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『蕎麦 坐忘(ざぼう)』は日本人の心に響く味わいの店。

八王子ジャーニー

『坐忘』のそばは全て店内で、石臼で挽いたそば粉から作っています。

西八王子(千人町)の『蕎麦 坐忘』といえば、席が空くのを待って何人もが並ぶ人気店。ずっと気になっていましたが、満を持して行って参りました。 他県からもここのそばを食べに通ってくるというのですから、これはもう本物です!

国道20号を高尾に向かって進み、西八王子駅→中央図書館を過ぎ→『八王子桑志高校入口』の信号を右折します。
180m程先、正面に板塀に囲われた家が見えてきます。そこが目的地『坐忘』の裏手になります。

板塀の右に2台分の駐車スペースがあります。塀づたいにまっすぐ進むと正面入口です。入口前にも駐車場があります。

落ち着きある風情の店構え

入口から品のよい和風料理屋といった風情でを感じます。ここは51年前から店主・萩原さんのお父様が『竹の家』として出前専門のそば屋を営んでいたそうです。31年前に店を引継ぎ、自分の描く “そば” のあり方を追求し続けたのが、今日の『蕎麦 坐忘』です。

所在地 : 東京都八王子市千人町3-14-11

心遣いの外待ち用のベンチ

昼は混みあうため、座って待てるようにベンチが用意されていました。のれん横にかかった用紙に名前を書いて入店の順番を待ちます。あまり待たずに入るためには、開店少し前に並ぶのがよいとのことですよ。(昼の予約不可)

坐忘とは「静かに座して現世の雑念を除くこと」という意味だそうです。
『蕎麦 坐忘』店主からの「日々の忙しさを忘れ、ゆっくり過ごして欲しい」といった心遣いが、そこここに感じられます。

静かに過ごせる豊かな空間

くつろげる店内は、白を貴重にした壁・天井に黒の格子を配し、凛とした『和』の面持ちも感じられます。広めの壁には古書をそのまま貼り付けたデザインが施され、板張りの床との対比が美しく調和していました。客席は全部で16席の目の行き届くこじんまりしたお店です。

夜は馴染みのお客様にゆっくり過ごしていただくことを主体に考えていらっしゃるそうで、完全予約制で4人までの予約制限があります。(夜の営業は土曜日のみ) 取材は混み合う昼を避けて夜に伺いましたが、昼と夜の違いはお料理の下に敷紙が敷かれるかどうかの違いくらいですから、まずは昼に行ってみるのがよいでしょう。

ゆったりした時間を蕎麦前から楽しむ

うまいそば屋に来たからには、できれば “そば前(一品料理)” から楽しみたいものです。何か一品つまんでいる間にそばがやってくる、なんていいですよね。

『焼き味噌』

まずは冷酒をいただきます。お酒を頼むと“つまみ”として『焼き味噌』がついてきます。西京味噌にネギ、かつお節、そばの実をまぜて焼きつけた『焼き味噌』の絶品なこと! これはお酒が進んでしまいます。

焼酎、日本酒の品揃えがいいですね。もちろんノンアルコールもちゃんと用意されていますし、おいしいそば茶が出されますから、お酒を飲めない方も安心してください。

『天たね』と『天ぬき』なるメニューがありました。『天たね』とは天ぷらのみのことで、『天ぬき』とは天ぷらそばのそば抜きのことだそうです。昔から蕎麦通は『天ぬき』で一杯やって、その後にせいろ注文したんだそうです。粋ですねぇ、次はぜひこんな注文をしてみたいものです。

月ごとに変わる『前菜三種』

12月は『白子豆腐』『大根と豚肉の炊き合わせ』『白菜とカニの海苔和え』でした。一品ずつしっかりしたボリュームがあり、それぞれ味わいの違う椀が時間差で出されます。ゆっくりゆっくりお酒が楽しめます。

11月の昼に個人的に訪れた時の『前菜三種』は、『白子豆腐』『里芋と椎茸、春菊の炊き合わせ』『蓮根まんじゅう』といった品揃えでした。 この時は幸いにも1時過ぎに行ってすぐに席に着くことができました。

『だし巻き玉子』

薄味でたっぷりだしを含んだ『だし巻き玉子』。どうしたらこんな風に、ふわふわでプルプルなだし巻きができるのでしょう。

『辛味そばがき』

そば粉を練った通常の『そばがき』と、練り上げたそば粉団子をサッと素揚げした『辛味そばがき』があり、珍しい『辛味そばがき』の方を選択。こちらは2人前からの注文になります。

甘過ぎない“つゆ”が箸で割ったそばがきに馴染み、ますますお酒が欲しくなります。

店内の石臼でひくそば粉

『坐忘』のそばは全て店内で、石臼で挽いたそば粉から作っています。契約している産地は3箇所あるそうですが、その時々のそばの状態をみて産地にこだわらずよいものを使っているそうです。もう少し食べたい人には『おかわりせいろ』や『おかわりあらびき』が注文できます。

『小海老と野菜の天せいろ』

プリップリッの小海老たっぷり入った贅沢な海老かき揚げにレンコン・さつま芋・ししとうの天ぷらを、塩でも天つゆでも味わえるのがウレシイ。素材が生きる火の入れ加減が素晴らしく、天ぷらもそばもそれぞれの風味が感じられました。

『白金豚とトマトのつけそば』

『白金豚とトマトのつけそば』を初めていただいきました。まかないから生まれたメニューで、鴨せいろをヒントにしたのだそうです。椀いっぱいに入ったトマトと三つ葉のコントラストが斬新です。

お盆には、青じその葉とペッパーミルに入った黒胡椒とチーズが添えてありました。

味変を楽しむ

1) まずはトマトの爽やかな酸味で洋を感じる “つゆ” で、そこに青じそをちぎって入れると一気に和の “つゆ” に変身。
2) 蕎麦に黒胡椒をすって入れ、豚の脂がピリッとしまった味変を楽しむ。
3) 最後はそば湯で割った “つゆ” にチーズを入れて味わってみる。何度も変わる蕎麦は新たな世界を見せてくれました。

「昼は予約ができないので『本日・昼のコース』にこだわらずに、気軽に一品料理やそばを組み合わせて楽しんでいただければ」と店主はおっしゃっていました。確かに混みあう昼に、コースメニューを注文する時は、他に待っているお客様のことも考える必要があるかもしれません。

シメのデザート

最後にデザートの『そば茶のゼリー』が出されます。これはお腹いっぱいでも、罪悪感なくツルッといただけます。そばのやさしい香りが冷んやりノドを通っていき、全ての料理が「ああ、おいしかった」と思い返されるような豊かな時間です。

駐車場の用意

駐車場は店の入口の真向かいに3台分と、裏手に2台分が用意がされています。自転車でいらした方のために、正面駐車場の左手には自転車スタンドもありました。

近所に住んでいらっしゃるのか、一人でそばを楽しむ方もチラホラ。

席に着くみなさんが「おいしいねぇ」「来てよかったね」と静かに楽しんでいらっしゃるのも心地よく、ゆっくり時間が流れているようでした。 “自分を大切にしたい” そんな時にぴったりのお店だと思います。

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