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同じ本ばかり…集中してくれない… 絵本の悩みがスッキリ

TBSラジオ

妊娠・出産・育児のリアルな経験談が集まる匿名座談会。今回は、福音館書店とのタイアップでお送りした「絵本の悩み座談会」。いろんな悩みに、福音館書店 宣伝課の大島麻央さんが答えてくれました!

■参加者:キウイ(生後7ヵ月の子のパパ)/いちご(9ヵ月ママ)/幸坂理加(フリーアナウンサー お子さんは2歳)


川島 :「こんなふうに絵本と接してほしい」っていう考え方というのはあるんでしょうか?

大島 :こうしなくてはいけないって思うと途端に窮屈で辛いことになってしまう。絵本の読み聞かせも、今いろんな情報があるので、難しく考えてしまったり、肩に力が入ってしまうこともあるんじゃないかなと。1番はほんとに、絵本を赤ちゃんと楽しむこと。子供たちも、大好きなお母さんお父さんが絵本を読んでくれるっていう、それだけで十分嬉しいことなので、もう自分のペースで自由に、ゆったりした気持ちで絵本を楽しんでもらえたらなと思っています。

川島 :なんか許されたような、ほっとした感じがしますね。

同じ本ばかり読んでいていいの?

川島 :キウイさんとイチゴさんが挙げていた悩みが「同じ本ばかり読んでていいのかわからない」と。同じ本が好きっていうことですかね。

キウイ:絵本の数も家に限られてるのと、「3歳までに1000冊読ませよう!」っていうのあるじゃないですか!まさにタスクみたいになってて…。この同じ本ばかり読んでるのって大丈夫かな?と正直思っちゃう。
川島 :新しいものをどんどん取り入れてった方がいいのかな?と。

いちご:私は子供が反応がいい本ばかり読んでしまって、飽きちゃうとどんどんどっか行っちゃうんですよ。なので、1番気に入ってる本をもうずっとずっと読み聞かせると座っててくれるので、私も同じように新しいものって読んだ方がいいのかな、言葉の勉強には新しいもの読んだ方ができるよな、でも集中してくれるしな~っていうのを悩んでます。

大島 :同じ本を読んでもらって、その子が楽しんでるなら、その時間がとっても楽しい時間だと思うので、無理に他の本を読まなきゃいけないと思う必要はないと思います。読む側からすると、同じ本で飽きないのかな…とか、せっかくだから他の本にも興味持ってほしいな…とか、この本買ったのにまだ読めてない…とか思ってしまうんですけれど、子供は読んでもらうことで、絵本の言葉を耳から聞いて、絵本の絵の中に入り込むようにしてお話を楽しんでいるんですね。

川島 :そうなんですね!

大島 :繰り返し読んでもらうたびに、絵の中に新しい発見をしたり。もうちょっと上になってお話を楽しめるようになると、何度も同じ場面でドキドキしたり。その期待感みたいなものも何度も味わいたいって、絵本を通してたくさん体験をしています。お子さんの中では、いろんな世界が広がっている時なので、繰り返し読んでほしいとか、すごく気に入ってる本がわかるようだったら、 ぜひ子供に付き合って何度も読んであげてほしいなと思います。

川島 :このスタジオ内にもたくさん絵本があるんですけど、これ実際に繰り返し読んでます!というのがあったりする?

キウイ:僕の家は「きんぎょがにげた」。カラフルな色合いがこう、パッと見て楽しいので。7か月ですけど、結構反応してくれます。

大島 :7ヶ月でもう絵本読んでるってすごいですね。

キウイ:正直まだ僕のでかい声に反応してるだけで…物語わかってない!っていうとこあるんですけど、楽しい。

大島 :なんとなくキャッチボールできているような瞬間が嬉しいですよね!

キウイ:ページめくって絵を見てくれたりすると嬉しいです。

幸坂 :「きんぎょがにげた」、うちもお気に入りです。自分で物語作って読んでますね。ストーリー作って、毎回違うストーリーなんですけど…。
川島 :おもしろい!じゃあお子さんの中ではやっぱり物語がどんどん発展してってるっていう感じ?
幸坂 :進化していってますね。読むたびに。

いちご:うちの子はこの「がたん ごとん がたん ごとん」が大好きで。これを読むとニコニコしながら飛び跳ねます。なのでもう手放せない絵本で、2ヶ月ぐらいの時からずっと読んでたからかもしれないんですけど、お気に入りで。これ出すと機嫌が良くなる。
川島 :じゃあ、お出かけの時とかも?
いちご:持ってってます。でも最近結構本を引っ張っちゃうので、親が持って破かないようにしてるんですけど…。

川島 :福音館書店さんの本の中に、厚紙で作られてる本があって、これめちゃくちゃ助かるんですよ。厚紙なので破られない。
キウイ:あーなるほど!

川島 :上の子から、うち5年ぐらいこれ読んでるんですけど、全く破れなくて。

どんな絵本を選んだらいいのかわからない

幸坂 :私、幼い頃に自分がフワフワのくまさんとか、フワフワのうさぎさんとかが出てくる絵本が好きだったよっていうの母から聞いてたので、勝手に子どもってそういうのが好きなんだと思って、いっぱい買い込んでたんですよ。だけど全然興味を示してくれなくて。

川島 :同じじゃないんですね!

幸坂 :児童館に行くと本がたくさんあるじゃないですか。好きなのどれ?って言ったら恐竜とか、あの…傷?かさぶたができましたみたいな話とか。そっちのリアルな方が好きみたいで。最初からこういうところに来て選ばせてたらよかったんだなっていう感じでしたね。

川島 :児童館とか図書館とか、いっぱいある中で、どれに反応するっていう傾向を知るという。

いちご:私は自分が子どもの頃読んでた絵本と、息子の反応が良かった作家さんばかりを読んでいて。これからどういう風に、子どもが好きな本を開拓していったらいいのかなっていうのはすごい感じてます。最近は仕掛け絵本ばかり読んじゃってるので、動くのに夢中なのか、お話に夢中なのか、どっちなのかな…って考える時はありますね。

キウイ:僕は、親が好きなものというか、ここ抑えときたいなってやつあるじゃないですか。ベストセラーとか、単純に親が好きなキャラが出てくるとか。「だるまちゃんとかみなりちゃん」とか、あと「ぐりとぐら」。僕が好きだったので。

川島 :世代を超えて!って感じですよね。私も実際、読むのは自分だから、しばらくは自分が読みやすいものとか、絵が素敵だなって思うものがいいなとか言って、親目線で選んでしまうところあるんですが、大島さんどうでしょうか。

大島 :大体赤ちゃんって10か月くらいから絵本を楽しめるようになってくるんです。
幸坂 :10ヶ月なんだ!
川島 :もっと早くから読んでた気がする!

大島 :絵を集中して見られて、お話を聞いてっていうのは、大体10ヵ月くらいと言われてるので、早く読まなきゃ!っていうのは、あまり思わなくていいのかな。あと、ほんとに最初に赤ちゃんが絵本に触れると、最後まで読む前に絵本閉じちゃうんで。

川島 :あれ気になりますよね!オチがないみたいな感じ。最後まで行こうよみたいな。

絵本を読みながら、書いてないことを語りかけてもいいの?

大島 :読んでる方は消化不良な状態になると思うんですけど、 赤ちゃんにとってはそれが当たり前の反応です。絵本っていうものをそもそも知らないわけですから。 最初は無理せず、気に入った場面があれば、例えば犬が描かれてたら「ワンワンいるね」とか、果物が描かれてたら「美味しそうだね」とか、そんな言葉かけをしてあげて、それだけで十分かなと思います。

川島 :言葉かけも、挟んでいいのかな?と思ってたんですけど、いいんですね。

大島 :もう是非。子どもたちが反応してることには答えてあげて、お話がそこで1回止まったとしても、きっとそこにすごく集中してたり、楽しいことがあったりすると思うので、それを一緒に共有する。その方が子どもにとっても楽しい時間になるかなと思います。

川島 :そっか、もうルール決めて読み出したら、ぎこちない時間になっちゃうから、それよりも、もっともっと自由に楽しんでいいんですね。

大島 :その時も、それでお話終わったとしても、また違う時に、同じように読んでいけば、最後まで読める時が来ると思うので、そうやって絵本を通してコミュニケーションしてもらうっていうのが1 番いいかなと思います。

川島 :そうか、そんなに焦らなくてもいいんですね。

大島 :どんな絵本がいいの?というところで言うと、語りかけるような言葉。その言葉にあったシンプルな絵で展開するような、本当にオーソドックスな絵本が、まずはオススメかなと思います。例えば、ここにある「くだもの」。平山和子さんの作品です。

川島 :さくらんぼがいっぱい描いてあって、もうすぐにとって食べたくなるような。
大島 :本当に本物そっくりに描かれてるんですけど。ページを開くと、まずね、さくらんぼが。
川島 :すごいリアルな絵ですね。

大島 :で、大きなスイカが画面いっぱいに描かれてるんですけど、「スイカ」って言葉があるだけ。
川島 :うん、シンプル。
大島 :次のページをめくると、今度は真っ赤なスイカが切った形でお皿に盛られていて、 で、言葉は、「さあ、どうぞ」。
川島 :そっか、これだけで、シンプル。

大島 :よく見ると、フォークが手前に描かれていて、これは絵と言葉が、まさしくぴったり合うような、「さあ、どうぞ」という言葉で、赤ちゃんも、思わず手を伸ばしたくなる。絵本の世界がぐーんと広がって、気持ちがそこに集中するような、そんな言葉。
川島 :ほんとだ~!!

大島 :絵本って、絵も大事なんですけれども、実はその言葉が生き生きしているかっていうことも大事で。「さあどうぞ」っていう言葉とともに、読んでる人が、「おいしいね」とか「パクパク」とか、言葉をかけてあげると、またすごく赤ちゃんにとってはおいしいものなんだって広がっていく。これだけで赤ちゃんにとっては、絵本って開くと、次の新しい世界が広がる、楽しいっていう。それが最初の最初の1 歩かなという風に思います!

(TBSラジオ『ベビーのいる生活~迷える子育て応援Podcast~』より抜粋)

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