ガンプラ4300体が集結 デザインや工場見学も 聖地・静岡に体験型ミュージアムオープン
■バンダイ工場内のミュージアム 9月2日にオープン
プラモデル製造出荷額で日本一を誇る「ホビーのまち静岡」に、新たな観光・学習スポットが誕生した。BANDAI SPIRITSは9月2日、静岡市に新設した工場内に設けたミュージアムの一般公開を開始した。過去に製造された4,300体以上のプラモデルなどを見学できるファン必見のスポットとなっている。
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BANDAI SPIRITSは静岡市葵区にプラモデル生産工場「バンダイホビーセンター PDII(プラモ・デザイン・インダストリアル・インスティチュート)」を新設した。工場内には総床面積1,500平方メートルのミュージアム「BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE MUSEUM(略称:BHC PDII MUSEUM)」をつくり、工場見学や展示、さらに来場者がプラモデルの企画からデザインまでを体験できるスペースを設けた。「ものづくりの魅力発信基地」として位置付けている。
エントランスで来場者を出迎えるのは、実物大ガンダムの頭部サイズに相当する巨大モニュメント。プラモデルのランナー(枠)にパーツを配置した“組み立て前”の姿で、高さ約14.2メートル、幅約3.6メートルに及ぶ迫力ある展示だ。
館内には過去に製造された4,300体以上のプラモデルが並び、歴史や進化を一望できる。さらにイベント会場でファンが組み立てた約4,000体のガンプラ展示も予定されており、壮観なスケールで「ガンプラが生まれる場所」を実感できる。
■見る・学ぶ・体験する 3つのエリアを満喫
館内のエリアは大きく3つに分かれている。「見る」エリアでは、窓越しに稼働中の工場を見学可能。プラスチック成形からパッケージングに至る製造工程を間近に感じられる。
「学ぶ」スタディエリアでは、商品企画書が並ぶ「デザインロード」や、多色成形機の実物大模型を展示。さらに、幅約15メートルの大型スクリーンで製造の面白さを紹介し、品質へのこだわりをわかりやすく伝える。
「体験する」ラボラトリーエリアでは、来場者がIDカードを使って“プラモデザイナー”になりきり、タッチパネルで形や色を決定。金型設計やパッケージデザインを経て、自ら企画したオリジナルのパッケージ箱を持ち帰ることができる。また、館内では実際の成形機によるプラスチック成形の実演も行われ、来場者には限定成形品がプレゼントされる。
今回の新工場は、プラモデルの安定供給を担う重要拠点だ。2026年度の本格稼働時には、グループ全体で2023年度比約35%の増産が可能になる見込み。多色成形機10台、単色成形機84台を備え、1台あたり1日で約4,000枚のランナーを生産できる体制を整える。
■完全予約制で所要時間は90分 入場料は大人2860円
環境配慮にも注力しており、新工場には1,080枚の太陽光パネルを設置した。既存棟と合わせると合計1,858枚に達し、使用電力量の削減を進めている。「ガンプラリサイクルプロジェクト」など持続可能なものづくりへの取り組みも進めており、最新鋭の技術と環境意識を融合させた拠点となっている。
ミュージアムの営業時間は午前9時から午後5時半までで、所要時間は約90分となっている。完全予約制で、入場料は大人(13歳以上)2,860円、小人1,100円、未就学児は無料(税込)。公式サイトでは予約方法や休館日、来場者限定グッズ販売などの詳細が案内されている。
プラモデルの聖地・静岡にまたひとつ、新しい発信拠点が誕生した。地域産業の伝統を受け継ぎながら、未来のファンに“ものづくりの魅力”を届ける役割を担う施設として、多くの注目を集めそうだ。
■施設概要
施設名:BANDAI HOBBY CENTER PLAMO DESIGN INDUSTRIAL INSTITUTE MUSEUM
住所:静岡市葵区長沼500-15(バンダイホビーセンター新工場2・3階)
営業時間:午前9時から午後5時半
休館日:日曜・月曜・年末年始(公式サイトで要確認)
(SHIZUOKA Life編集部)