犬をおとなしくさせたい時に使える『便利アイテム』4つ 個性に合わせた選ぶポイントや注意点をご紹介
犬を興奮させるのは悪いこと?
犬は、緊張、不安、恐怖といったネガティブな場面でも興奮しますが、楽しい時や嬉しい時にも興奮します。犬をあまり興奮させてはいけないといわれていますが、こういったポジティブな興奮も良くないのでしょうか。
答えはイエスです。たとえポジティブな感情でも愛犬を激しく興奮させたり、長時間興奮させたままにするのはおすすめできません。なぜなら、興奮状態の犬は飼い主さんの言葉も耳に入らなくなり、突拍子もない行動をすることが多いからです。
その結果、交通事故に遭ったり見知らぬ人や犬にケガをさせるという事故につながります。また興奮するととても強いストレスになり、血圧の急上昇など心身に悪影響を及ぼします。
例えば脳神経系の持病を持つ犬の場合、興奮するとてんかん発作が起こりやすくなるといった実例もあるのです。
ただ、興奮した犬を落ち着かせるのは、飼い主さんにも難しいことです。実際、愛犬を落ち着かせておとなしくさせようとしたにも関わらず、益々興奮してしまい手に負えなくなったという経験を持つ飼い主さんも少なくないはずです。
それでは、興奮した愛犬の興奮を鎮めるためのポイントから見ていきましょう。
犬の興奮を鎮めるためのポイント
1.飼い主さん自身が冷静になる
興奮状態の愛犬を落ち着かせるために必要なのが、「飼い主さん自身が冷静になること」です。飼い主さんが慌てておどおどしたり、甲高い声で「やめなさい!」と連呼したりすると、愛犬は益々興奮してしまって目も当てられない状態になってしまうことでしょう。
2.興奮の原因を遮断する
愛犬が興奮し始めたら、愛犬が興奮している原因を一旦中断させましょう。
遊びに夢中になっているのであれば遊びをやめて無視する、病院の待合室で見知らぬ人や他の犬に怯えているのであれば、クレートを大きなタオルなどで覆い周囲の刺激を抑えるといった具合です。
遊びを中断した場合は、愛犬が落ち着きを取り戻したらすぐに遊びを再開しましょう。「興奮→クールダウン→遊び再開」を繰り返すことで、興奮すると遊べなくなり、落ち着けば遊べるようになることを学習します。
3.気を逸らす
興奮の原因を遮断できない場合は、愛犬の気を別のことに逸らします。理想的なのは、飼い主さんの指示で「オスワリ」や「フセ」など、気持ちがクールダウンできるような動作をさせることです。
興奮のピーク時に指示を出しても聞く耳を持てなくなっていますので、興奮し始めたらすぐに気を逸らすことが肝心です。
なお、まだトレーニングの途中で「オスワリ」や「フセ」ができない場合は、何か別のものを使って愛犬の気を逸らしましょう。次の章では、興奮し始めた愛犬の気を逸らすために使える、便利なアイテムとや選び方、使う際の注意点をご紹介します。
犬をおとなしくさせたい時に使える便利アイテム
1.音が鳴るもの
多少興奮していても、すぐ近くで音がすると愛犬の注意が音の方に向き、正体を突き止めようとします。それがきっかけとなり、犬の興奮も自然に収まるでしょう。
犬が噛むと音が鳴るおもちゃや小さな笛など、愛犬の気をひけるような音が鳴る小物を持ち歩きましょう。
人混みの中で騒音と受け取られないような音量、音質で、愛犬の注意をひきつけられるものを見つけましょう。ただし、音を聞いてさらに興奮してしまうような場合は、別のアイテムを試してみてください。
2.コング
コングは、中におやつを仕込んで知育玩具のようにも使えますが、そのままでも「噛む」「追いかける」などの犬の狩猟本能をくすぐる要素を持ったおもちゃです。
留守番をさせる、来客を迎えるなど、予め興奮させたくないイベントの前に与えておくことで、おとなしく過ごしてもらうことができるでしょう。
コング自体は丈夫で安全なおもちゃですが、愛犬の体格や年齢に適した大きさや硬さの品を選ばないと、壊してしまったり固すぎて噛めなかったりします。成長に合わせて適宜買い換えが必要です。
3.知育玩具
おやつを隠してニオイで探させるもの、ペダルやスイッチを押すと中に仕込んだおやつが出てくるものなど、さまざまなタイプの犬用知育玩具が市販されています。
コング同様、留守番や来客時の前に与えておけば、夢中になって遊び、退屈や寂しさによる興奮を避けられます。
ただ与えても、最初は遊び方が分かりません。まずは飼い主さんが遊び方を教えてあげましょう。また同じ知育玩具を長く使っていると、学習してすぐ退屈するようになります。愛犬の能力の発達に合わせて、適宜レベルアップしていきましょう。
4.長時間味わえるおやつ
外出時にも携帯しやすく、長時間維持できるジャーキーやガム、骨などの硬いおやつも興奮しかけた愛犬の気を逸らし、クールダウンさせるのに役立つアイテムだといえるでしょう。
ただし、コングのようにゴム製というわけではありませんので、歯や歯肉、あごの骨などを傷めてしまう可能性もあります。愛犬の口のサイズや十分に噛める硬さ(柔らかさ)の製品を選ぶようにしましょう。
まとめ
興奮しやすい犬は、運動不足などでエネルギーが有り余っていて、それがストレスとして蓄積されてしまっていることが多いです。
愛犬がちょっとしたことで興奮してしまうと感じている飼い主さんは、毎日愛犬に適した量の運動をさせるよう心がけた上で、留守番や病院などの興奮しやすい状況に対して、事前に便利アイテムによる対策を図るようにしてみてください。
なお、飼い主さんが帰宅した際にうれションをしたり飛びついたりしてしまう程興奮する場合も、愛犬が落ち着くまでは無視しましょう。飼い主さんが一緒になって「ただいま〜!会いたかったよ〜!」などと応じてしまうと、益々興奮させてしまいます。