【藤枝・岡部宿 柏屋】五右衛門風呂の「足湯」登場 どうやって入るの? 江戸大正ロマンを満喫しよう
静岡・藤枝市の旧東海道沿いにたたずむ歴史的な建物「大旅籠 柏屋」。宿場の雰囲気がわかる資料館に、さらに五右衛門風呂の足湯体験が加わりました。酒粕を使ったラテも堪能できます。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへいつも見慣れた街並みも裏道を巡れば、そこはまるで別世界。静岡県民も必見の裏スポットをお散歩します。今回は藤枝市。東海道21番目の宿場町・岡部宿周辺で、古き良き街並みの中に点在する隠れたスポットを散策します。
江戸時代の宿場町の面影を残す有形文化財
東海道21番目の宿場町として栄えた岡部宿。
旧東海道沿いで見つけたのは、藤枝市岡部町岡部にある「大旅籠 柏屋(おおはたご かしばや)」です。
読み方は「かしわ」ではなく「かしば」です。
かつては旅人のための宿でしたが、現在は資料館になっていて、建物は180年以上の歴史を持つ国の有形文化財です。
建物に入ってみると、江戸時代の宿場町の雰囲気がそのまま残されていました。
案内してくれるのは、増田道憲館長です。
館内では、東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ)の主人公、弥次さんと喜多さんの人形が出迎えてくれます。
まるで作品の中に入り込んだような空間が広がっています。
増田館長は興味深い話を聞かせてくれました。
大旅籠 柏屋・増田道憲館長:
この2人は設定上、静岡出身なんです。作者の十返舎一九(じっぺんしゃいっく)が静岡の両替町出身なので、彼の認識としてこの2人は静岡出身だと思います
大旅籠柏屋の入館料は300円(中学生以下は無料)です。
江戸時代の旅籠を見学できるのはもちろんですが、他にも体験できることがあるそうです。
2024年に完成! 大正時代のお風呂を再現
増田館長に案内され奥に進むと新たな建物が見えてきました。
2024年に作られたばかりの大正時代のお風呂を忠実に再現したものです。
中に入ると、そこには昔ながらの五右衛門風呂がありました。当時はどうやって入っていたのでしょうか?
湯船を覆っている丸い木の板は、フタではありません。
大旅籠 柏屋・増田道憲館長:
足を板に乗せて、沈めながら入るんです。当時、大正時代ここにあったお風呂をそのまま改修しました
現代では足湯として来館者が体験できるようになっています。早速、入浴体験をさせてもらいました。
板の真ん中に足を置き、思いきり力を入れて板を踏むと、徐々に板が沈んでいきます。
足湯用ということで木の板を大きく作り、足が浸かる程度の高さで止まるようにしているそうです。お湯はちょうどいい温度で、とても気持ちがいいです。
大旅籠 柏屋・増田道憲館長:
弥次さん喜多さんは、小田原でこの五右衛門風呂に入ることになるんですよ。だけど入り方が分からなくて、下駄を履いて入ったんです
東海道中膝栗毛の失敗エピソードを聞きながら、当時の旅人の様子を思い浮かべることができました。
この五右衛門風呂の足湯は、土日祝のみ体験可能です。
地元の酒蔵とコラボした“酒粕ラテ”
増田館長から、さらにとっておきの情報があるとのこと。
大旅籠柏屋・増田道憲館長:
岡部はお茶で有名ですが、酒粕を使ったラテがあるんです
お茶処静岡では抹茶ラテが定番ですが、ここでは酒粕を使ったユニークな「酒粕ラテ(330円)」を柏屋の物産館で提供しているんです。
近所にある酒蔵「初亀醸造」の大吟醸の酒粕を使用しています。
一口飲んでみると、優しい味わいが口いっぱいに広がります。酒粕の癖はそぎ落とされ、飲みやすくなっていてラテとの相性も抜群です。
大旅籠 柏屋・増田道憲館長:
酒粕ラテは結構頼まれる方が多いですよ。今のところ酒粕ラテと抹茶ラテと半分半分くらいです
酒粕ラテは、柏屋内にある物産館「かしばや」で販売しています。
江戸時代の旅籠の雰囲気を味わいながら、大正時代の五右衛門風呂を体験し、地元の酒蔵とコラボした酒粕ラテを楽しむ。大旅籠柏屋では、時代を超えて岡部宿の魅力を存分に堪能できました。
■店名 岡部宿 大旅籠柏屋
■住所 静岡県藤枝市岡部町岡部817
■営業時間 9:00~17:00(最終入館16:30)
■休館 月(祝日の場合はその翌日)
■入館料 大人300円 中学生以下無料
■問合せ 054-667-0018