新国立劇場、オペラ公演『ウィリアム・テル』が3/22よりOperaVision・新国デジタルシアターにて無料配信
2024年11月に新国立劇場に初登場した『ウィリアム・テル』。ロッシーニ最後のオペラにして最大傑作とされる本作の画期的な上演は話題となった。この度、その公演映像を、2025年3月22日(土)午前3時から6か月間、OperaVisionおよび新国デジタルシアターにて無料公開されることが決定した。
ロッシーニの『ウィリアム・テル』は、伝説の英雄ウィリアム・テルをめぐるシラーの戯曲を原作に、ハプスブルク家の圧政下にあった14世紀スイス・アルプス地方の民衆の自由を求める闘いを描く歴史劇。グランド・オペラ(グラントペラ)様式で書かれ、合唱やバレエシーンがふんだんに織り込まれる壮麗なオペラ。ベルカント・オペラの旗手としてヒット作を連発したロッシーニが、フランス風の美しい旋律を追求し、ロマン主義的なグランド・オペラの扉を開いた画期的作品だ。
演出には演出家・舞台美術家として世界で活躍する巨匠ヤニス・コッコスが登場。コッコス演出に厚い信頼を寄せる大野和士芸術監督自らの指揮のもと、タイトルロールにゲジム・ミシュケタ、アルノルドに超人的な声で魅了するテノール、ルネ・バルベラ、マティルドにスター・ソプラノのオルガ・ペレチャッコとベルカントの名手が贅沢に揃った。
『ウィリアム・テル』の原語による舞台上演は日本初の上演。本配信により、世界中のオペラファンが新国立劇場のオペラ公演を楽しむことができる。
なお、OperaVisionは、EUの文化支援プログラムCreative Europeの支援の下、Opera Europaが監修するヨーロッパ最大級のオペラ映像配信プラットフォーム。新国立劇場は2022年2月よりOperaVisionのプロジェクトパートナーとなっている。
【あらすじ】
オーストリア圧政下のスイスの山村。長老メルクタールの息子アルノルドはハプスブルク家の皇女マティルドへの恋に悩んでいた。村一番の弓の名手ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)はオーストリアの支配に抵抗するよう、アルノルドを諫める。総督ジェスレルに反抗し村人を匿った咎で長老メルクタールが殺され、アルノルドは復讐を決意する。ウンターヴァルデン、シュヴィーツ、ウーリの3州の民が集まり決起を誓い合う。マティルドはアルノルドの決意を聞き、永遠の別れを交わす。ジェスレルは表敬を拒んだテルと息子ジェミを捕らえ、息子の頭に載せたりんごを射ることができれば命を助けると告げる。見事に射抜いたテルだが、ジェスレルに投獄される。アルノルドがついに蜂起し、脱出したテルがジェスレルを倒す。アルノルドとマティルドは再会し、自由を祝う民衆の声が崇高に響く。