秋冬のおしゃれアイテムが集合! ふんわり素材のソーイング&ニット
ウキウキ! 秋のソーイング&ニット
ニットもソーイングも素材を春夏用から秋冬用にかえる季節です。
コーディネートの主役からアクセントになる小物まで、さまざまな大人のおしゃれアイテムを集めました。
手作りで、色めく秋を楽しみましょう。
美濃羽まゆみの着心地のいい服〈1〉 フリースで やわらかプルオーバー
暖かい素材でゆったりとした着心地の、気軽に着られるアイテム2つを2週にわたってご紹介。
1週めは、軽くて肌触りがよい4色のフリースをつないで、プルオーバーを作ります。
フリースは、布端がほつれないので切りっぱなしで使えて、洗濯もしやすく、扱いやすいのが魅力。
セーターがわりにいくつか作っておけば、冬を越すまで楽しめます。
身ごろを3分割して縫い合わせ、動きのあるデザインに。
首回りは少し立ち上げて立体感を出しました。
さらに、身幅と腕回りには余裕を持たせ、そでを細くすることで、全体をすっきりと見せています。
ベーシックカラーでまとめ、ナチュラルな印象に。後のページの「ヌビのパンツ(オフホワイト)」と合わせました。
基本作品の後ろ側。
後ろ身ごろは前身ごろと同じ分割です。
肩を縫い合わせると分割線がずれて、グラフィカルなデザインに。
わきのすそにはスリットを入れました。
基本作品と同じパターンですが、身ごろの肩部分に分割線を1本加えました。
肩部分のパーツには、モコモコとしたボアを使用。
異なる素材を一部に取り入れるだけで、違った雰囲気に仕上がります。
応用作品の後ろ側。
そでを左右で違う色にしたり、差し色を入れたりして、配色も楽しんで。
美濃羽まゆみの着心地のいい服〈2〉 ヌビで あったかパンツ
2週めは、今注目の素材「ヌビ」(韓国の伝統的な技法で、中に綿をはさみ、等間隔でキルティングした生地)を使い、肌寒い日を暖かく過ごせるパンツを作ります。
おしり回りはゆったり、すそに向かって細くなるすっきりとしたデザインは、トップスと合わせやすいのが魅力。
フリースのプルオーバーと組み合わせて着るのもおすすめです。
7ミリ幅のキルティングが入ったヌビで作りました。
縦のキルティングラインは細見え効果も期待できそう。
オフホワイトは暗くなりがちな冬のコーディネートを明るくまとめてくれます。
作品Aを黒のヌビで作り、シックな雰囲気に。
「プラス“ボア”のプルオーバー」とも相性抜群です。
ウエストにはゴムを通しますが、ヌビは厚みがあり、ゴムを通すだけでは緩くなってしまうので、ひもも通します。
ウエスト見返しは厚みが出ないよう薄手の木綿地を使用。
作品Bは水玉柄で遊び心を。
ヌビのキルティングの糸がほつれないよう、すそには見返しをつけます。
ウエスト見返しと同じ水玉柄の木綿地を使いました。
美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
手作り暮らし研究家。京都の町家で暮らし、子育ての合間に手作りを楽しむ。着る人の魅力を引き立てるシンプルな洋服作りを提案。丁寧な暮らしを送る中で生まれる、おしゃれで実用的なデザインにファンが多い。
6サイズから選べる ウールのベスト
体形や着こなしに合わせて作れる、秋らしいウール地のベスト。
オーバーサイズでラフに着たり、ジャストフィットでシックに着たり。
どのサイズで作るかは、なりたいスタイルに合わせて選んで。
トレンドのメンズライクデザイン。
裏地にはリネンを使用し、暖かくサラッとした着心地です。
後ろ中央に入れた切り込みや前あきの具合、わきの形など、すっきりとスタイルよく見える工夫がたくさん込められています。
タイトめなデザインなので、ゆったりと着たい場合は大きめのサイズを選んでも。
[写真は9号サイズ]
Point
表地と裏地は同じ型紙を使います。
表地と裏地を縫い合わせてひっくり返す方法で、布端の処理は不要。
ほつれやすいウール地を扱いやすくする知恵が詰まった作品です。
生成りのネップ入りツイード地を使用。
ボタンをあけてゆるっと着れば、柔らかな印象に。
[写真は13号サイズ]
チェック柄のツイード地を使用。
コーディネートしだいでマニッシュな雰囲気も楽しめます。
[写真は9号サイズ]
作品A・B・Cの作り方は共通。
布地とボタンの組み合わせでさまざまな表情が楽しめます。
打ち合わせを反対にすれば、男性も着用できるデザインです。
伊藤みちよ(いとう・みちよ)
ソーイング作家。「シンプルで着やすく、長く愛用できるお気に入りの1着」をコンセプトに、大人服を手がける。作品を展示・販売するほか、雑誌や書籍でも発表。
細めがトレンド ドット模様のマフラー
細めの幅でスマートな、棒針編みマフラー。
お出かけ前の一巻きで、おしゃれが決まります。
ドット模様の間隔が変化するのもポイントです。
幅広に編んで両わきをとじ合わせ、筒状に仕立てたマフラー。
表裏を気にせず巻けて、軽く一巻きしても、ぐるぐる巻いても様になります。
両端は密に、中央は徐々にまばらに模様を配した、動きのあるユニークなドット模様です。
モフモフのニットを身に着けるにはまだ早い、というときにも、細めマフラーならさっと巻いて、コーディネートのアクセントにできます。
2回巻けば首元をしっかりカバーでき、秋から春先まで活躍します。
輪にとじ合わせているので二重になっていて、細くても暖か。
とじた箇所はアイロンのスチームできれいに整えれば目立ちません。
那須早苗(なす・さなえ)
ニットデザイナー。幼少より編み物に親しむ。編み物指導者養成校を卒業後、毛糸関連会社の直営店スタッフを経て、作家活動を開始。現在は書籍や雑誌で作品を発表するほか、糸メーカーでのデザイン提案と製作、編み物教室などを行っている。
リバーシブルで使える かぎ針編みの帽子
秋冬にぴったりの、なわ編み模様の帽子。
裏返すと、市松模様が現れます。
両面使える帽子を、かぎ針で編んでみませんか?
1枚で2パターンの模様が楽しめる、リバーシブルの帽子。
編み方記号図どおりに編むだけで、表面はなわ編み模様、裏面は市松模様になるおもしろさを味わえます。
身に着けやすく美しいシルエットもポイント。
作品Aと同じ編み方で、糸の色をグレーにかえました。
飽きのこないデザインなので、ベーシックな色で編めば長く愛用できそうです。
岡 まり子(おか・まりこ)
ニットデザイナー。大学卒業後、アパレルメーカー、糸専門商社などの勤務を経て、ニットデザイナーとして独立。現在は毛糸メーカーの展示会や雑誌などで、ウエアや小物の作品発表を行っており、上品なデザインに定評がある。
ヘッダー画像
撮影/白井由香里
美濃羽まゆみの着心地のいい服〈1〉 フリースで やわらかプルオーバー
美濃羽まゆみの着心地のいい服〈2〉 ヌビで あったかパンツ
細めがトレンド ドット模様のマフラー
リバーシブルで使える かぎ針編みの帽子
撮影/白井由香里 モデル/森本奈緒
6サイズから選べる ウールのベスト
撮影/中野博安 モデル/伊里