まぶしに移って繭づくり 飯山・小島さんの蚕
厚木市飯山の「あつぎ飯山野良の芸術美術館」で、同館館長の小島冨司さん(76)が飼育している蚕が、繭づくりの時期に入っている。
小島さんは毎年、蚕を卵から育てており、夏には桑の葉を食べて大きくなった幼虫が繭をつくり始める。繭づくりは「回転まぶし」という小部屋に仕切られた棚で行われ、小島さんは蚕一匹一匹を全て手作業で「まぶし」に移し、繭になるまで観察する。
今年の蚕は横浜市のシルク博物館から配布を受けた種との交配で産まれたもので、例年よりも大きく元気だという。
繭を毎年冷凍して保存している小島さんは「いつかは糸を機織りに活用して、地元の子どもたちに養蚕の歴史や文化を伝えたい」と将来の展望を語った。