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【川崎市麻生区】地元写真家 原田さん 80歳超の「輝き」捉え 麻生区民モデルに写真展

タウンニュース

原田さん(左)の撮影に応じる中込さん

男女ともに平均寿命全国トップを誇る「長寿日本一」の麻生区で、80歳以上の区民をモデルにした写真展の企画が進行中だ。地元出身の写真家、原田京子さん(64)らが主催し、10月の開催に向けて準備を進めている。

『80歳を超えて今を輝く人生の肖像写真展』と銘打つ展覧会で、原田さんと、麻生区内の市民団体を取材し発信している佐々木直子さんが主催。「高齢者として一括りにするのではなく、年齢を重ねた個人であり、誰もが人生の主人公。今を生きる『人』の魅力を伝えたい」と原田さんは話す。モデルにはインタビューも行い、人生模様にも迫ってきた。

8月18日には、11人目のモデルとなる中込清皓(きよあき)さん(90)の撮影を麻生市民交流館やまゆりで実施した。市民団体「やまゆりテック」のメンバーとして、利用団体向けに会場設営や照明、音響機器を手がける中込さんは、現役時代はテレビ朝日で美術や技術を担当。クイズ番組『タイムショック』や『ヒントでピント』のセットデザインや、テロップシステムのデジタル化に貢献したことなど、当時の経験を和やかに語った。原田さんも下積み時代にADとして携わっていたことが判明し、「まさか同じ番組をやっていたなんて、こんな偶然ない」と笑顔をみせ、思い出話に花を咲かせた。

地域へ恩返しを

原田さんは麻生区高石出身。商業写真家として都内を拠点に活動していたが、2年前に同区に転居。近所の人が育てた野菜を分けてくれる温かさにふれ、麻生区が長寿日本一という事実を知り、改めて目を向けた地元に「恩返しできないか」と考えるようになった。まちのことを知ろうと訪れた同館で、相談員を務める佐々木さんと出会い、シニアの写真展を企画。佐々木さんの協力のもと、麻生区在住の80歳以上に対象を絞り、1年ほどかけて人選や撮影を進めてきた。今回は100歳を超える人も含め、11人のモデルが登場。「体が思うように動かないが、畑に来ると動ける」「70歳から始めたステッチが自慢」など、好きなことを語るモデルたちの表情は生き生きしているという。「まだまだ現役でやりたいことを自由に楽しんでいる。過去のことを語ってくれる時のエネルギーがすごい」と原田さん。シニアを元気に、という思いのほか、若い人にも知ってほしいとの願いも込める。「大変なことがあっても、今こうして笑っている姿を見て、年齢を重ねることをポジティブにとらえてほしい。地元の人にスポットを当てて、まちを知る機会につながれば」と話している。

アートセンターで展示

写真展は10月1日(水)から19日(日)(14日休館)、川崎市アートセンター(麻生区)で開催。入場無料で午前10時から午後4時(最終日3時)。問合せはスリーコード【電話】044・952・5921。なお、開催に向けてクラウドファンディングを実施中。詳細はウェブサイト「キャンプファイヤー」内で「原田京子」で検索して確認を。

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