トランプ大統領 自動車関税を25%へ 藤井氏「関税を上げることが悪いことであるかのようにみんな言ってますが…」
2月20日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、自動車関税の引き上げに関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「関税を上げることがアカンみたいなことを言っている風潮がおかしい」
アメリカのトランプ大統領は18日、4月にも公表する輸入自動車への追加関税について「25%くらいになるだろう」と述べた。日本車が対象になれば競争力が低下して日系自動車メーカーに大きな打撃となるとしている。また、半導体や医薬品に「25%以上」の追加関税を課す方針も表明した。
米国の貿易赤字削減へ製品分野ごとに追加関税をかける姿勢を鮮明にしている。
自動車関税の詳細は4月2日にも発表される。アメリカは現在、乗用車に2.5%、トラックに25%の関税を課している。日本からアメリカへの輸出で最も多いのは乗用車やトラックなどの自動車で、2024年の輸出額は6兆261億円と対米輸出総額の約3割を占めている。
寺島アナ「トランプ大統領、自動車への追加関税ということなんですが、藤井さん、これはどうお感じでしょうか?」
藤井氏「これね、なんか関税を上げることが悪いことであるかのようにみんなすごく言ってて、良い悪いっていうのは立場によって変わりますから、要はアメリカ国内の自動車会社にとっては、これは吉報なわけですよね?」
寺島アナ「はい」
藤井氏「で、アメリカに自動車生産能力が全くないのであれば『なにアホなことしてんねん』っていう話になりますけど、確実にアメリカ国内の自動車会社があって、外国の車がこれで全部25%高くなるわけですから、アメリカ国内の自動車会社にとっては嬉しいわけですよね。(トランプ氏は)アメリカ大統領ですから、アメリカ国民のためですから『わし、そうすんねん』と言ったって『あぁ、そうですか』っていうだけの話」
寺島アナ「アメリカ国内はですね?」
藤井氏「我々からしても、だってアメリカさんがやってはることですから『あぁ、そうですか、しょうがないですね、ちょっとぼく残念ですけど』ってなりますけど、まぁいいんですよ。これがなんかアカンかのようなことを言っている風潮がおかしいんですよね。関税っていうのは高くていいんですよ、べつに高くしたいんだったら。そこの日本の受け取り方もおかしいですよね。逆にいうと、消費税っていうのは逆関税なんですよ」
寺島アナ「はい」
藤井氏「トランプさんはいま、日本の消費税に文句を言っているわけですよね。で、『なんちゅう不当な言いがかりや』みたいな報道が日本国内で言われていますけど、アホかと。日本企業からしてみたら、日本で作ったものを外国に売ろうと思ったら消費税はかからないんですよ。関税しかかからないですよね?」
寺島アナ「えぇ」
藤井氏「で、日本車だったらアメリカの関税ってすごく低いんですよ。2.5%とかですよね?ところが、日本で車を売ろうと思ったら10%の消費税がかかるんですよ。だから日本国内に関税をかけてるわけですよ」
寺島アナ「あぁー! そうですね。消費税がかかってるわけですから」
藤井氏「そうそう。(消費税が)10%かかってるから、日本企業からしたら日本国内の関税が高いから、関税の低いアメリカに売るっていうことになるんですよ。だからそれをやめろよ、と(僕は)言ってきているんだけど『不当な言いがかりだ』って書いてあるんですよ、新聞に。っていうか、お前が『不当な言いがかりや』っていう不当な言いがかりをつけてんねん、と僕は国内メディアで言っている奴らには言いたいですね」