「肝臓」は実はやせやすい!「脂肪肝」を改善するための期間を医師・尾形哲先生が解説
(尾形 哲/KADOKAWA)第2回【全6回】
シリーズ累計12万部を突破した、『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』(KADOKAWA)は、肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」の担当医・尾形哲先生の著書。先生いわく、肝臓の脂肪は落ちやすく、少しの努力で基礎代謝が上がり、自然と痩せやすい体質へと変わっていくそうです。本書では、無理な運動や厳しい食事制限は一切おすすめしていません。掲載しているのは、日々の生活に簡単に取り入れられる「1分でできる工夫」ばかり。今回はこの本の中から、健康的な毎日を手に入れるためのヒントをご紹介します。
※本記事は尾形 哲(著)による書籍『専門医が教える 1分で肝臓から脂肪が落ちる食べ方決定版』から一部抜粋・編集しました。
肝臓はやせやすい臓器―最初に脂肪が落ちるのは肝臓です―
食べ方が変われば脂肪が激減!
【理由】皮下脂肪、内臓脂肪よりも先に肝臓脂肪から落ちていく。太りやすいが、やせやすい臓器だから
肝臓をいたわれば3カ月で肝臓から脂肪が落ちる
「太った」と実感するのは、二の腕やぽっこりしたお腹ではないでしょうか。脂肪はあらゆる場所に蓄えられますが、部位によって特徴があります。二の腕のように皮膚の下にたまる脂肪が「皮下脂肪」、ぽっこりお腹は内臓の間や内臓そのものに付着する「内臓脂肪」です。
しかし、皮下脂肪と内臓脂肪だけで対処しきれなくなると増えるのが「肝臓脂肪」。肝臓脂肪は肝細胞の1つひとつにためられています。過剰に蓄積されると「脂肪肝」になり、肝臓の炎症や肝硬変、肝臓がんに進行するリスクが高まります。だから、"肝臓に脂肪をためすぎてはいけない"のです。
ただ、肝臓の脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪よりも先に落とすことができます。"いちばん落としやすいのが肝臓の脂肪"なのです。食事を変えれば、脂肪肝は3カ月で改善します。
約7%の体重減で脂肪肝は改善
脂肪肝→体重65kg
元気な肝蔵→体重60.5kg(65kg × 7% = 約4.5kg)
研究によれば、体重を約7%減少させることで、組織学的に肝脂肪化と炎症が改善する可能性が高いことが示されています(*01)。
*01:Promrat K., et al. (2010). Randomized controlled trial testing the effects of weight loss on nonalcoholic steatohepatitis. Hepatology. 51(1):121-9.