ドンキの「ドライマンゴー」にやや狂った店内ポップが付いていたので食べてみた / 胃を試される濃密さ
先日、「ドン・キホーテ」をぶらついていたところ、ある商品に目を引かれた。「店長おすすめ!! 週4袋食べてます!!」と書かれたポップの下に、同店オリジナルのドライマンゴーが陳列されていたのである。
ドライマンゴーというものを食べたことがなかったし、ほのかに狂気が香る店長の傾倒ぶりにも心揺さぶられた。これが余所の店なら「そんな店長がいるものか」と食ってかかったかもしれないが、「ドン・キホーテ」となれば話は違う。世の常識など塵にも等しい異空間である。
そういうわけで、筆者はその妖しい魅力を放つドライマンゴーを実食してみることにした。
内容量に150グラムと400グラムの2つのバリエーションがあり、価格はそれぞれ税込539円と1079円。おそらく店長がむさぼっているのは前者なのだろうが、今回は割安な後者を購入した。
封を開けると、細長く裂かれたドライマンゴーが密にひしめき合う光景が展開され、筆者は思わず笑ってしまった。見たことのない形状かつ見たことのない量のマンゴーは人間を愉快にさせるという実例である。
そして一切れ口に入れるや、さらに笑みがこぼれてしまったから驚きである。噛み締めた瞬間、ふんだんに凝縮された甘味と、それを絶妙に引き立てる酸味があふれるように広がった。これが「ドライ」であることが信じがたい。何なら通常のマンゴーより濃厚にさえ感じる。
パッケージの説明書きによれば、「ドン・キホーテ」は10種のマンゴーを食べ比べた末に本商品を完成させたとのことである。それだけ力を入れているとあっては、並外れたジューシーさにも納得が行く。
加えて、本商品に主に使用されているのは「味が濃いタネの周りの部分」らしい。一代にしてマンゴー帝国でも築き上げるかのような張り切り具合である。
それゆえと言うべきか、引っかかる部分もある。個人的に、一切れ一切れが少々重たい。スティックタイプで口に入れやすくはあるのだが、あまりに味わいが濃密なせいで見かけ以上に胃に響く。1週間あっても、この400グラムのパッケージを食べ切れるかは怪しい。
仮に食べ切れたところで、「1週間で400グラム」というペースは、「150グラムを4袋、計600グラム」という店長の週間摂取量を大きく下回る。あるいはもし「400グラムを4袋」なのだとしたら、泡を吹きながら引っくり返るほかない。
とはいえ、店長は店長、筆者は筆者である。開封後も冷蔵すればそこそこ長持ちするだろうから、じっくり味わいながら食べることにする。結局、筆者とてそんな風に考えるくらいには引き込まれているということである。
誰かが熱中すれば、その熱は回り回って、他の誰かに影響を与えうる。今回の話は、つまりそういうことなのだろう。この記事もまた他の誰かのきっかけになれたなら幸いだ。「ドン・キホーテ」のドライマンゴー、「筆者おすすめ!!」である。
参考リンク:ドン・キホーテ 公式サイト
執筆:西本大紀
Photo:RocketNews24.