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文章堂、75年の歴史に幕 「専門店の役割終えた」

タウンニュース

店舗の前に立つ杏菜さん(右)と恵さん

JR逗子駅前で1950年から営業してきた文房具店「文章堂」が、7月31日(木)で営業を終了する。文房具がコンビニエンスストアや100円ショップなどで手軽に買うことができる昨今、専門店で購入する必然性は薄まり、売り上げは減少。立て直しを図ろうと5年前にリニューアルしたが、コンビニなどの利便性にはかなわず、この度、75年の歴史に幕を下ろすことを決意した。しかし、代表の大久保杏菜さん(41)はこの閉店を「次へのステップ」と捉え、前を向く。

文章堂は大久保さんの祖父・大久保早苗さんが創業。2代目の父・貴一朗さんが2019年に60才で他界した後は、母の恵さんが3代目として跡を継いだが一人での店舗運営は厳しかったことから、杏菜さんが手伝いに入るようになった。店を継ぐ意思はなかった杏菜さんだが、「店の形態を変えるのであればやってみよう」と、22年末から本格的に携わるようになった。

店を任せられるようになった杏菜さんは、コンビニなどとの差別化を図るため、鉛筆やペンなども少し値の張る質の良いものを並べたり、レターセット、祝儀袋、雑貨っぽい文具を揃えるなどした。しかし「文章堂の名前が強すぎた」と語るように、品ぞろえが変わったことから、昔のイメージをもって来店する客のニーズには応えられず、一方で新しい客も簡単には増えなかった。徐々に売上が下がる現実に、このまま続けていても仕方がないと判断した。

閉店セール開催

75年の歴史の中では親子3代で利用した客や、子どもの頃に逗子に住んでいて何十年かぶりに戻ってきて「まだあったんだ」と驚く客などさまざまだ。

杏菜さんは「長いお客さんがいる中で、力不足での幕引きは申し訳なく思う。文章堂はなくなるが、違う形でまた皆さんにお会いできればと思う」と次の展開に向け、計画を進めている。

同店は5月12日(月)から閉店セールを開催。6月15日(日)までは20%オフ、同16日(月)から7月31日までは30%オフ。

営業時間は午前10時から午後6時。定休日は水・日・祝。

(問)同店【電話】046・873・0101

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