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FAで17人を獲得したソフトバンクホークス、歴代移籍選手の「その後」は?

SPAIA

ソフトバンクの山川穂高,ⒸSPAIA

松永浩美は日本初のFA、西武の黄金時代支えた石毛宏典も加入

2024年のプロ野球は全日程を終了し、FA宣言期間に入った。FA権を行使する選手は14日に公示され、15日から各球団との交渉が可能となる。

今年は新たにFA権を取得した大物選手が多く、その動向が注目されている。早くもいろいろな噂が飛び交っているが、仮にFA宣言しても交渉がまとまらず、結果的に残留する場合もある。当然ながら移籍の決め手のひとつは待遇面だ。

かつては巨人が他球団の大物を買い漁り「金満補強」と揶揄されたが、最近は育成にシフトしつつあり、必ずしもオフの主役になるわけではない。

最多の巨人に次ぐ17人をFAで獲得しているのが、資金力のあるソフトバンク。昨オフも山川穂高を獲得し、今季は34本塁打、99打点で2冠に輝いた。これまで獲得した選手と、その移籍後の成績を野手と投手に分けて順に紹介していこう。


阪急時代に盗塁王や最高出塁率に輝き「史上最高のスイッチヒッター」と呼ばれた松永浩美は、1992年オフに野田浩司との交換トレードで阪神に移籍したが、期待通りの活躍ができず、1年後には日本球界初のFA宣言。地元・福岡のダイエーに移籍した。

1年目の1994年は116試合に出場して打率.314をマークするなど在籍4年で打率.267、15本塁打、92打点の成績を残した。ダイエー退団後の1998年にはMLBアスレチックスの入団テストを受けたが、契約には至らず引退。その後は独立リーグのコーチや野球教室、講演などの活動をしている。

プリンスホテルからドラフト1位で西武に入団し、黄金時代の中心選手だった石毛宏典は、1994年オフにFAでダイエー移籍。在籍2年で打率.189、1本塁打、12打点に終わり、現役引退した。引退後はダイエーの二軍監督やオリックスの監督、四国アイランドリーグのコミッショナーなどを務め、解説者や指導者としても活躍している。

田村藤夫はコーチ歴任、小久保裕紀は監督就任

田村藤夫は日本ハムの正捕手として活躍し、1995年オフにトレードでロッテへ移籍。さらに翌年オフにFA宣言してダイエー入りした。在籍2年で22試合に出場したのみで引退。引退後はダイエーを始め、日本ハム、中日、阪神、ソフトバンクでコーチを務め、2度目の中日コーチを2019年に退任した。

大村直之は育英高時代に夏の甲子園で優勝し、近鉄でも俊足強打の外野手として活躍していた。しかし、2004年に近鉄が消滅したためFA宣言してソフトバンクに移籍。在籍4年で打率.294、17本塁打、161打点の成績を残した。2008年オフに村松有人との交換トレードでオリックスに移籍し、2010年に引退した。

小久保裕紀はダイエーでプロ人生をスタートし、本塁打王や打点王のタイトルを獲得したが、2003年オフに巨人に無償トレード。3シーズンで計94本塁打、238打点をマークした。2006年オフにFA宣言し、親会社がソフトバンクに替わった古巣に復帰。2012年に引退するまで6シーズンで、打率.265、92本塁打、369打点の成績を残した。引退後は侍ジャパンの監督などを務め、2024年からソフトバンクの監督を務めている。

内川聖一は両リーグ首位打者、近藤健介も2年連続タイトル獲得

大分工高から2000年ドラフト1位で横浜入りした内川聖一は、2010年オフにFAでソフトバンク移籍。1年目の2011年に首位打者、翌2012年には最多安打に輝き、両リーグでそれぞれのタイトルを獲得した。

2018年には通算2000安打を達成するなど、2019年までの9シーズンで打率.296、117本塁打、602打点をマーク。しかし、2020年は二軍で打率.327をマークしながら一軍に召集されず、同年オフにヤクルトへ移籍した。2022年限りでヤクルトのユニフォームは脱いだが、翌年も九州アジアリーグの大分B-リングスで1年間プレーした。

西武の正捕手として活躍した細川亨は2010年オフにFA宣言。横浜とオリックスからもオファーがあったが、ソフトバンク入りを決断した。在籍6年で打率.184、14本塁打、106打点の成績を残し、2016年オフにはコーチ就任を打診されたが固辞。楽天、ロッテと移り、2020年まで現役を続けた。2024年オフにソフトバンクの3軍バッテリーコーチ就任が発表されている。

鶴岡慎也は日本ハム時代の2013年にFAでソフトバンク移籍。在籍4年で打率.231、6本塁打、65打点の成績を残した。2017年オフに2度目のFA権を行使し、古巣・日本ハムに復帰。バッテリーコーチ兼任としてプレーを続け、2021年に引退した。

沖縄尚学高2年春のセンバツで1学年上の東浜巨とバッテリーを組んで優勝した嶺井博希は、2022年オフにDeNAからFA移籍。 しかし、2023年は正捕手・甲斐拓也の牙城を崩せず44試合出場にとどまり、2024年は4試合に出場したのみだった。

日本ハム時代に2度の最高出塁率に輝いた近藤健介も、2022年オフにFAで加入。元々、定評のあった正確なバットコントロールに加えてパワーもアップし、2023年は26本塁打、87打点、出塁率.431で3部門のタイトルを獲得。2024年も打率.314で首位打者、出塁率.439で最高出塁率に輝き、2年で計45本塁打、159打点をマークしている。

2023年オフに西武から移籍した山川穂高は先述の通り、34本塁打、99打点で二冠王。本塁打王は西武時代と合わせて自身4度目の獲得となった。

49勝挙げた工藤公康、地元志向の帆足和幸、中田賢一も

ソフトバンクにFA移籍した投手は6人。1人目は後に監督も務めた工藤公康だった。


西武時代に最優秀防御率のタイトルを3度獲得するなど左腕エースとして活躍した工藤は、1994年オフにFAでダイエー移籍。在籍5年で49勝を挙げた。1999年オフに再びFAで巨人に移籍し、横浜、西武と渡り歩いて通算224勝をマークした。

山崎慎太郎は近鉄時代の1997年オフにダイエーにFA移籍したが、在籍2年でわずか2勝に終わり、2000年は広島にテスト入団した。2002年にオリックスで現役を終えるまで、通算87勝を挙げた。

福岡・三井高出身の帆足和幸は西武時代に4度の2桁勝利をマークし、2011年オフにFA宣言して故郷・福岡のソフトバンク入り。在籍4年で15勝を挙げ、2015年に引退した。現在はホークスジュニアアカデミーのコーチを務めている。

寺原隼人は日南学園高時代に甲子園を沸かせ、ドラフト1位でダイエー入団。その後、横浜、オリックスと移り、2012年オフにFAでソフトバンクに復帰した。復帰後は在籍6年で16勝17敗11ホールド。2019年にヤクルトで現役生活を終えた。2025年からソフトバンクの三軍投手コーチを務める。

北九州市立大出身の中田賢一は中日時代の2013年オフにFA宣言し、故郷・福岡のソフトバンク入り。在籍6年で39勝をマークしたが、2019年オフにトレードで阪神に移籍し、2021年に引退した。現在はソフトバンクの一軍投手コーチ(ブルペン補佐)を務めている。

沖縄・西原高出身の又吉克樹は中日時代に中継ぎ右腕として活躍。2021年オフにFA宣言してソフトバンク入りし、2022年から3シーズンで計103試合、6勝6敗1セーブ30ホールドの成績を残している。

資金力のあるソフトバンクは、ダイエー時代も含めて大物選手の獲得が多い。加えて、九州出身選手が故郷のフランチャイズ球団を希望することが多いのも特長となっている。

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記事:SPAIA編集部

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