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静岡に根差して30年 「くふうしずおか」に社名変更 くふうハヤテのネームバリュー実感

Shizuoka

「くふうしずおか」は「しずおかオンライン」から社名変更

■くふうハヤテの命名権取得 しずおかオンラインから社名変更

サッカーのまちで野球が日常になりつつある。静岡市を本拠地とする「くふうハヤテベンチャーズ静岡」が、プロ野球2軍「ウエスタン・リーグ」に参加して1か月が経った。球団のネーミングライツ(命名権)を取得した「くふうカンパニー」グループの「しずおかオンライン」は4月から社名を「くふうしずおか」に変更。スポーツ事業を本格的に展開し、ローカルファーストを推進する。

【動画】NPB12球団でプレーした経験のある野手もくふうハヤテの練習では打撃投手を務める

66年ぶりに誕生したプロ野球球団のチーム名が発表されたのは今年1月だった。「くふうハヤテベンチャーズ静岡」。思いを詰め込んだ球団名に、選手や静岡市民からも「少し長い」、「チーム名にひらがな!?」という声が上がった。だが、ウエスタン・リーグ開幕から1か月半が経過し、「くふうハヤテ」の愛称は着実に浸透している。

球団名の「くふう」は、ネーミングライツを取得した「くふうカンパニー」が名付けた。くふうカンパニーは買い物や家計簿、住宅、結婚など日々の暮らしやライフイベントを充実させるサービスを展開している。グループ会社の1つが、静岡市に本社を置く「くふうしずおか」だ。

くふうしずおかは4月1日に社名を変更したばかりで、まだ認知度は高くないかもしれない。ただ、旧社名の「しずおかオンライン」は、静岡市民だけではなく、県民にも馴染みのある企業。静岡県のグルメや美容の情報を発信する「WOMO」や住宅情報を掲載する「イエタテ」で知られている(イエタテは現在、くふう住まい社で「くふうイエタテ」として運営)。

「くふうしずおか」は「しずおかオンライン」から社名変更

■事業の柱は3つ ぶれない「ローカルファースト」

社名を変更して1か月と間もない。それでも、「くふう」のネームバリューの浸透は予想以上だという。代表取締役の堀口育代さんは「ご挨拶した相手には『あのくふうさんですね』と言っていただけます。ネーミングライツの影響を感じています」と話す。

くふうしずおかは主に3つの事業を展開している。まずは、地域メディアの運用。静岡の生活に密着したメディア「くふうロコ」、女性向けの「WOMO」といった地域メディアで地元の人たちの生活を豊かにする情報を届けている。

次に企業の課題を解決するソリューション事業。地元企業や自治体のウェブサイトやシステム構築、マーケティングやプロモーションなどデジタル技術を活用して課題を解決している。そして、3つ目が今後取り組んでいくスポーツ事業を支援する事業。くふうカンパニーが資本提携して球団のネーミングライツを取得したことを契機に、くふうハヤテを中心とした地元のスポーツへの関わりを深めていく。堀口さんがビジョンを語る。

「社名が変わる前から、ずっと変わらずに会社として大切にしているのがローカルファーストの考え方です。エンターテインメント性があり、子どもたちの育成にもつながるスポーツ事業の支援は、地域事業と密接に関わります。静岡県はスポーツが盛んなので、野球だけではなく地元の活性化につながる事業を進めていきたいと考えています」

くふうハヤテの本拠地で開催された開幕戦

■スポンサー探しや情報発信 くふうハヤテを支援

くふうしずおかの歴史は30年以上前に始まった。しずおかオンラインの前身、フィールドノート社が1993年に地域情報の出版社として創業。キャンプや住宅関連の雑誌や冊子から始まり、グルメや観光を中心としたフリーペーパーの発行へと拡大した。時代の変化に伴って情報発信の方法は紙からウェブへと移行しても、「感動や行動を起こす、リアリティにこだわった地元に役立つ情報」の追求は変わっていない。

誤解されがちだが、くふうしずおかは球団運営に携わるわけではない。ただ、長年地元に根差してきた強みや情報発信力は、くふうハヤテの強力な援軍となる。堀口さんは、こう話す。

「球団運営には資金が必要です。グループ会社は球団のスポンサーですが、他にも球団を支援してくれるスポンサーを探す代理店の役割を担えると考えています。また、自社で運用しているメディアでチームや選手の情報を発信したり、コラボレーションしたりすることで球団の認知度アップにつなげ、静岡の皆さんが応援したくなるような様々な方法を模索しています」

名刺の裏には個々の従業員が推す選手のプロフィール

■「地域全体で応援する球団に育てる一助に」

今年1月末にグループがネーミングライツを取得し、4月に社名変更と、くふうしずおかの社内は目まぐるしく動いている。くふうハヤテは静岡県初のプロ野球と注目される一方、勝敗や観客動員など先行きが不透明な部分もある。それでも、期待や使命感が不安を上回る。堀口さんが社内の思いを代弁する。

「資本提携やネーミングライツを抜きにしても、静岡にプロ野球の球団が誕生したことは市民や県民の財産です。人との新たな交流が生まれ、子どもたちの夢にもなります。静岡の皆さんには自分たちのチームとして地域全体で一緒に応援できる存在に育ててもらいたいと思いますし、その一助となる会社になりたいです」

ゼロからスタートしたばかりのくふうハヤテ。プロ野球の球団は1年、2年で球場がいっぱいになったり、リーグ優勝したりするほど甘くない。しかも、2軍だけの球団は成功の前例もない。だからこそ、地元に根を張る企業による中・長期的な支えが不可欠であり、その中心に「くふうしずおか」がいる。

(間 淳/Jun Aida)

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