無償化策、財源示し議論を 河野前デジタル相が講演
前デジタル大臣の河野太郎衆議院議員が3月1日、厚木市内のホテルで講演を行った。
厚木市で事業を営む経営者らで組織する厚木経進会(高橋学会長)と、河野氏が顧問を務める平塚経進会(熊澤章会長)の例会に招かれたもの。河野氏は「年収103万円の壁」の引き上げや高校授業料の無償化、マイナンバーカードによるデジタル化の利点などについて私見を述べた。
河野氏は与野党の間で議論が進む年収の壁問題について、「基礎控除を引き上げるとなれば、国の財政の中で7兆円規模の減税をしろというのと同じ。その財源はどうするのか」と語り、「少子化対策に取り組むのであれば、保育士の待遇改善にお金を使う方が効果的ではないか」などと述べた。
高校授業料など教育無償化策については、「公立も私立も負担がないとなればみんな私立に行くことになり、公立高校の教育レベルが低下することは目に見えている。大阪府の高校無償化による結果何が起きているのかを分析し、本当にやる意味があるのかを考えないといけない」とした。
年収の壁引き上げや高校無償化などを考える際には財源をセットにして議論していく必要があると強調した河野氏は、「優先順位を考えてどう効率的に税金を使っていくかを考えると共に、我々も行政コストを下げるという姿勢を示していきたい」と話した。