厚木・愛川消防本部 7月の熱中症搬送最多 屋内での発症も増加
災害級の暑さが続く中、厚木市と愛川町の消防本部がまとめた今年7月の熱中症による搬送者数が、過去最多に上ったことが分かった。8月以降も猛暑が続くと予想されることから、両消防本部では最大限の警戒を呼びかけている。
厚木市消防本部の管轄区域(厚木市・清川村)の7月の熱中症搬送件数は90件で、過去最多を記録。今年4月から8月5日現在の搬送者も121件に上り、昨年同期比で37件増加した。
同本部によると、7月までに搬送者が100件を超えるなど過去にないペースで搬送者が増えているという。
重症者も
搬送者の状態は、意識障害やけいれん、手足の運動障害があらわれる重症が1件、頭痛や嘔吐、倦怠感を引き起こす中等症が61件、軽症が59件だった。年齢別では65歳以上の高齢者が57人、64歳〜18歳が52人、7歳〜18歳が10人、乳幼児2人だった。主な発生場所は道路が32件、公衆屋外が30件、住居が26件。
愛川町消防本部では、5日現在の搬送者が36件で前年同期比で4件増加。6月までは3件だったが、7月だけで32件に上り、統計開始以降最多を更新した。
内訳は中等症が11件、軽症が25件で、主な発生場所は仕事場が10件で最も多く、住居が8件、公衆屋外が7件と続いた。年代別では若年層から高齢者まで、世代を問わず発症した。
最も暑い7月に
気象庁は1日、「今年7月の日本の月平均気温が統計を開始した1898年以降最も高くなった」と発表した。向こう1カ月も引き続き厳しい暑さになるとの見通しを示しており、気温の予報や熱中症警戒アラートなどに注意しながら熱中症対策を講じることを呼びかけている。
熱中症は屋内外や昼夜を問わず発症する危険性があり、エアコンの適切な利用や気温・湿度が高い環境下での激しい運動を控えるなどの対策が求められる。
水分補給に関しては、スポーツドリンクなどをシャーベット状に凍らせた「アイススラリー」の摂取も有効で、微細な氷と液体が混合した飲料を飲むことで消化器官を効率的に冷却することができるとされる。