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自然派ワインとともに!希少価値の高い“押岡地鶏”の旨味を丸ごと味わえる焼き鳥店【福岡市・春吉】

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鳥ゆうイメージ

大手門にある焼鳥の名店「鳥次」で長年焼場を担当してきた伊藤祐一郎さんが、満を持して数々の個性派店が軒を連ねる春吉に自店をオープン。6月12日のオープンから間もないというのに早くもなかなか予約が取れないほどの人気ぶりだそうで、どんな焼鳥が味わえるのかワクワクしながらお店に向かいました。
「鳥ゆう」は春吉の大きな通りから少し入った静かな場所にあり、隠れ家感たっぷり。店内に入ってみると、焼場を囲むようにカウンター席が並び、伊藤さんと奥様の優美さんが出迎えてくれます。街の賑わいとは裏腹にしっとりと落ち着いた雰囲気が漂っていて、ほどよい緊張感がいい感じです。
メニューはおまかせコース(6200円~)中心。コースの内容は、サラダ、鶏串焼き6種、野菜焼き2種、一品料理2皿、鳥スープとなっていて、ひと通りコースをいただいてまだ足りないという人は、追加の串や「そぼろ丼」もあります。

この店の一番の特徴は、希少価値の高い“押岡地鶏”が味わえること。自店をオープンするにあたって美味しい鶏を探し求めた伊藤さんが出会ったのが、宮崎県の生産者・押岡さんが丁寧に育てているこの地鶏で、肉質が柔らかく甘味と旨味があり、脂がしつこくなくサラッとしているのが特徴です。焼鳥業界では名が知れた鶏だそうですが、生産量が少ないためなかなか出会えない貴重な鶏なのだそう。
それを丸鶏のまま仕入れ、食鳥処理免許を持つ伊藤さんが店内で丁寧に捌いているので、内臓や希少な部位まで余すことなく味わえるのもこの店の魅力です。「鶏によって一羽一羽個体差があるので、切り方、串の打ち方から焼き方に至るまで、それぞれの鶏に合わせて一番おいしい状態を追求しています」と伊藤さん。調理場も焼場もすぐ目の前なので伊藤さんが真摯に鶏に向き合う姿を眺めながら、鶏が焼ける香ばしい匂いに胸弾ませながら、お料理が出てくるのを待ちます。

まず最初にいただいたのがムネ肉を鶏皮で包んだ「ムネの抱き身」。見るからに香ばしく焼けた皮がパリッと音を立て、身はふっくら! 評判どおり旨味がジュワッと口に広がります。さらに「さび焼き」とさっぱり系が続き、こちらも絶妙な焼き加減でふんわりしています。
ちなみにコースの順番はその日の鶏のコンディションやお客さんのお酒などの具合によっても変わるそうです。
タレの甘い香りが漂ってきたと思ったら、次に出てきたのは「かしわのタレ焼き」でした。モモ肉のふわっとした部分、少し歯応えのある部分などが重ねて刺してあり、食感にリズムがあって面白い! 鶏の扱いに長けた伊藤さんだからなせる技ですね。
そして、1羽から1本しか取れない希少部位の「ちょうちん」をいただきます。「ちょうちん」とはきんかんという卵巣内で卵になるまえの卵黄とモツの組み合わせ。こちらも火入れが完璧で、温かい卵黄が口の中でトロけます。

さらに「ハツ」「だんご」で鶏串焼きは終了。「だんご」は鶏のいろいろな部位がミックスされて弾力があり、ほのかに香る山椒がいいアクセントになっています。
串の合間に出てきたこの日の一品料理は「炊きつくね」と「レバーパテ」。「炊きつくね」のスープは唇に膜ができるのを感じるほどコラーゲンたっぷりで濃厚でした。ガラで炊いたスープでも鶏の旨味を堪能し、鶏を丸ごと余すことなく味わい尽くします。
「レバーパテ」は、添えられたクルミやスパイス入りパンと一緒にいただくと、ワインとの相性も抜群。お店にはワインセラーが2台設置されており、自然派をはじめワインのラインナップが豊富なので、ぜひ焼鳥と一緒に楽しんでください。

ご自身の店を開くにあたって、食材はもちろん器なども時間をかけて一つひとつ見て回ったという伊藤さん。メニュー名が書かれたユニークな箸置きは京都の「酒器 今宵堂」に、焼鳥を乗せるお皿は有田の作家・川口武亮さんに作ってもらったそうです。
串を焼く時は真剣そのもので厳しい眼差しですが、焼場を離れると気さくな伊藤さん。フロアを担当する奥様との息もぴったりで、お2人が醸し出す温かい空気感に包まれたとても心地よいお店です。

鳥ゆう
福岡市中央区春吉2-7-11
090-6631-7022

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