【沼る VS 微妙】日本でも共感する人が続出中‥Netflix新韓国ドラマ「未知のソウル」
“自分とそっくりな誰かが、代わりに私の人生を生きてくれたらいいのに‥”
逃げ出したいほど辛い時、ふとこのような考えが頭をよぎったことはないだろうか。パク・ボヨン主演の新作ドラマ『未知のソウル』(tvN/2025)では、双子が人生を交換して生きていく姿が描かれている。
韓国では、ほぼ毎話自己最高視聴率を更新中。日本でも、Netflix(ネットフリックス)の視聴ランキング“今日のTV番組TOP10(日本)”で第2位にランクイン(2025年6月3日現在)するなど、国を超えて共感を呼ぶストーリーがドラマファンを魅了している。
そこで本記事では、そんな『未知のソウル』の視聴を検討中のあなたのために、本作の沼るポイントと、一部視聴者から聞こえてきている微妙なポイントを紹介する。
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さっくりあらすじ
物語の主人公は、地元でアルバイトなどをして自由気ままに暮らす明るい性格の妹ミジと、ソウルに上京して公企業に勤務するエリートで完璧主義の姉ミレ。
似ているのは顔だけの性格も考え方も正反対の双子が、ある出来事をきっかけに入れ替わって暮らすことを選択し、物語がスタートする。
妹は姉として、姉は妹として生きることで、それぞれ自分だけの本当の愛と人生を探し、その過程で繰り広げられる人間的成長とロマンスを描いた作品だ。
共感を呼ぶエピソードに沼る
双子が入れ替わるという題材は、一見ファンタジー作品のような印象を与えるかもしれないが、本作はどこまでも現実的。家族内や職場、社会での誰かの姿や、周囲との関係性を投影したかのようなエピソードと設定が散りばめられており、入れ替わりというあり得ない要素でさえ説得力を持たせるほど共感を呼ぶストーリーのオンパレードだ。
このため、作品の本題となっているものはあるものの、静かに落ち着いた雰囲気の中で展開される何気ない会話や日常の1つ1つがどれも見逃せない。ある視聴者は、ただのワンシーンだと通り過ぎるかもしれないが、別の視聴者にとっては強烈な印象を残すと思われるエピソードが刻むように盛り込まれている。
例えば、社内でのいじめで疲れ切った姉の代わりに妹が会社に行くと言い出す場面は、ファンタジーといえばそこまで。しかしミレにとっては、どんな慰めの言葉や優しさよりも心が救われるであろう解決方法で、心配しながらも気持ちが少し軽くなったような姿に涙せずにはいられない。
一方ミジの視点に立つと、辛い局面に遭遇した家族や友人、我が子などを見て、自分が代わってあげたいと思ったことがある人なら彼女の選択に頷けるはず。できることなら私もそうしてあげたかったと思ってしまうだろう。
その他、仕送りをする娘に申し訳ないと、食べないことは分かっているもののおかずを定期的に作る母や、ミジのふりをするミレを見て、すぐにミレであることに気づいただけでなく、ソウルでなにかあったのかと優しくたずねる祖母の姿も印象的。上京した子どものいるどこかの家族の話を描いているようだ。
また、上司のやり方や長いものに巻かれる周囲に対して葛藤した末、自分の気持ちにまっすぐに向き合う各登場人物の生き様やエピソードも社会にでればよく見る光景で、視聴者ごとに様々な解釈を産むワンシーン。
観終わった頃にはきっとあなただけの『未知のソウル』が出来上がっているのでは? パク・ボヨンをはじめジニョン(GOT7)らの熱演と相まって、魅力的な作品に仕上がっている。
微妙なポイント
このため、現段階で視聴者からは微妙なポイントが特段挙がっていないが、強いて言うなら予備知識なしではどんな物語なのか想像がつきにくいと言われたタイトルぐらいだ。
またそれに関連して、第1話の序盤は、平凡な日常や過去の回想からスタートするため、あらすじを知らずに観はじめた人にとっては少々退屈に感じる可能性も。
また、予期せずして泣かされるシーンや暗いエピソードが多いため、気軽にドラマを楽しみたい人にとっては抵抗を感じるかもしれない。
いずれも微妙というには取るに足りないレベルのもの。一旦視聴し始めたらもうおしまい、いつの間にか沼にハマってしまうこと間違いなしの1作だ。
(ライター/西谷瀬里)