学校トイレ 脱3Kへ 洋式化など改修進む
暗い・臭い・汚いといわれる「3K」から、明るくきれいなトイレに--。学校施設の老朽化対策の一環として、藤沢市はトイレ改修を進めている。洋式便器や衛生面に優れた乾式床、パステルカラーを配した手洗い場などを取り入れたトイレに変わりつつある。
市は2015年度に策定した学校施設再整備実施計画に基づき、施設の長寿命化を図るための保全対策を実施。トイレ改修については、55校ある市立学校のうち40校を対象に毎年3〜5校ずつ行っている。
校舎1階から上階まで同じ給排水管でつながる全階のトイレを1系統とし、各校1系統ずつ改修。全面的なリニューアルには約1億円の費用がかかる。今年度は湘洋・善行・高倉の3中学校で改修を進める。
広めのブースも
改修工事では一部を除いて和式便器を洋式化するほか、水で洗い流す従来の湿式の床から乾式床に変更。床に用いるビニールシートの性能が向上し、汚れにくく、雑菌の繁殖や臭いの発生を抑えることができるという。新型コロナの流行以降は手洗い場の水栓にセンサー式の自動水栓が採用されるようになった。
快適に利用できるトイレの改修は、児童生徒が安心して学校生活を送るための環境を整えるという点でも重要な意味を持つ。学校でトイレに行くのを我慢していては授業に集中できず、子どもたちの健康に影響が及びかねない。また、バリアフリー化や災害時に学校が避難所となることを想定した防災機能の充実においても、車いすでも入れる広いスペースのトイレや、性別や障害の分け隔てなく使えるトイレの整備も進められている。
市の報告によると、23年度における校舎トイレの洋式化率は小学校で72
・8%、中学校で61・6%、特別支援学校85・4%。対象校のトイレ改修は25年度までに完了する予定だが、体育館や屋外のトイレもあり、市教育委員会学校施設課では「各校の状況に応じて今後も学校施設の環境整備に取り組んでいきたい」としている。