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朝の小1の壁 自治体で対応進む

TBSラジオ

きょうは、子育てと仕事の両立に関して、最近注目されている新たな課題と、その支援策についての取材報告です。

朝の小1の壁に対応 早い時間から学校で預かり

子どもが小学生になると、「朝の小1の壁」に直面している保護者の方が多いようなんです。どういうことなのか、その対策に取り組んでいる豊島区放課後対策課 課長の村山康介さんに伺いました。

豊島区放課後対策課 課長 村山康介さん

保育園までは早朝からお子さんを預けることができるわけなんですが、小学校に進学をすると、登校時間が8時15分前後と、小学校進学を機に子どもの預け先がなくなって、仕事と子育ての両立が難しくなる、いわゆる「小1の壁」というのが全国的な課題となっています。平日の朝7時45分から登校時間まで、学童クラブなどで学校用務員さんが児童を見守っています。対象者は、学童クラブに通う小学校の1年生。登校には、保護者の方が、必ず付き添うこととしております。昨年アンケート調査を実施しました。児童よりも早く保護者が出勤するため、児童1人で自宅で過ごしたり、早めに登校して校門前で待つなど、朝の子どもの居場所にお困りのご家庭が多いということが分かり、令和7年1月から2校で試行実施しまして、この4月から全22校に展開したという流れになります。


利用するには1度、事前登録が必要ですが、豊島区の区立小学校22校、この全校合わせて、登録者はおよそ170人。そのうち、毎日利用しているお子さんは全校合わせて、1日平均35人ほどだそうです。

利用する保護者は

では、この取り組みを利用する保護者の方はどう感じているのか、豊島区の池袋本町小学校で、実際に朝、お子さんを預けにきた方に話を聞いてみました。

「すごく助かっています、本当。これがなかったらちょっとどうしようかなと、仕事が。これでもまだ遅刻なんですけど、1時間くらい。建築関係なんです。朝が早いです、とにかく。いや、すごい良かったなと思って。あともうちょっと早かったら嬉しいんですけど。まず朝早く1人で行かせるというのが不安。」

「朝は助かります。うち母子家庭なんですけど、他にみてくれる人がいないので、助かっています。朝は9時なんですけど、でもやっぱり、なんだかんだ早く出勤しなきゃいけないじゃないですか、準備があるから。取り残されるっていうのが嫌だっていうので、誰か大人に引き渡して、誰か大人がいないと嫌だって思っているので。利用できる期間は利用しようかなと思っています。」


お子さんを送って仕事に向かう中、歩きながらお話を伺ったのですが「とにかく助かる」「これがなかったら成り立たない」と話していました。この日、お話を伺えたのは女性でしたが、このほかお父さんもお二人、出勤前にそれぞれのお子さんに付き添って来ていました。

私が取材に行った日は、4人の1年生が利用していたんですが、利用するメンバーは、だいたい同じお子さんになってくるということで、4人ともすでに仲が良くて、元気に話したり遊んだりしていました。

豊島区の村山さんは「登録者数に比べると利用者はまだ少なめですが、こうした受け皿があるということで、少しでも働く保護者の方の支えになっていれば嬉しい」と話していました。いざというときに頼れる場所があると、気持ちの面でも大きいですよね。

品川区は6年生まで対応 今後朝食支援も

一方、品川区でも先月から、区立小学校37校のうち3つの学校で、試験的に、登校時間前から子どもたちが学校で過ごせる取り組みを始めました。品川区では、独自の取り組みで保護者をサポートしようとしています。品川区子ども育成課 課長の 三輪貴大さんのお話です。

品川区子ども育成課 課長 三輪貴大さん

朝の居場所事業については、今回1年生に限った事業ではなくて、6年生までを対象としています。6年生になれば、自分で学校に来られるという子もいるんですけれども、兄弟で一緒に利用したりとか考えられるので、そのあたりは他の自治体と違った取り組みになってくるかなと考えています。朝食支援の取り組みにつきましても、試行の3校で、秋ごろを目指して実施したいなと考えています。パンや、おにぎり、そういったものを提供できないかと、今調整を進めているところです。総務省の調査の中で、小学生の約7%が「朝食を食べていない」という結果が出ていると。あと、区内の子ども食堂とかでも朝食支援に対するニーズも確認できたところがあるので、児童の健やかな成長を支援するためには、こういった取り組みも必要だろうと検討が始まりました。利用希望者に対して、配布していきたいと考えています。

三輪さんのお話にあったように、品川区のポイントは、対象が1年生~6年生まで。今年の秋ごろには、希望者に朝食を配布する予定で調整しているそうです。合わせて、今取り組んでいるのは3校のみですが、秋には全ての区立小学校に取り組みを広げていきたいと話していました。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)

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