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村尾信尚「“103万円の壁”の引き上げは恐らく105~110万円の間」

文化放送

現在行われている臨時国会の所信表明演説で石破総理は“103万円の壁”の引き上げを明言した。12月3日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、どれくらいまで引き上げるのか自身の考えを述べた。

邦丸「どれくらいで落ち着きそうなんですか?」

村尾「いくつか考えるポイントがあると思うんですね。私も役人時代にどういう観点から、こういった問題を分析したら良いのかということをよくやっていましたが、この“103万円の壁”については、どれくらい給料が上がっているのかというポイントが1つ。それから、どれくらい物価の上昇があったのか、つまり皆さんが実質的に消費に回せる額がどれくらい増えているのか、このあたりが“103万円の壁”を引き上げる際に大きなポイントになると思います。ただ、ここに使えるお金は税金なので教育に使ったり、防衛に使ったり、中小企業の支援に使ったりしているわけです。“103万円の壁”を引き上げると財源が減ることになるから公共サービスをカットすることにもなりかねない。今年度予算の一般会計でいうと113兆円くらいの支出があるのに所得税はじめ税収全部かき集めても70兆円しかない。要するに残りは国債で賄っているわけです。ただでさえ支出より少ない税収なのに、またここで“103万円の壁”を引き上げたら、さらに足りなくなる。では、この穴埋めはどう考えるのか。さらにもう1つ加えていえば、諸外国はいったいどれくらいを目安に所得税が発生するようにしているのか、多分、役所は今そういったことを考えていると思うんです。私もよくわかりませんが、まあ105万円から110万円の間に落ち着くんではないかと思います」

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