箱根町 金指ウッドクラフト 引き継がれる技と思い 大学駅伝の記念トロフィー制作
箱根町は昨年12月18日、今年101回目を迎える東京箱根間往復大学駅伝競走の往路優勝校に贈る寄木製の記念トロフィーを公表した。制作したのは金指ウッドクラフト(箱根町畑宿)の金指雲流さん。2022年に亡くなった先代の伝統工芸士・金指勝悦さんの甥で、制作を引き継いだ。同工場による制作は第73回大会から続いており、今回で通算29作目。
昨年はオリンピックイヤーで、金指さんはフランス・パリのイメージを注ぎ込んで制作した。塔全体にあしらったのは「切りちがえ桝」を応用した柄で、「視点を集中させる場所によって見え方が変わる」。直線のみで構成されているが、丸い円が連なっているように見える不思議な柄だ。台座の五輪マークは木の種類を変えて5色で表現するなど、細部にも趣向が凝らされている。
金指勝悦さんの妻、ナナさんは「今年から主人の手が一切入っていない。これからは弟子だけで頑張っていくんだ、という気持ちも込められている」と語った。