「スマホだとキャラを動かすゲームやりにくいな…」と軽い気持ちでBluetoothコントローラーを導入したら廃人になりかけた
気軽な暇つぶしゲームからコンソール大作の移植まで、あらゆるゲームがプレイできるスマートフォン。
ゲーム好きの筆者も、美麗グラフィックの大規模ゲームはデスクトップパソコン、ビジュアルよりもゲーム性重視なら携帯ゲーム機、ちょっとしたスキマ時間ならスマホ……と使い分けていたのだが、人間とは堕落する生き物だ。
椅子に座ってパソコンを起動し、OSやプラットフォームのアップデートに気を配りつつ、マウスをカチカチやって立ち上がりを待つ……なんてもう無理! 一歩も動きたくない。寝転がってゲームしたい。
ただ、スマホゲームにはどうしても「我慢できない」点があった。
・キャラクターを動かすゲームがストレス
スマートフォン用に開発された、タップ操作前提の育成ゲームやパズルゲームなどには不満はない。目的の場所を最短距離でタップできて、むしろコントローラーより無駄がなく快適だ。
ところが、他ハードから移植のRPGやアクションやレースなど、キャラクター(自機・照準も含め)を動かさなければならないゲームが非常~~~にやりにくい!
画面上に仮想的にジョイスティックが再現され、距離や方向を制御するコントローラー。よくあるシステムだけれど、こいつが苦手だ。
プレイ中ずーーーっと画面をなぞっている状態になるからディスプレイがベッタベタになるし、微妙な操作ができないし、指で画面が隠れて見づらいし。何時間プレイしても、どうしても慣れることができなかった。
そこで買ってみた。スマホゲーム用コントローラーを。
・「Trnvco ワイヤレスコントローラー」(参考価格:税込3699円)
有線か無線か、スマホ専用か汎用か、などコントローラーにはいくつかタイプがあった。そのうち筆者はワイヤレス接続ができ、さまざまなデバイスにつなげる汎用タイプを選んだ。
手に持った感じは、値段相応のリーズナブルなコントローラーという質感で、可もなく不可もない。握りやすさ、ボタンの押しやすさなど、どれもごく普通だ。もちろん人間工学まで考慮されたプロ用コントローラーとは比べるべくもないが、とりたてて欠点もないと思う。
BluetoothでNintendo Switch、Android、iPhoneなどにつなげるとあり、筆者のiOS 18との接続はごくスムーズだった。別途ドングルレシーバーを購入すれば2.4GHzも対応とあるが、筆者は未検証。
コントローラーの中にはスマートフォンを両サイドから挟み込むように接続するスマホ専用タイプもあるが、いろいろなデバイスで使える応用力という点で筆者はこの機種にした。いつかスマホゲームに飽きるかもしれないし。
「それなら普通のゲームコントローラーでよくない?」と思うだろうが、ポイントはスマホホルダー。3.5インチから6インチまでのスマホをコントローラーにジョイントできる。
6.9インチの筆者のiPhoneの場合、サイズ適用外ではあるが、スマホケースを外すことで使用できた。ゴムがスマホをホールドし、割としっかり固定される。スマホの物理ボタンに干渉することもない。
ただ、軽量なコントローラーに対し、スマホ本体は200g以上あるから、重心がかなり上にくる。奥側に引っ張られるような感覚があり、持っていると手首に負担がかかる。
「これ腱鞘炎になるわ……!」と心配したのだが、問題なかった。数日もプレイしていると手首が鍛えられ、記事執筆時点ではすでに何も感じない。横向き寝で、スマホの片端をベッドなどにつけるとさらに安定した。
ホルダーのネック部分にスマホの重量がかかって、一番壊れやすそうであることに変わりはないので、振り回さない方がいいだろう。移動の際はコントローラーではなく、スマホ本体を持つのがオススメ。
未使用時にはスマホホルダーは折りたたんでおけるし、このまま充電も可能。ただしプレイの邪魔になるので、使わないときは素直に取り外しておくのがベター。そうすると一般的なワイヤレスコントローラーの形になる。
簡易的ながらボタンレイアウト機能がついていて、AとB、XとYの入れ替えができるのは地味に便利。普段Steamで遊んでいる筆者には、誤操作がなくなってありがたかった。
また、最大30秒間の動作を記憶させるマクロ機能を搭載。背面ボタンをショートカットキーのように使える。ユーザーのボタン操作をそのままコピーするだけだから、複雑な動作には使えないけれど、武器の切り替え程度ならできた。
ほかにジャイロセンサーや振動機能もあり。3段階から連射スピードを選べるTURBO設定では、ワンプッシュで連打が実行される。ただ「現在の設定」がわかりにくく、繊細な操作には向かない印象だ。
どの機能も「このコントローラーで大勝負に勝つ!」という過大な期待ではなく、簡易的に操作を助けるサブ機能くらいに捉えておけばよさそう。そもそも非対応のゲームもあるので、臨機応変に。
さっそく装着して、これまで苦戦していたゲームをプレイしてみたら……
ジョイスティックでカメラやキャラクターがさくさく動くようになり、直感的に操作できる!
脳とスマホが直接つながったような感覚。ズレていたチャンネルが、今ぴったりと合った。感動だ……!
もう携帯ゲーム機と何ら変わらない。それどころか、恐ろしい事態になった。
・思わぬ弊害
目立たない部分だけれど、「手ざわり」や「操作感」は想像以上にプレイ意欲に影響を与える。動きのストレスが緩和した結果、筆者はそれこそ朝から晩まで時間を忘れてプレイしてしまった。
これがSteam Deckのような携帯機だと、ゲームによっては2~3時間で充電がきれてしまうから、強制的に終了時間がある。ところが、iPhoneのバッテリーのもちはエグい。短時間でも電源につなげば、あっという間に復活もする。
ベッドでごろごろしながらプレイすると、姿勢がきついとか腰が痛いとかもない。ついには眼精疲労で偏頭痛を起こすまでプレイし続けてしまった。まずい。まず過ぎる。
逆に「コントローラーなしではプレイできない」身体になったので、外出先などでスキマ時間にゲームをすることは減った。いいのか悪いのか……。
なお、本製品はAmazon上では高評価を得ているが、やらせレビューを検出する「サクラチェッカー」では「危険」と評価されている。すぐに壊れた、バッテリーが劣化した、という声もあるので耐久性は今後も注視したい。
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.