まるで巨大な桃? 65歳女性の腹部から30キロの腫瘍摘出(カザフスタン)
カザフスタン在住の65歳女性の腹部から、重さ約30キロの腫瘍が摘出された。手術は2時間に及び、新生児10人分に相当する巨大な腫瘍に対して、医師は「これほど大きなものは初めてだ」と驚愕したという。英ニュースメディア『The Mirror』などが伝えた。
カザフスタン南東部アルマトイの「カザフ腫瘍学放射線学研究所(Kazakh Research Institute of Oncology and Radiology)」で今月、65歳の女性の腫瘍摘出手術が行われた。
女性は腹部の異常な膨らみと、数か月に及ぶ腹痛に悩まされており、手術は婦人科腫瘍学を専門とする医師のチームを中心に行われ、重さ約30キロの腫瘍が摘出された。
女性が最初に体の異変に気づいたのは昨年12月で、その頃から下腹部に引っ張られるような痛みを感じるようになった。
同研究所長のアーラン・ククバソフ氏(Erlan Kukubasov)によると、今年7月以来、女性の腹部は徐々に大きくなったそうで、CT検査の結果、骨盤から腹腔にかけて巨大な嚢胞性腫瘍が形成されていることが判明した。
今月13日、同研究所では、様々な分野の専門医が集まった集学的治療チームが話し合いを行い、女性に「手術を受けるように」と勧めた。そして女性は入院し、手術は3段階に分けて、2時間かけて行われた。
チームがまず手掛けたのは、静脈が太くなり瘤状に浮き出ていた下肢静脈瘤の手術だった。次に開腹し、腹膜と腫瘍の癒着した部位を剥離した後、右卵巣の巨大な腫瘍の摘出、子宮の全摘出などを実施し、最後に腹部を形成した。
組織学的検査の結果、女性は卵巣がんと診断されたが、術後の経過は良好で、すでに歩行や日常生活ができるため、近々退院する予定と報じられている。
なお、医師らは「これまでに同様のケースはあったものの、これほど巨大な腫瘍は初めてだ」と非常に驚いたそうで、まるで巨大な桃のような腫瘍を見た人々からは「なぜこんなになるまで放っておいたの?」「命を救ってくれた医師に感謝だね」「これは苦しかっただろう」といった声があがっている。
ちなみに2022年にはインドで、56歳の女性の腹部から47キロの巨大な腫瘍が摘出された。手術後、女性の体重は49キロとなり、彼女は自身の体重とほぼ同じ重さの腫瘍を抱えていた。
画像は『Tengrinews.kz 「30-килограммовую раковую опухоль извлекли у женщины казахстанские врачи」(Фото КазНИИ онкологии и радиологии)(Фото предоставлено КазНИИОИР)』『Newtimes.kz 「30-килограммовую опухоль удалили из живота женщины врачи в Алматы」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)