パラ水泳選手田中映伍さん 「今できる最高の泳ぎを」 28日開幕のパリ・パラリンピックで3種目出場
茅ヶ崎市東海岸南在住のパラ水泳選手・田中映伍さん(20・東洋大学2年生)が、8月28日に開幕するパリ・パラリンピックに出場する。3種目にエントリーされており「自分の力を出し切って全ての種目で自己ベストを更新したい」と意気込む。
生まれつき両腕がない障害のある田中さんだが、幼い頃からサーフィンやサッカーなどさまざまなスポーツに親しんできた。
中学時代にパラ水泳を始めると、徐々に頭角を表し、日本のトップスイマーに。昨年、イギリス・マンチェスターで行われたパラ競泳の世界選手権では2種目で日本新をマークした。
パリへの切符をかけて今年3月に静岡県で行われた「日本パラ水泳春季チャレンジレース」では50m背泳ぎで37秒43をマークして「派遣B基準記録」を突破。S5クラス(両下肢の障害や手足の欠損がある人が対象)の日本代表に決定した。
4月には茅ヶ崎市と「スポーツ振興に関する協定」(スポーツアンバサダー協定)を締結している。
五輪からも刺激
代表決定後は、ナショナルトレーニングセンターを拠点にハードな練習を積んできた。
8月10日にはフランスに向けて出国。同国北部の街・アミアンで事前合宿を行った後、8月23日に選手村へと移動する予定だという。
大会では100m自由形、50m背泳ぎ、50mバタフライの3種目に出場する。
パリ五輪もテレビで観戦し、気持ちも高まっているという。「同じ大学に通う松下知之選手が、400m個人メドレーで銀メダルを獲得したのを見て『自分も』という気持ちになった」。
出国を前にした当紙の取材に対し田中さんは「出場自体が初めてなので、まずは大会を楽しみたい。今できる最高の泳ぎをして、全ての種目で自己ベストを更新することが目標。茅ヶ崎の代表として精一杯がんばるので応援をお願いします」と話した。