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秋季高校野球静岡県大会、9月14日いよいよ開幕!秋は左腕が鍵になる⁉新バット、二段モーション解禁で“投高打低”が加速?

アットエス

(写真左上から時計回りで)加藤瑞己(掛川西)、高部陸(聖隷クリストファー)、吉田遥孔(静岡)、秋山創大(常葉大橘)


秋の高校野球の優勝争いは投手力が鍵を握ると言われます。非力な新チームで臨む上、今年は反発力を抑えた新バットの導入後、初めて迎える秋の大会となります。夏以上に「投高打低」、ロースコアの接戦が増えそうです。

特に注目されるのが左投手です。昨秋の静岡県大会覇者の藤枝明誠、2年前の常葉大菊川と左腕の活躍がチームの躍進を後押ししました。今秋は下級生の段階で経験を積んだ左腕が多く、静岡の吉田遥孔(はるく)投手、常葉大橘の秋山創大投手、掛川西の加藤瑞己投手、聖隷クリストファーの高部陸投手、常葉大菊川の大村昂輝投手らの名前が挙がります。

静岡高のエース吉田 「間」の使い方意識

今夏4強の静岡高の新エース吉田投手は身長178センチ、体重83キロ、最速141キロ。夏までに既に潜在能力の高さを示していますが、この秋、新たに会得しようとしているのが「間」の使い方だそうです。

実は今年から新たに適用されたのはバットの新基準だけではありません。投球の二段モーションも高校野球で解禁となりました。投球時に一度上げた足を上下させたり、止めたりする動作です。これも、投高打低に拍車が掛かった要因とみられています。

静岡の池田新之介監督も「投高打低になったのは、バットが低反発に変わったのが大きいけれど、二段モーションの解禁も大きい」と考えています。池田監督は今夏の甲子園に出場した東海大相模の左腕エース藤田琉生投手の投球をテレビで見て「間の使い方がうまい」と感心したそうです。

投球の緩急、モーションの緩急、間の緩急をそれぞれ掛け合わせることで無数にパターンが生まれ、打者の対応は難しくなります。池田監督は「試してみたらどうか」と吉田投手に持ちかけたところ、起用な吉田投手は3日ほどの練習で感覚をつかんでしまったそうです。

二段モーションをぶっつけ本番で試した8月21日の県大会予選2回戦の島田樟誠戦は6回を2安打無失点に抑えました。「序盤は良かったけれど、四回以降は疲れが出て修正できなかった」と吉田投手。二段モーションの手応えを尋ねると「下半身をしっかり使えて、コントロールが安定する。タイミングも変えられる」と好感触を得た様子。ただ、「しっかり足を安定させないと、体が前に早く倒れてしまう」と下半身周りや体幹を鍛え、投げ込みをする必要があると感じたようです。

吉田投手は今春の東海大会前に左足首を疲労骨折し、夏にはギリギリ間に合いました。7月から投げ始め、約1週間の練習で夏の静岡大会に臨みましたが、「もっとエース(谷脇健心投手)に負担を掛けないように、貢献したかった」と悔しさも残しました。夏の鬱憤を秋にぶつけます。

取材こぼれ話

静岡の吉田投手の兄は2年前の静岡のエースで4番の吉田優飛選手(日体大2年)ですが、捕手の石垣大輝選手は祖父、父と3代続けて静岡高野球部。強肩で二塁への送球は1・9秒を切ります。加えてストップや配球、視野の広さにおいて成長著しいそうです。吉田ー石垣のバッテリーを中心に秋の県大会予選3試合を1失点に抑えています。(編集局ニュースセンター部長・結城啓子)

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