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新国立劇場バレエ団、吉田都芸術監督が手がける圧巻の舞台『ジゼル』を上演

SPICE

『ジゼル』初演時の舞台写真   小野絢子、奥村康祐

2025年4月10日(木)~4月20日(日)新国立劇場 オペラパレスにて、新国立劇場 2024/2025シーズン『ジゼル』が上演される。

『ジゼル』は2022年に吉田都芸術監督が初めて演出を手掛け、話題を呼んだ公演。イギリスの振付家アラスター・マリオットとともに、19世紀ロマンティック・バレエ不朽の名作を新しく生まれ変わらせ、ロマンティック・バレエの本質である幽玄さを持ちつつも演劇的なドラマとして再構築したと評価された。

『ジゼル』初演時の舞台写真  吉田朱里          撮影:鹿摩隆司

吉田都芸術監督が本作品を演出するにあたって目指したのは、演劇的に深みのある舞台。それぞれのキャラクターの人物像から物語のバックグラウンド、そして役柄の一人ひとりにどういった感情の動きがあるのかなど、クリアに伝えられながら制作された。ブリティッシュ・バレエの伝統を受け継ぎつつも、新国立劇場バレエ団らしいオリジナルのジゼルを本公演で楽しむことができる。

『ジゼル』初演時の舞台写真  柴山紗帆、井澤駿          撮影:鹿摩隆司

『ジゼル』初演時の舞台写真  小野絢子          撮影:鹿摩隆司

また、ヨーロッパのキリスト教と土着の文化の狭間にある世界観を表現したディック・バードの舞台美術も大きな見どころ。想定されている時代について絵画などリサーチを深く行い、その年代に忠実なデザインを踏まえつつ、キャラクターたちの役柄などに合わせ吉田都芸術監督と話し合いを重ねながら形づくられていった。特に印象的な第2幕の舞台装置はリトアニアの「十字架の丘」に着想を得てデザインされ、ジゼルと同じように亡くなってしまった沢山の若い女性たちの墓が立ち並ぶ。

『ジゼル』初演時の舞台写真          撮影:鹿摩隆司

リック・フィッシャーが手掛けた照明も、物語をつくりあげる重要なピースのひとつ。幻想的な月明かりからアルブレヒトが救われる夜明けの光など、時の移ろいを感じさせる美しい照明が物語を際立たた。こうした舞台美術や照明からも『ジゼル』という美しくも悲劇的な物語がリアリティを持って伝わるはず。

なお、本作品は4月に新国立劇場オペラパレスで上演後、7月にイギリスのロイヤルオペラハウスにて海外公演を予定している。

『ジゼル』初演時の舞台写真  米沢唯、渡邊峻郁          撮影:鹿摩隆司

『ジゼル』初演時の舞台写真  木村優里、福岡雄大          撮影:鹿摩隆司



【ものがたり】
ブドウ収穫祭をひかえた中世ドイツの村。公国の王子アルブレヒトは、隣村の村人に変装し、村娘ジゼルを口説いている。森に住むヒラリオンもジゼルに恋しており、アルブレヒトの正体を不審に思う。ジゼルの母ベルタは、心臓が悪く体も弱い娘を心配しており、アルブレヒトとの交際を認めずにいる。大富豪の娘バチルドと、アルブレヒトの伯
父クールランド公爵の一行が村に到着すると聞いたアルブレヒトは身を隠す。村人のもてなしを受け、優しいジゼルに惹かれたバチルドは、お互い結婚を控えている者同士として彼女に首飾りを贈るが、よもや相手が同じ男性とは知るよしもない。収穫祭のさなか、ヒラリオンは公爵家の紋章がついた角笛を吹いてアルブレヒトの正体を全員の前で明らかにする。アルブレヒトが実は王子で、バチルドと婚約していることを知ったジゼルは愛する人の裏切りに打ちのめされ、ついには心臓が止まって息絶えてしまう。
夜が更け、木々がうっそうと生い茂る古い墓地。恋人に裏切られ失意のうちに亡くなった乙女たちの霊、ウィリたちが潜んでいる。ウィリの女王ミルタは、男を見つけたら死ぬまで踊らせるようウィリたちに命じる。ジゼルの墓に花を供えに訪れたアルブレヒトは罪の意識にさいなまれて許しを請う。その姿を見たジゼルは、変わらぬ愛をもって優しく許す。ミルタとウィリたちは同じくジゼルの墓にやってきたヒラリオンを追い詰め崖から転落死させた後、アルブレヒトにも死を告げ、日の出まで踊ることを強いる。力尽きそうになる度、自分のために踊るジゼルに守られ、ついにアルブレヒトは夜明けまで生き延びることができた。ウィリたちを縛る憎悪と復讐の鎖を断ち切った彼女は自らの墓に戻って安らかに眠り、一人残されたアルブレヒトは墓の前で涙を流すのであった。

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