不安ですよね。すごいなぁと思います。
出水:月と太陽ですからね(^^)
JK:エリックさん、今後は何をやりたいですか?
エリック:いつも思ってるんですけど、ペルーやラテンと日本の架け橋になりたいと思っていて。日本にラテンをもっと知っていただきたいし、南米の人にも日本の素晴らしさを伝えていきたいです。
(TBSラジオ『コシノジュンコ MASACA』より抜粋)