【藤枝・ソーキナカタ】ある意味“工場直売”なバウムクーヘンは「もったいない精神」から生まれた
今回訪れたのは静岡・藤枝市にある、一風変わった工場直売のスイーツ店。実はスイーツの工場ではなく、スイーツを作るための機械を作る工場なのです。
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訪れたのは藤枝市横内。工場が建ち並ぶスイーツ感ゼロな街並みを歩いていると、「バウムクーヘン」の籏を発見しました。
工場の名前は「ソーキナカタ」。建物の中に入ってみると、焼き菓子を中心としたスイーツが並んでいます。
バウムクーヘンにパウンドケーキ、なめらかプリンなど、どれもお手頃価格です。オリジナルマドレーヌはなんと150円でした。
ここまでは、よくある工場直売のスイーツ店。
変わっているのは工場の方だということで、早速見せてもらいました。
工場の中は機械ばかり
工場の中に入ると、とてもスイーツを作っているようには見えません。
働いている人も作業服を着ているし、機械や部品などが多く目に入ります。
スイーツ工場というより、物づくりの工場の雰囲気です。
ソーキナカタの仲田廣志 会長に聞きました、これはどういうことでしょうか?
ソーキナカタ・仲田廣志会長:
バウムクーヘンを見てもらいましたが、それはこの機械で焼いています。一度に6本焼ける機械です。温度管理からガスの調整など、いろいろなことをタッチパネルでできます。この機械をうちは製造販売しています
今回訪ねた直売所はスイーツ工場の直売所ではなく、“スイーツを作るための機械を作る工場”の直売所だったんです。
工場の中には、機械のパーツがたくさん置かれていました。
ソーキナカタ・仲田廣志会長:
設計から最後の工程までやっています。一から手掛けているため、お客さんからの要望を組み入れて改造することもあります
余った試作スイーツがもったいない!
バウムクーヘン用のオーブンの他にも、さまざまな「業務用のスイーツ製造機」を手掛けるソーキナカタ。そんな機械メーカーが一体なぜ、スイーツの直売所を始めたのでしょうか。
ソーキナカタ取締役会長・仲田さん:
機械を買うお客さんは、実際にスイーツの試作を行います。そこでできたスイーツを処分するのはもったいないので、みなさんに安く提供できないかと考えて始めたのがきっかけです
「試作して余ったスイーツはもったいないし、何よりおいしいんだから売ってしまおう」。
そんなアイデアで始まった直売所は、社員にパティシエの経験者を迎え、2024年で13年目になりました。
「誰がやっても同じにできる」
自慢の機械で作るバウムクーヘン試食させてもらいました。
「スペシャルバウムクーヘン(1000円)」は、材料にバターと生クリーム、さらにアーモンドを使った特別仕様。
しっとりとして、ラム酒をたくさん使っているというだけあって、香りが良いアクセントです。
ソーキナカタ・パティシエ:
(Q.パティシエとして機械を使った感想は)このバウムクーヘンの機械は、スイーツを作るためのことがよく考えられています。生地を入れてできあがるまで、誰がやっても同じにできることがすごいです
一から設計を手掛けるソーキナカタのスイーツには、一流の技術と“もったいない精神”が詰まっています。
お客さんも「バウムクーヘンの工場ですか?」とやって来る人が多いそうですが、一風変わった“工場直売店”の正体は、バウムクーヘンをつくる機械をつくっている工場でした。
■店名 ソーキナカタ Dip Toy
■住所 静岡県藤枝市横内800-13
■営業時間 9:00~16:00
■定休 土・日・祝