意外と知らない?三宮と元町をつなぐ地下通路「サンポチカ」で猛暑も雨の日も快適♪ 神戸市
照り付ける日差しや突然の雨、そして人混みも避けながら、三宮から元町まで移動できる――。そんな夢のようなルートをご存じでしょうか?神戸に暮らす人でも意外とまだ知られていない通り道『サンポチカ』(神戸市中央区)を紹介します。
今回は三宮方面から歩いてみます。『さんちか・10番街』の『神戸珈琲物語』と『肉のツクモ』の間の通路を進み、『家族亭』の前を抜けると、そのまま『神戸市役所』方面へとつながっています。
分岐点に差しかかると「元町・三宮中央通り駐車場」方面へ進む矢印が。こちらをたどれば『サンポチカ』へと連結します。ちなみに左に進むと「地下鉄海岸線 三宮・花時計前駅」にもアクセス可能です。
近くには分かりやすいマップも掲示されています。実はこの通路、20年以上前から存在していたのですが、“変化に富んだ歩いて楽しい空間”をコンセプトに、2022年11月に全面リニューアルが行われました。
その際に愛称の一般募集が行われ、集まった応募はなんと1,122件。その中から選ばれたのが、現在の名前『サンポチカ』です。
リニューアル後の通路にはゲートが設けられ、空間全体が“20の部屋”に見立てられています。歩くごとに異なるデザインが次々と現れ、まるで部屋から部屋へ移動しているような感覚を味わえます。
「GATE01」を抜けると、目の前に現れるのは絵画とその前に置かれたベンチ。腰を下ろしてゆっくり鑑賞できるようになっています。展示されているのは、日本を代表する洋画家・田村孝之介や小磯良平など、神戸ゆかりのアーティストによる作品です。
「サンポチカギャラリー」にも個性豊かな作品が並びます。
「こころのアート展」では、障がいのある人たちが既成の枠にとらわれず、自由な感性で表現した作品が勢ぞろい。
作品がやや低めの位置に飾られているのは、車いすを利用する方にも見やすい高さにするため。心配りを感じられる展示になっています。
ゲートごとにテーマカラーが分かれていて、「GATE02」に足を踏み入れると――。
アーティスト・高田マルさんによるアートが描かれた休憩スポットが登場。壁はユニークに曲線を描き、目の前の光景が現実なのか、それとも鏡の中の世界なのか――思わず立ち止まってしまう、不思議な体験が広がります。
奥にはお手洗いも完備。そこから階段を上がれば、地上の『三宮プラッツ』に辿り着きます。
「GATE02」と「GATE03」の間には、明治31年に林基春が描いた〈神戸名所 十二景〉から、布引の滝や生田神社などを題材にした美術陶板がずらり。全部で7作品が並び、歩きながら神戸の歴史や風景に触れることができます。
通路の途中には時折ポップなデザインのベンチも置かれていて、歩き疲れたら腰を下ろしてひと休みするのもOK。
座って写真を撮れば、絵になる一枚になりそうです。
「GATE03」を進むと、壁全体をキャンパスに見立てた「アーティスト部屋」が登場。こちらは、画家で絵本作家の植田真さんによる作品で、海と山が近い神戸の街をイメージしたやさしいタッチのイラストが、約13メートルにわたって描かれています。
特殊フィルムをあしらった壁が、合わせ鏡のように見える不思議な空間も。まるで未知の世界へタイムスリップしたような、ワクワクした気持ちになれます♪
「GATE04」と「GATE06」の間には分岐点があり、北側(GATE05方面)へ進むと『三宮センター街』の出口や『さんセンタープラザ』へつながっています。
今回はそのまま「GATE06」方面へ進みます。
すると、神戸出身の美術家・上村亮太さんの作品が登場。歩いたり、木の実に鼻を伸ばしたりと、さまざまな表情を見せてくれる象の姿が描かれており、子どもたちにも人気が高そうですね。
全長およそ400メートルの道のりも、歩くたびに景色が変わるのであっという間。
最後の「GATE07」を越えると、パンダや神戸の夜景の描いたイラストがお出迎え。
さらに道なりに進むと「地下鉄海岸線 旧居留地・大丸前駅」の改札や『大丸神戸店』の地下2階へと直結しています。まさに知る人ぞ知る“隠れルート”。一度歩いてみれば、その便利さと快適さに何度もリピートしてしまいます。
場所
サンポチカ
(神戸市中央区三宮町1-4 三宮中央通り)
通行可能時間
7:00~23:00