愛猫との出会いは『NNN』のおかげ?!猫のために暗躍する秘密結社のヒミツ3選
1.秘密結社「NNN」とは…
「NNN」とは、「ねこねこネットワーク」の略で、有志の猫たちが立ち上げた秘密結社です。構成員はすべて猫で、「いいヒト」と「いいネコ」の理想的な出会いを推進すべく、日々、秘密裏に活動しています。
通常、猫を飼う場合、人間側が猫を選んでいるように見えますが、「NNN」の世界観では、まったく違います。「NNN」のリーダーと目されるタペ・タム氏(自称)が、応じてくれた極秘インタビューで公式見解を述べています。
「むしろ、逆だ。我々は独自調査員(猫)を派遣し、厳正な調査のもと、『いいヒト』を選び抜いているのだ。その判断に寸分の狂いもない」
極端に狭く、暗い応接室で、タペ・タム氏の目が、その名の通り、妖しくキラッと光ります。地下世界を生き抜いてきた者だけが漂わせるすごみと言うべきか。葉巻をふかす代わりに、前脚をペロペロと舐めています。
「NNN」の調査ネットワークはあまりにも広大、かつ、緻密で、すでに私たち人間社会をモフモフの冬毛のようにやさしく覆い尽くしています。さらに驚異的なのは、「NNN」の調査員たちが、猫好きと見られる人間たちの内面へいとも簡単にアクセスできる点です。
たとえば、誰かがふと漏らした「猫、飼ってみたいなぁ」という心のつぶやきも、「NNN」は聞き逃しません。受信したかすかな「ニャン波」をもとに、「NNN」本部が周辺にいる調査員をすぐさま派遣。外猫風にウロウロして、対象者に近づきます。
撫で方や目ヤニ、毛ヅヤのチェック、さらに赤ちゃん言葉の熟練度など、「NNN」独自の審査基準をもとに、「適格」と判断されれば、本部によって厳選された「いいネコ」が対象者の元へ改めて送り届けられます。
「いいネコ」との出会いが、しばしば感動的、かつ、運命的なのは、裏側で「NNN」の有能なスタッフが脚本、演出、舞台設定を手がけているからです。送り届けられた対象者に抗うすべはありません。もちろん、「飼う!」の一択です。
近年、明らかになった「NNN」の内部情報では、「無類の猫好き」「猫を飼いたいと四六時中考えている」「責任感が強い」「最近、ペットロスになった」などが、派遣先対象者の上位にランクインされていると言います。
2.「NNN」の目的が今明らかに…
「NNN」の設立理念は、本来の猫性(および猫生)を十全に謳歌できる環境をより多く創出することにあります。簡単に言うと、猫が幸せに暮らせる、より良い世界を実現させることです。そのためには、信頼できる愛猫家の選定が欠かせません。
派遣先対象者の絶対条件として、前出のタペ・タム氏は、次のポイントを挙げています。
「ただの猫好きでは物足りない。肝心なのは、喜んで我が同胞のゲボクになることだ。ゲボクの才能さえあれば、責任感もこまやかな心配りもついてくる。そんな人間こそ、我々の真のターゲットだ」
加えて、タペ・タム氏は、猫との暮らしがもたらすポジティブな変化について、「コルチゾール(ストレスホルモン)の低下」「心臓病リスクの軽減」「規則正しい健康的な生活の促進」「オキシトシン(愛情ホルモン)の分泌による多幸感」の4つを強調します。
「幸せな気持ちになれるだろ?猫とはそういうもんだ」
そう言いながら、インタビュアーに背中を撫でさせたタペ・タム氏は、気持ち良さげな表情を浮かべています。謎に包まれた超大物ながら、意外に気さくな人柄です。おそらく、子猫の社会期にたくさんの人や猫と遊んできたからでしょう。
実は、海外にも、「NNN」に共通する理念を掲げた組織「CDS(Cat Distribution System)」が存在します。活動内容に関しても多くの類似点があり、専門家の見解によれば、お互いに情報を共有し、連携を密に取り合っている可能性も指摘されています。
3.あなたの愛猫も「NNN」の一員かも…
前項でも少し触れましたが、愛猫との出会いは、程度の差はあれ、「NNN」が関与しているのは間違いありません。
「NNN」から派遣された猫は、本部で学んだ特殊カリキュラムによって、どうふるまえば、飼い主さんの心をつかめるのか、正確に把握しています。鳴き声のトーン、スリスリの強度、クネクネ時の絶妙な前脚の畳み方など、すべて「NNN」仕込みです。
また、派遣される猫のなかには、叩き込まれた「ツン」と「デレ」の黄金比を駆使して、大の猫嫌いを家族でいちばんの愛猫マニアに変えてしまう子もいます。
愛猫との出会いによって、人生が大きく変わった飼い主さんも多いことでしょう。「NNN」の密やかな活動は、猫だけでなく、関わる人間をも幸せにします。その絶大な影響力は、やがて、赤ちゃん言葉の世界共通語化にも表れるはずです。
インタビューの終わりに、タペ・タム氏に、「NNN」発の猫かどうか、簡単に見分ける方法は?と問うと、以下のような答えが返ってきました。
「睡眠中の猫がときどき、ヒゲや口まわりをヒクヒク、ムニムニさせるのは、『NNN』本部から何らかのメッセージを受信したサインだ。それともうひとつ、爪研ぎの跡をよく見てみるといい。確かに『NNN』の文字が刻まれているはずだ」
みなさんが愛してやまない愛猫も、もしかすると、「NNN」から派遣されてきた精鋭たちかもしれません。今度、恐る恐る爪研ぎグッズを確認してみてください。
まとめ
今回は、巷で話題の「NNN」の謎について、ひと通り解説しました。国内外問わず、私たち人間の暮らしは「NNN的組織」の包囲網に取り囲まれていると言えます。
その全貌はいまだに解明されていません。追いかければ追いかけるほど、謎に包まれてしまうのは、本家の猫と同じです。
私たち愛猫家は、追いかけるよりも待つほうが性に合います。今後の専門家たちのさらなる研究成果を期待しましょう。