不思議な石のお噺し
2025年3月9日放送の「静岡市歴史めぐりまち噺し」。今日は、不思議な石のお噺しです。
語り:春風亭昇太
清水区河内にある河内の大石。
江戸時代後期の安政の大地震で興津川の上流に落ちてきたといわれています。
両河内村史によると、安政元年1854年11月28日に起こった大地震で山が崩れ、翌年の豪雨による土石流で巨石がここまで流されてきたとされています。
地震と豪雨によって現れたこの石は、この世に生まれ出た赤ん坊に見立てて安産の石とも呼ばれています。
この石の傍らに立つ大石神社には、人々が安産祈願に訪れます。
清水区大内の桃林寺にあるのは、牛石と呼ばれる不思議な石。
僧侶の身でありながら女性に焦がれて死んでしまい、牛になったという男の話に由来すると伝わります。
その牛を葬るために運んでいたところ、急に重くなり路傍に降ろすと、牛が石になっていたといいます。
それがこの牛石で傍らには祠があり、牛頭天王が祀られています。
牛になった僧侶が恋した女性が住んでいたことから竜爪山の西のふもとが「牛妻」と名付けられたともいわれています。
清水区梅ケ谷にある牛欄寺にも牛石があり、こちらが雄牛で桃林寺の裏の牛石が雌牛とも言われています。
静岡市歴史めぐりまち噺し、今日のお噺しはこれにて。 <!-- tag:/area:静岡市清水区 -->